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 一方、灰谷さんは、ボンボンだった灰谷さんは、お気楽なキャンパスライフを送っていた灰谷さんは、家庭の事情で大学を中退せざるを得なかった灰谷さんは、三波学園高等部の業務をたったひとりでこなさなければならなかった灰谷さんは、不正に発行された臨時免許状で学校教師という身分に仕立て上げられていた灰谷さんは、胡散臭い宣伝で泉ケイを入学させた灰谷さんは、泉ケイにナントカコースを選ばせた灰谷さんは、泉ケイに高い学費を支払わせ高額な教材を売りつけた灰谷さんは、泉ケイが死ぬ一因を作った灰谷さんは、私たちにも胡散臭い宣伝をした灰谷さんは、古田さんを投げ飛ばして怪我をさせた灰谷さんは、少なからず与えられた職務には忠実であった灰谷さんは、ノルマを達成しなければならなかった灰谷さんは、契約社員かつ安月給でこき使われていた灰谷さんは、正社員を目指して必死に働いていた灰谷さんは、タバコ好きの灰谷さんは、解雇されたのだ。

 彼にはノルマが課せられていたが、それは正社員化の話ではなく、生徒を二十人集めれば助命してやると長尾グループから言われていたのかもしれない。私たちの嘘に激憤したのも、これが原因だろう。私たちは、彼にありもしない光明を見せてしまったのだ。

 クビを切られるまえ、彼は必死に命乞いをしたのだろう、その光景が容易に目に浮かぶ。

 大学を中退し、正社員の経歴もなく、一家離散状態で頼る当てもなく、そして証拠隠滅のためにお払い箱になった彼は、これからどのように生きていくのだろうか? 

 男の行方を私は知らない。

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