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第十五話 この手があった!

「監督!

俺を箱根駅伝の一区で使ってください!」


蒼太は、櫛部川に直談判をした!


「あのなー、蒼太…」


(そもそも、お前に区間配置を

決める権限はないだろ…)

と、言おうとした時、


櫛部川は

(この手があった!)

と閃いた。


「いや、詳しい話を聞こうか。」


監督室で急遽、

櫛部川との話し合いが決定した。



第十五話 この手があった!



蒼太は、携帯の録画メッセージを

櫛部川に聞かせた。


「なるほどな…。

それで、ワセガクの速水と勝負がしたい

というわけだな。


だが、蒼太。駅伝はチーム戦だ。

個人の感情で区間配置を決めるわけには

いかないってことは分かるよな?」


「はい…。」(やっぱり、無理か…。)


蒼太は諦めたくはなかったが、

「チーム」という言葉の重みが

心に強くのしかかっているのを感じていた。


続けて櫛部川は

下を向いている蒼太に

諭すように語りかける。


「そもそも、蒼太。

お前の取り柄は、

ガッツが溢れでるぐらい

ガムシャラで負けずギライな

性格だろう?


しかしだな、お前みたいな奴は、

すぐにノセられるから、

集団での巧みな駆け引きが

必要な一区には向いていないんだ。



だから、蒼太…



箱根駅伝往路の当日は、

一区で必ずスタートダッシュを

決めてこい!!」



(え!?)蒼太が顔を上げる。



「蒼太、よく考えてみろよ。

先にスタートダッシュで

逃げ切ってしまえば、集団での

駆け引きなんて必要ないだろう?


前回の八区で

スタートから飛ばしても

最後の遊行寺の坂を

攻略できたんだから、


一区終盤の六郷橋の坂にも

対応できるんじゃないか?


つまり、今のチームでお前が一番、

一区の適正ありだってことだ。」


蒼太の表情は一気に明るくなった。


「はい!頑張ります!!

監督、ありがとうございます。」



櫛部川は喜ぶ蒼太を見て、

少し微笑ましく思えたが、


そこは監督として、

蒼太にしっかり釘を刺す。


「いい返事だ!


だが、お前のわがままを

聞いてやったんじゃなくて、


『チーム』にとって

ベストの戦略をとった結果、

こうなったんだからな。


駅伝がチーム戦だってことを

忘れんなよ!」



しかし、櫛部川は心の片隅で


(これで蒼太のリベンジマッチが

実現したな。)


とワクワクせずにはいられなかった。

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