月が綺麗な夜でした
あー、再びよづはです。
先の作品も私がいましたが同じように存在します。
というか今回私の視点で詩です。
病んでるというのか、死にたがっているというのか。
携帯の方はかなり読みにくいというか不親切です。
良ければどうぞ。
光に反射して鋭く光るその刃をのど元に当てて、
小さく横に引いたなら。
みんなに、さよならしよう。
痛みもいとわない。恋しいとも思うから
恐怖を抱いても、それすらも愛してしまいそうだとおもうから。
星空輝く闇の中、まるで酒に酔ったように
右へ、左へ、くるくるくる。
回り続けても何もないのに、満足いかずに回り続けて
誰も居ないのをいい事に月の光楡らされた黒い道の上に寝転んだ。
昼間の名残の、太陽の温度が背中から伝わって
どんな布団よりも暖かくて心地よいと思ったのが憎らしくて、
下唇をかんで、目の前に持ってきた自分の腕をかんだ。
歪な歯形がコンプレックス。舌先でゆっくりとたどって、その歪さを感じて、
全身を力尽きたように地面にゆだねた。
どれだけたっても何もないし、何か求めるわけでもない。
常識が脳裏を過ぎて、起き上がって家に帰った。
家の中の蛍光灯が苛ついて、割らないうちに電気を消した。
窓から差し込むつきの光が綺麗だったから、その窓を開けてのぞいてみた。
すだれが邪魔で仕方なかったから、糸が切れて葦が折れて千切れるのを気にせずに美しく連なるそれを跡形もなく壊した。
何も知らなかったけど、満月が見えて手を伸ばしても届かないのは知っていた。
それなら飛んでいったら行けるのかと、
窓枠に足をかけて身を乗り出した。下から吹き上がる風が、その下には硬い地面があることを思い出させた。
如何でも良かった。
でも、それならと、戻ろうと足を動かせば、
それは踏み外して下に落ちた。
背中と腰に強烈な痛みと、鈍いぼこんという音が聞こえた。
真下に車があった。ワゴン車だった。
へこんではいるけど、体は無傷だった。
どうしてなんて、きく気もないけれど、何故だろうとは思った。
家にあった白鞘は硬く鞘に納まっていたけれど、
ゆっくり引き出せば。手入れのされた刃が見える。
光に反射して鋭く光るその刃をのど元に当てて、
小さく横に引いたなら。
みんなに、さよならしよう。
さよならはない。
何故かとめられた。大きな腕と背中は、知っているけど如何でも良い。
如何でも良くないと、強く握られて白鞘は落ちた。
誰がなんてきくきもないけど、どうしてとは思っていいかな。
どう、すれば、いいの、で、しょうか、
小さく紡げば、ちいさくちいさくささやかれた
つよいつよいちからでだきしめるのに
そのこえはちいさくて、きこえにくかった
でも、しって、る、
わかって、る、から、
ちいさくやぶれたひふからまっかっか。
もう、どうでもいいや。
かな、った、か、ら、
月の綺麗な夜でした。
※補足
最後に登場した方は誰でしょう?
はい、冗談です。
この企画のメインにあたるかたです。
少しまともっぽく登場していますが、いろいろな元凶はこの人という裏設定あり。
白鞘の刀も真下に止まっていたワゴン車もすべてがこの人が用意した。
まあ、何があったかはご想像にお任せします。