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転生吸血鬼の異世界征服!  作者: 清水さん
第1章 転生
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第十二話 開戦四日目深夜 呪いの解呪

 

 突然だがダークエルフにかかっている呪いとはなにか。呪いの種類は多岐に渡り体に負担をかけ、やがて死に至るようなものから“種族すらも変えてしまうもの”まで。そう、ダークエルフとエルフを鑑定し得た情報から推測した答えがこれだ。


 一応は呪いと言う言葉を使ってはいるがこれは吸血鬼が人間を眷属にする際の一種の転生と言う物に近い。何者か(強い力を持った誰か)がエルフに呪いをかけダークエルフに転生させた。これがエルフとダークエルフの関係だろう。エルフを鑑定するまでは確証を得られなかったがあの強力な神聖魔法を使ってきたダークエルフとエルフの王は確実に血のつながりがある。これは間違えない、なにせ美味しい血には目が無い吸血鬼が言うのだから。

 

 

 

 

 

 今夜はエルフの里へダークエルフの解呪をしに行く。

魔力も回復し準備を整えてエルフの里へ向かう。


 「今回は怪我をしないで下さいよ? ご主人様はもう少し自分を大事にするべきです。それに…」

 「あー、分かった分かった。今回は怪我をしないじゃあ行って来る。メル、頼む」


 止めなければいくらでも続いて行きそうなアリシアの小言を止めメルに転移の魔法を頼む。今回はバアルも万全の状態でついてくると言うので転移の魔法はメルに頼む。前回、俺が腕を失ったのをまだ気にしているようだ。

 転移の魔法は高位の魔法なのでそれなりの魔力を使う、そのためバアルは行きの転移はメルに任せる様に言って来た。

 

 「では、ご主人様、行ってらっしゃい」

 

 俺とバアルは、アリシアと悪魔たちに見送られてエルフの里へと転移する。






 転移して目に入ったのは前回と変わらないエルフの里。前回と変わって人? エルフの姿は無い。今回は一応礼儀として家の真ん前や、広場ではなく里の入り口だと思わしき場所に転移した。

 

 「ご主人様に対して出迎えが無いなど失礼ですね。この村を燃やし尽くしましょうか?」

 「やめろやめろ、冗談に聞こえない」


 バアルは前回俺を傷つけたダークエルフがいると思い、気が立っているようだ。バアルの魔力が揺れてて怖い。確実に俺以上あるもん。いかんいかん、口調が崩れてきている。エルフの前では口調を王様風にしなければ、ただでさえ俺は若い(転、生後一ヶ月と少し)のだからせめて口調くらいは、と思う。

 

 里の守衛らしきエルフに案内され王の家へと向かう。守衛らしきエルフからは隠しきれない喜びが伝わって来ていた。やはりダークエルフの呪いが解けると言うのは嬉しい事なのだろうか。

 

 「王よ、よくぞ来て下さった。ダークエルフの王とは話が付いた。今からダークエルフ達の解呪を頼みたいのだが、良いだろうか?」

 

 出迎えの言葉をかけたエルフの王、イリスは心配そうに尋ねる。

 

 「分かっている。そのために来た。だが、そのダークエルフ達はどこにいるんだ?」

 「王も分かってはいるだろうがあの呪いは他のエルフにうつる。だから解呪はダークエルフの里で行いたい」

 

 (ご主人様、発言してもよろしいですか?)

 

 バアルが精神魔法の念話で発言の許可を求める。口に出さないのは礼儀だろうか。俺はこの世界の礼儀を知らないが。バアルは必要な事以外は言わないだろう。軽くうなずく。


 「エルフの王よ。ダークエルフの里は安全なのか? 以前ダークエルフの里へ向かった際には問答無用で攻撃されたが」

 「それは問題ない。ダークエルフの里へは話がしてあると言っただろう?」

 「わかった。信用するぞ? エルフの王」


 バアルさん、本物の威圧マジで怖いです。話し方も敬意が少ない、と言うより同等の者に話しかけている感じがする。将来的には出来ればこのぐらいの威圧は出来る様になりたいな…。


 とりあえずはエルフの王を信用するとしてダークエルフの里へ向かう。数人の護衛らしきエルフとエルフの王、それと俺達で徒歩でダークエルフの里へ向かう。護衛たちを鑑定してみるがやはり彼らは精霊魔法を使えるようだ。それに加え魔力感知で周りを見回すと俺やバアル、人間たちから出る魔力とは別の魔力が感じ取れる。その中には意識を持っていると思わしき物もあるがこれが精霊なのだろうか? 

 

 そのような事を考えていたおかげかダークエルフの里への道のりはそこまで時間が掛からなかったように感じた。

 

 

 

 

 

 以前、一度遠目でダークエルフの里を見たがエルフの里と違い、ごく普通の人間の村といったような雰囲気だった。今あらためて見る里の中には畑があり何かの野菜を栽培しているようだ。他にも食事には弓などで動物を狩っているのだろう。

 

 始めて見た王の住む家はエルフの里と同じく木と共にあると言うような家だった。その作りはエルフの里の王の住む家を思わせる。やはりエルフの王の母親が住んでいるのだろうか?

 

 ダークエルフの守衛らしきダークエルフに案内され家に入る。武に関しては素人の俺でさえ分かるほどその身のこなしは歴戦の戦士を思わせる。バアルにからの念話よれば(身のこなしで敵に自分の力量を見せるなどバカのする事です。問題ありません)だそうだ。

 おそらくは応接室らしき部屋に通される。ひとまずはダークエルフの王と挨拶と言う事か。中に入ると褐色に銀髪の少女がこちらに頭を下げていた。その顔は見えないが美しいのだろう。日に焼けたエルフ、と言うような体でありその年は人間で言う15才程度だろうか? エルフ、ダークエルフは年を判別しにくいが、けして長い時を生きてはいないだろう事はわかる。


 「我は王、深淵の知識を求めやがて世界を手に入れるものだ」

 「私の名前はアリス……、っ! あ、悪魔をも従え…王を名乗る者…」

 「どうした? 確かにバアルは悪魔だが我に害をなそうとしなければ無害だ」

 

 急に言葉を止めたかと思えば悪魔だ、王を名乗るだかと喋り出すダークエルフの王。礼儀がなってないな、それともこれがダークエルフ流の礼儀なのか? そんなことを考えている間にもアリスの顔色は変わっていき、今は羞恥の為か顔を真っ赤にしてこちらをにらんでくる。


 「母さんの仇。死ねぇ!!!!」

 

 そう言ってアリスはいきなり魔法を放ってくる。何やらぶつぶつつぶやいていたのは魔法の詠唱だったようだ。魔法を詠唱する時は魔力が動くのだが魔力操作によって外から見えないよう隠していたのだろう。なかなかやる。

 

 アリスが放った魔法は神聖属性の浄化魔法だと思われる。屋敷の魔導書に書いてあった光魔法、神聖魔法の浄化魔法は最終的には自分以外の全てを浄化する(消失、正しくは光または神聖属性への変化)魔法だと書いてあった。おそらくその魔法をアリスが改良したのだろう。


 考え事をしながらもバアルに自分の事は自分で守るから手を出すなと念話で伝え、魔法の余波が里や森に被害を出さない様にしろ、と命令しアリスを空へ誘導する。少しなら魔法で空を飛ぶことぐらいできる様になってきた。アリスが何を怒っているかは知らないが俺はこの世界で人を殺した覚えはないから母の仇と言うのは人違いだろう。


 「アリスよ、話を聞け。我は他人を殺めたことなど無い。母の仇と言うのは人違いだ」

 「そんなわけない。私たちエルフに呪いをかけてダークエルフにしたのも、母さんを殺したのもお前だ!!」


 アリスは激昂し話を聞いてくれそうにない。説得をしている間にも目的の場所、荒野についた。ここで戦えばメルスタ軍にばれるだろうがしょうがない。あのまま里で戦っていた場合、里への被害は酷いものになっていただろう。

 俺の国民となるであろう者たちを傷つけるわけにはいかない。

 

 「言葉が通じないと言うのなら力でねじ伏せよう。アリスよ我に勝てば我を好きにするがいい。アリス、貴様が負けたのならダークエルフの民は我がものだ」

 「お前なんて殺してやる!!」

 「肯定と受け取った」

 

 ポーン ニホン が ダークエルフの里 へ宣戦布告を行いました。

 

 これで一応は戦う理由が出来た。勝てば俺は国民を手に入れる事が出来る。そのためにはまず彼女を止めなければ。

 

 アリスは神聖魔法と光魔法を基本として攻撃しながらも時折、水や風と言った属性の魔法も繰り出してくる。神聖魔法、光魔法はヴァンパイアにとって天敵のような魔法だ。くらうわけにはいかない。なので光属性の対となる闇属性の魔法で防御しているがおそらくは光の上位魔法であろう神聖魔法はその防御を超えてくる。

 

 それに加えアリスは器用に無詠唱と詠唱を重ね、隙のない魔法を繰り出しているので反撃も難しい。このままではいつか回復が間に合わずやられてしまうだろう。どうしたものか。

 

 『光よ、神聖なる光よ。我が敵を滅する聖なる雨となり我が敵を滅ぼせし尽くせ』


 アリスの詠唱により光り輝く雨が降る。それは俺の結界に触れると結界を溶かし、肌に触れると肉の焦げる臭いとともに俺の腕が焼けただれる。邪悪なる者に対して酸のような効果をもたらすのだろう。俺は邪悪ではないと思うが。


 『火よ、暗き熱き灯(ともしび)よ。我を蝕む聖なる水を焼きたまえ』


 俺もアリスをまねて複合属性に挑戦してみる。さすがに火と闇の二属性が限界だがアリスは光、神聖、水の三属性を重ねていた。俺もその程度は片手間で出来るぐらいまでは魔法の修行を頑張ろうと思う。

 

 そろそろ魔力が心もとない。慣れない飛行の魔法や初めての複合魔法を大きな魔力で無理やり発動したせいだろう。だが問題はない。そろそろアリスに魔法が効いてくるはずだ。


 「うっ…急に……眠く、なにをした…」

 「精神魔法のスリープだ。何も魔法は攻撃に使うだけのものじゃない」


 アリスには戦闘が始まる前からずっと無詠唱でスリープをかけ続けていた。俺の巨大な魔力のせいで気付かれなかったようで良かった。無詠唱はスリープの魔法を行っていたため戦闘の時、魔法を詠唱しなければいけなかったのはきつかった。…主に精神的に。

 恥ずかしくて死にそうだったので本当に危なかった。もう少しあの恥ずかしい状況が長引いていたらうっかりバアルに応援を頼むところだった。そしたらまず間違いなくバアルはアリスを殺すだろう。本当に危なかった。精神的に。


 とりあえずアリスを縛って少し休もう。俺は残り少ない魔力でアリスを拘束し森の入り口に座り込む。さすがに疲れたので魔力の回復を待つ時間位はねててもいいよね。俺はバアルに無事を伝え、木の根によこになった。


誤字、脱字ありましたら報告お願いしますm(_ _)m

感想お待ちしています。


また、今後登場する国についても募集しています。

国家名 国民種族 国王、または王女の名前 その他設定などを書いて感想にお願いします。

なるべく登場させます。こちらの問題で部分的に変更等する場合もありますが。それでも構わないと言う方お願いします。


追記、誠の国の名前などを変更しました。

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