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第十六話 スタート前の攻防!
一月二日 箱根駅伝、往路。
スタート前。
「よう!去年の約束どおり
大手町で再会だな。
調子はいいのかよ?」
ワセガクの速水が
ウォーミングアップの
ジョグを繰り返す蒼太に
声をかけた。
「ああ。誰にもに
負ける気せえへんで!。」
ハチマキを締めながら速水に応える。
そして、その目は
ギラギラと輝きを放っていた。
「去年は、
対等な条件じゃなかったな。
だが、今日は、
お互いにベストコンディション、
同じ場所、同じスタート、
空は快晴で風もなし、
絶好の勝負日和だ。
できれば、お前とは一騎打ちで
勝負してーな。」
そう言って速水は去っていった。
第十六話 スタート前の攻防!
多くの大学は、
「早稲田学院大学の
速水瞬は一区に配置されない。」
という嘘の情報を信じ、
スピードよりも安定感のある選手を
一区に配置していた。
しかし、ライバル校の区間エントリーを
確認したワセガクは、
直前まで補欠登録をしていた
エースの速水瞬を当日変更で、
一区にエントリーしたのであった。
これにより、出場校のほとんどは、
速水に対抗できるランナーを
一区に配置することができず、
スタート前から、ワセガクの独走を
許さざるを得ない状況に陥った。
ただ一校、
最初からスタートダッシュで
逃げ切る作戦をとることにした
城西拓翼大学を除いては…。




