【第14話】戦じゃ!戦じゃあああああ!!
有給を取って地球に行っていた神様だったが、今は自分の宮殿に戻っている。神様は腕を組みながら椅子に座り、自分の腕を指でトントンしている。
そこへ天使がタブレットのような物を持って部屋にやってきた。
「では、こちらにサインをお願いします」
「うむ」そういって神様は右手の人差し指をタブレットの上で横にスッと動かした。「じゃあ、もう戻っていいね?」そう言って神様は立ち上がろうとした。
「ちょっと待って下さい」天使は立とうとした神様の前に腕を出し、行く手を阻んだ。
「何?」神様は嫌な顔をした。
「作戦を」
「作戦?いらないって。ロマンスごときに」
「しかし、前の戦争で余裕をこいていたからアフロの呪いをかけられたんですよ?」
「お前・・嫌な記憶を・・・」
「またそうならない為にも」
「嫌じゃ!」神様は立ち上がって少し天使と距離をとった。「ワシは茜ちゃんの所に戻りたいんじゃ!早く行かないと1日が終わってしまう!」
「なぜ、そんなにあの地球人にこだわるんですか」天使は神様の背中を見ながら言った。
「お前はあの子を見ても何も思わなかったのか?」背を向けながら神様は聞いた。
「え、まぁ可愛いとは思いますけど」
「他は?」神様は振り返った。
「いや、特には無いですかね」
「似てただろ。ワシの嫁のデーアに」
「女神さまに・・・そうですか?」
「似てるよ!目も鼻も口も、顔立ち全部が!」神様は興奮しながら言う。
「いやー、私はもう女神様のお顔をあまり覚えていないのかもしれません。あなたに愛想を尽かし逃げられてから何億年と経つわけですから」
天使がそう言うと、神様は何も言わずにトボトボと歩き神様の椅子にゆっくりと座った。
「そんなに落ち込まないで下さいよ。戦争前なんですから」
「お前の言葉が落ち込ませたんだろう」神様はぶすっとしながら言った。
「すみません。しかし、作戦は指示して頂かないと」
「もういい。お前に任せるから。サインはしたし、形式的な指示は出しておくから」
「いいのですか?」天使の目が少し輝いた。
「うむ。お前は性格は悪いが優秀じゃ。信頼しておる。この度のロマンスとの戦争に関しては全てを任せる」
「かしこまりました」天使はひざまずいて神様に頭を下げた。
「では、今日はもう戻らんからな!頼んだぞ!」
「はい!」天使は良い返事をすると、立ち上がりクルッと振り返って扉に向かった。「っしゃー!!戦じゃ!戦じゃあああああ!!」
雄叫びを上げながら天使は扉を出て消えていった。
「こわ。あいつの戦争好きな性格こわ。良かった味方で」
天使を見送り、神様は椅子から立ち上がると宮殿を出て地球に飛んだ。
今回も読んで頂きありがとうございました!




