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ヒロインのライバルは戦乙女ヴァルキリー!

家族団欒の朝食が過ぎて、今日も今日とてノア様から始まる美少年のために学園に行く。


自分の席に着くなり、ガタンと乱暴に音を立てて前の席に誰かが座る。


「あれ? おはよう、ジャンヌ」


「おはよう、シャル。ところで貴女、あのよく分からない女に目を付けられたそうじゃない」


前に座った人物は、ジャンヌ・ディ・ゴドウィン。私の幼い頃からの友人で、この国の宗教集団、不可欠な黙示録(インテグラルアポカリプス)の聖女様だ。漫画では天真爛漫なヒロインとツンデレ系恋のライバルとして活躍していた。


漫画のシャルロッテとは顔見知り程度の関係だったらしいけれど、私とジャンヌは二年程前からよく会うようになって、今ではもう親密度はマックスだ。


そんな彼女の窓越しに注がれる光で輝く金の髪はいつも通りに美しく、しかしいつもであれば宝石のような煌めく緑の瞳は、今は見開いて聖女らしからぬ怒りを露わにしている。


彼女はCクラスだから昼休みや放課後をよく共に過ごすのだけれど、珍しく朝から私を訪ねてきた。話す内容から、理由は明らかだけれど。


「よく分からない女って……あ、メアリーさん? 」


「そうよ! その女! あり得ないわ。よくもまあ不愉快な噂を流してくれたものよ」


「まあ、うん。そうだよね」


溢れる感情のままに怒るジャンヌ。


「ちょっと、あんな噂流されてるのに何でそんなに冷静なの!? 」


「ううん。今、調査中なの」


「なんの調査よ! そもそも、貴女の職業ならもっと暴れても不思議じゃないはずでしょう! 」


それを止めに来たはずなのに、何故こんな……。と彼女はボソボソと呟いている。


何というか、きっと私もあの漫画のこと、ヒロイン転生疑惑がなければジャンヌの様に、いやそれ以上に怒っただろう。


自分の事ではないのに、こんなにも私の事で怒ってくれる友人がいて何とありがたいことか。


「ありがとう、ジャンヌ。怒ってくれて」


「……何のことでしょう! シャルの為になど、私は何も! 」


心にじんわりと染み込む温かさを感じる。ツンデレ系ヒロインの座はジャンヌのもの……。


「何この入りにくい空気……」


ノア様が降臨なされた。


「おはようございますノア様! 」


「おはよう、ノア」


「おはよう」


眠たげに舞い降りた天使は私たちに挨拶をなされた。今日も学園に来てよかった!


「ちょっと、貴方が来たからシャルがまたバーサーカーモードになったじゃない。帰って」


「被害はさしてないからいいでしょ。まだ平和だし」


輝いている……。

私の天使に、今日は私の聖女まで揃ったなんてハッピーなセットだ!


「そんな問題ではないわ。私とシャルの会話が成り立たなくなるのよ」


神様、今日もありがとうございます……。


「何だこの空間。入りにくいんだが……」


「うわ、何か来た」


「ナイスです魔王」


天使が逃げた……! 神はこの地を見放した。




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