【Ⅱ・もう一度】
初めてあの男と唇を重ねてから
どれだけの時が経つのだろうか
ふと 思ってみたが
ばかばかしくなって あたしは 思考を止めた
あの男は あたしに何を思い
あんなことを言ったのだろうか、、、
強がりで 強情なあたしを
言葉巧みに操って見せた
なんて奴だ、と思ったが
それを考え出したのついさっきの事、
今思い返し、腹を立てても
後の祭りである、、、
「でも、、、」
言いかけて呑みこんだ言葉は
あたしの本心、
認めたくない
しかし
認めざるおえない
何なのだろう
この感情は、、、
もう一度だけ あの唇に触れたいと、
なぜか今宵は涙があふれてくる
もう自分のところに来るのかさえ分からぬ男を想い
見世の片隅で
頬をしめらせた、、、
ばかばかしいにも程があるではないか
あたしは
この遊郭の遊女、
あんな男ごときで泣くなんて
おかしいではないか
かすれた笑い声が出てくる
あの男は他の男とは違った、
あの夜は 何もなかった
ただ唇を重ねただけ
あたしが跨り接吻をした
あたしが挑発したつもりが
挑発に乗ってしまっていた、、、
あんな何気ないことなど
普段やっているではないか、
でもこの気持ちは
溢れるばかりで、、、
今宵も あたしは
他の男に名を呼ばれ
「愛している」と
嘘の言の葉を発する、
あの男に言えたら、なんて
もう一度
逢えたなら、、、
今度は
貴方から、
あたしは
袖を濡らし
他の男に愛を紡ぎ
あなたを待っている、
もう一度、
もう一度
あの接吻が忘れられないの、、、、
恋の条件など
それだけで十分
逢いたくても逢えないの、
それが寂しくて己の唇に手を添えて
思い返してみるの、
お願い、もう一度、、、と
【Ⅱ・もう一度 END】
お久しぶりです、
遊女のお話という設定にしてしまいましたw
遊郭では愛情など御法度、、、
その中で 一度だけ唇を合わせただけなのに
ひかれてしまったという苦悩、
他の男性との接待中にも頭に浮かぶヒト、
きっと辛いものだろうと思い
描かせていただきました
少し柔らかい表現で
伝わっていたら幸いです、
少しのお付き合い
よろしくお願いいたします、




