筆者自身による解題
それが政治的な意見であれ、宗教的な信条であれ、行政への提言であれ、大衆への呼びかけであれ、小説という媒体をとる以上、作者の主張はすべて本文中にこめるべきであり、そして、その解釈は読者に委ねるべきである。
結果、作者は勇敢なライオンを描いたつもりでも、とある読者には臆病な犬と思われたり、また他の読者には眠たげな猫と解釈される。
筆者はこのような考えの持ち主であるし、このような世界を楽しんでいるが、本作、手箱のピクニックだけは事情が異なる。本作が読者に臆病な犬と思われては困るのだ、読者に眠たげな猫と解釈されては筆者の意図とずれてしまうのだ。もちろん、筆者は勇敢なライオンを描いたつもりなどない。
ではここに、筆者は自分の考えを曲げて、本作の執筆された意図を、本作の解釈を、筆者みずからの手で書きたいと思う。
本作は、
・自称フリースクールなど、一部民間教育施設における不適切な運営実態。
・広域通信制高校における不適切な活動実態。
サポート校や学習センターといった地方施設へ学校業務を丸投げしている問題。
学校を認可した都道府県が、県外の施設の活動実態を把握できないうえに、指導する権限がない問題。
教育の質が低く、質が保証されていないほどの不適切な授業状態の問題。
卒業要件を満たさずに生徒を卒業させている学校が存在する問題。
地方の施設に対する統一的な設置基準が存在せず、自己所有でない雑居ビルのワンフロアといった教育上不適切な施設が校舎となっている問題。
インターネットや携帯電話、いわゆるメディアを用いた授業における不適切な実態の問題。
無免許教員や雇用形態が怪しい教員が授業を行っている問題。
実体が伴わない不適切な宣伝や、入学時に十分な説明を行わないといった、不適切な勧誘が行われている問題。
高額な授業料や、高額なコースを選ばせたりする、学費にまつわる問題。
休眠生を作り上げ、卒業率を上げたり、脱税や、補助金や助成金を不正に受給している問題。
近年乱立しており、行政による十分な審査が行われていない問題。
生徒の個人情報が不適切に管理されている問題。
学則定員を超えて生徒を入学させている問題。
・高校と誤認させるような悪質な宣伝を行う、サポート校に代表される民間教育施設の問題および、学校業務を請け負うといった不適切な活動実態がある問題。
・公立通信制高校における生徒へのサポートが不十分な問題。
・私立も公立も含めた、休眠生における不適切な状態の問題。
・各都道府県の私学管轄部門の名称不統一問題。
・臨時免許状、特別免許状、特例特別免許状の不正発行問題。
・学校の名称の使用の義務化および、類似名称の規制問題。
・専門学校モドキや民間資格の問題。
・その他、本文中に書かれた教育上における不適切な問題。
これらの問題を大衆へ周知させるため、行政には改善を求めるため、そして、
・多くの有識者や有識団体から二十年以上にわたって再三指摘されているのにも関わらず、まったく改善を試みないのはおろか、問題の認識すらしない文部科学省への批判。
をする、筆者自身が主張する揺るぎのない意図を持って書かれた告発であり、これ以外の解釈の余地は存在しない。
最後に、誤解なきよう読者諸賢に二点ほど書き添えておかねばなるまい。
・大過なきよう本作では極力架空の地名や架空の学校、架空の存在を登場させているが、一部は実際に存在する地名や部門が登場している。これは本作の性質上不可避であり、職責を果たしている方々の批判をする意図はまったくない。
・通信制高校という制度そのものに対する批判をする意図はない。
以上。
筆者




