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マキナロク~ 自由気ままに異世界を振り回す~   作者: macao
ブリューレイク王国
17/23

マキナの歌


湯浴みをしてさっぱりしてから

夕食に呼ばれボルドス家の皆と共に食事をする


「お母さま!今日ね!私ね!マキナおねえさまとね!」

「お父様!僕、今日初めて見る魔法を見ました!」


本来、貴族の食事は静かに食べ、食べ終えたら隣のサロンに行きお喋りを楽しむのだが今日は賑やかだ。

ジオール君とメイリーンちゃんが今日あった事を興奮しながら両親に話す。両親やベイリーンさんも苦笑いしているが

子供達の無邪気な姿を見て話を聞いてあげている


「マキナ、今日街で何したの?」

夕食前に帰宅したマリーは疲れた顔で私に聞く

「普通に買い物しただけよ?」

「…マキナは一人にしちゃダメな気がする」


マリーの母親のベイリーンさんが微笑みながら

「マキナ様、孫達と遊んで頂きありがとうございます」

「いえ、私も楽しかったですよ」

「それに手土産もです」

街を散策している時、美味しそうな匂いに釣られたシルフィーと一緒に寄ったお店は素朴なんだけど温かみのあるお菓子屋さんだった。そこでアップルパイとレモンタルトをお土産に買ったの

「下町のお菓子屋さんですが、とてもいい雰囲気のお店でしたよ」

(わたくし)、下町のお菓子は好きですわ。たまにマイヤーに買ってきてもらうのよ?」

ベイリーンさんはふふっと笑って

貴族だけど貴族のコテコテした砂糖菓子は苦手なのと話してくれる。

夕食も終わり隣のサロンに移動して私のお土産と紅茶を皆で楽しむ


「マキナおねえさまありがとう!とっても美味しい!」

メイリーンちゃんがニパっと笑い

「僕はこのアップルパイが好きです!」

アップルパイはジオール君とメイリーンちゃんの好みにあったようだ。

レモンタルトは大人の味だったかな?



子供達に眠る時間だとボルドス家の大人達は昨日の様に

頬にキスをして送り出す

私も「また明日ね」と言って頭を撫でる


子供達と入れ替えにケレス達がサロンに訪れ私の側で横になる

精霊達も相変わらずわらわら寄ってくる


「そうそう、ディナンさん達ってお酒嗜まれるかしら?」

大人組にもお酒を数本購入したの

「えぇ飲みますよ」


私はメドラドの街で買ったこっちの地方では珍しいらしい

琥珀色のお酒と私の部屋(亜空間)からとっておきの赤ワインを出す

「よかったら今からいかが?」

「マキナってお酒飲むのね?」

マリーだけじゃなく皆びっくりしてるけど何で?

「この前リーヴ君と飲んでたでしょ?」

リーヴ君をまたたび酒で酔わせてにゃんにゃんした件。

「…あぁ~あったね~あの時色んな事ありすぎて忘れてたや」

レンがリーヴ君を連れ去ったの忘れないわよ

「マキナ様は飲まれない印象でしたわ…」

むしろ、おっとりなリリアさんの方が飲まない印象よ?

「そうだね、なら遠慮せずに夕食で出せばよかったかな?」

ディナンさんはいそいそと執事のセバスとお酒の準備をし始める


「ボルドス家は皆酒豪よ…私は普通だけどね…」

呆れたように呟くマリーの視線の先には

「マキナ様から頂いたこの琥珀のお酒って南の国のお酒ですよね?」

「そうね、ラーマヤナ国の交易品ね?とても珍しいわ」

「あそこは山脈を越えて行かなきゃいけない場所でね、王都で物流が止まるからメドラドまで品物が来ることが滅多にないんだよ!」

「まぁ!そんなに貴重な物をありがとうございますわ」

皆さん笑顔がめっちゃ素敵ですね。酒好きが全面に溢れている


「では、マキナさんに乾杯!」

ディナンさんが乾杯して皆でお酒を飲む

セバスが乾きものやドライフルーツを用意してくれる


「美味しいですわ!」

リリアさんロックでグビッといく

「これいい値段したでしょ?わざわざありがとね?」

マリーがこそっと言うけど金貨二十枚くらいだ

珍しい交易品で私の眼でもいいお酒だと分かったので高いとは思わなかった

この条件でメドラドまで仕入れした商人はやり手だと思う

「お世話になってるからね」

結局、王都に行くまでの間お世話になることになったのでちょうど手土産を渡せてよかった


「あら?このワイン…」

「この赤ワインとても美味しいわ!」

「本当だ…何だか身体の疲れが取れたような?」

「うわ!本当だ」


ん?なんだって?

シルフィーがくんくんワインの匂いを嗅ぐ

「マキナ様!これマキナ様の魔力入ってる!」

「え?私の?それ飲んで大丈夫なの?」

シルフィーの言葉に横になっていたケレスが起きて

「マキナ殿我にも」「シルフィーも!」

え?君たち飲んでいいの?あ、いいんだ。

「ふむ、マキナ殿の魔力だな。これはいい!」

「あはは~美味し~楽し~」

シルフィーもう酔っぱらいか?

精霊ってそもそも酔うの?


『至高のワイン:異世界の高級ワインが次元を越え

       マキナの魔力空間に置かれた事で

       飲んだ者を癒すワインに変質した

       長期間置くことによって更に変質する』


これ大丈夫?まぁ美味しいからいっか!

しばらく楽しく飲んでからボルドス家の大人に付き合って深酒になる前に部屋に向かう。私の身体は全耐性のおかげで酔わないけどね。意識するとほろ酔いまではいけると思う


ポメラニアンなローを抱っこしてベットに横になる

レムとラムはケレスにくっついて寝るようだ

シルフィーはケラケラ笑いながら、まだディナンさん達と飲んでる


⦅ねぇマキナ、昨日の歌をうたって!⦆

「昨日の?ロー達は寝てたでしょ?」

⦅うん、寝てたけどポカポカして気持ちよかったんだ⦆

ローの言葉にレムとラムも聞きたいと反応する

私も昨日何が起きてたのか意識していなかったので今回は何が起こってるか様子を見ながら歌ってみた


「mornie¨~♪~~~♪may~♪」


ローのふわふわなお腹を撫でながら子守唄の様にゆっくり歌うと魔力が宿っている事に気づく。

ローとレム、ラムだけではなくケレスまでも眠りにつく

あれ?

ケレスとシルフィーは昨日は歌聞いても起きてたよね?

歌い終わり、まさかと思いまだ飲んでるはずのシルフィー達の元へ行く。

「寝てるねぇ」

皆寝てた…そう、皆だ。屋敷の全員が寝てるのだ

外や廊下で寝ている人はいないので安心する


子守唄の様に歌ったから?言霊ってやつ?

意識したら会話でも出来る?

さて、この状態で放置は出来ないのでサロンの部屋にいるマリーとセバスを意識して起こしてみる


『マリー、セバス起きて』


するとフッと目を開け起きたマリーが周りを見てビックリする

「マキナ何やったの?!」

セバスも動揺したのか驚いた表情だ

「ちょっと試しいことあったからしたのよ」

「そしたら結果がこれって訳?」

軽く事情を説明してごめんねと謝る

「まぁただ寝てるだけなら問題ないけど」

「えぇ後はお任せください」

「詳しい事情は明日聞くからね!」

その場を二人に任せて私は寝たままのシルフを抱っこして部屋に行く


皆を起こさないようにベットに入る

ん~言霊か…結構危険だねこれ。しかも身体が少しダルい?

この身体疲れないはずなのに…歌ってた時は疲れてなかったよね

言葉にすると疲れるのかな?

今度いろんな歌を歌って試してみようか。

それに言霊もどこまで出来るのかレンかアーキスで試そう


今後は千里眼、神力と新しく発見した言霊の使い方を試していこう





――――――――――――――――――――――――――――


メドラドの街には西と東に宿屋と飲食店があるが

西が少し高く商売者や旅行者が。東は冒険者がよく使う

さらに北の住宅街寄りに隠れ家風レストランがあり

そのレストランの個室に四人の男が集まっていた


「どうする?」

「どうしようなぁ?」

「どうしましょうねぇ?」

「どうしようたってなぁ…」


男達は顔を合わせて唸る


「リーヴはマキナの歯止め役だよな!」

「なんでだよ!?」

「そうですね、リーヴ殿はマキナ様に意見できますもんね」

「リーヴお前よくあの嬢ちゃんに意見言えたなぁ?」


食事をしているのはケット・シーのリーヴ

Aランク冒険者のレンとギルドマスターのアーキス

そして王都から派遣された聖騎士ガラハット


「しっかしあの嬢ちゃん只者(ただもん)じゃねぇ気配だと思ったら神族とはなぁ…」

「だから昨日会えば分かるって言っただろ?」

アーキスとレンはエールを飲みながら食事をつまむ

「あぁ?あれはお前の説明が下手なせいだろ?」

「じゃあマキナのこと何て説明すりゃいいんだよ!」

「そうですよね…私も国王陛下やランスロット騎士隊長達に何て説明すればいいのか…」

ガラハットは赤ワインを飲んでこめかみを押さえる

「俺も少ししか一緒に居ないけどマキナを縛り付けるような真似はしちゃいけないと思う。マキナの側は清浄で心地いいんだ、性格はちょっとあれだけど… マキナがユミール中を旅することに意味があるんじゃないか?」

リーヴがちびちびとエールを飲みながら考える


「心地いいと言えば昨日のマキナ様の歌は素晴らしかった」

ガラハットは昨日の歌を思い出して目を瞑る

「それって精霊達が集まったって歌?」

「えぇ、聞いた事のない言葉でしたがとても心地のいい旋律でした。私の精霊もマキナ様の側を離れません」

苦笑しながらもガラハットは嬉しそうだ

「シルフ様がマキナの魔力が歌と反応してたって言ってた…神族の力か?」

「ギルドでもすごかったよなぁ?俺あんな殺気初めてだったぞ」

「元Sランクのアーキスのおっさんが初めてなら皆経験したことないだろ」

「あれはびっくりしましたね…怒りが少し漏れた感じでしたね」

「マキナは何に対して怒ったんだろう?」

「さぁ?神族の前に、そもそもマキナの事がよく分かんねぇからなぁー」

「リーヴ殿はこれからマキナ様に同行するんでしたね?」

「何か勝手に決められてた…」

「ちょうどいいよな!」

「レン、何が?」

「だってマキナは一人で行動させちゃダメなやつだろ?」

またしても的確な発言をするレン

「何するか分からないからこそ、リーヴが歯止め役ってことだな!頑張れよ!」

凄くいい笑顔で親指を立てリーヴ任せにしようとするレン

「まぁ常識を持ったリーヴがいるなら大丈夫だろ!」

「…レン本当にそう思ってる?」リーヴはジト目である

「まっ今日は飲もうぜ!」

問題は何も解決していないのに笑いながらお酒を飲むレンとアーキス


「リーヴ殿心中お察しします…」

「ガラハットさん…」

常識が通じるか分からないマキナと旅をする事になりそうなリーヴと

騎士としてマキナの事を国王陛下にどうやって報告するか悩むガラハット




四人の男達の夜は更けていく―――――




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