閑話9
ボクの妻は可愛い。
ほめ続けると、赤面して顔を隠して、もう止めてと言って恥ずかしがる。
名前を呼び捨てにしてほしいと頼んだら、頑張って呼び捨てで呼んでくれるようになった。
呼び捨てで呼ぶ事に、慣れるまでの様子も、とても可愛かった。
頬や額にキスしただけで、すぐに赤くなるし…。
後、唇へのキスやキス以上の事は、まだしないと伝えたら、ホッとしていた。
その変わり、毎日頬か額にキスするようになった。
その内、慣れてくるだろうけど、その前には唇へのキスに変える。
頬や額へのキスは、本番までの練習のようなものだ。
そのキスだけでも、ボクの事を本格的に、意識してくれるようになった。
そろそろ、唇へキスしてもいい頃合いだから、本番がとても楽しみだ。
ボクは、雪が好きだと最近自覚した。
どうやら、好きになったきっかけは、初めて会ったあの時、雪がボクにしてくれた事が始まりだったようだ。
すごく落ち込んでいる時に、独りだったボクを見付けてくれて、優しくされたら、好きになっても仕方ないよね。
だから、再会した時に雪にプロポーズしたのかも知れない。
冗談半分だったけど、雪に断られて気が変わって、雪がほしくなって本当に結婚してしまった事も、好きになってたからそうなったのかもね。
気付いてなかっただけで、もしかしたら初めから結婚する気だったのかも知れないし…。
まぁ、どっちにしろ雪が次の恋を見付ける前に、捕まえる事が出来て良かった。
雪が、次に好きになる相手はボクだ。
そうなるように、色々頑張っている。
すでに、婦婦だから焦らずゆっくり攻略するつもりだ。
(帰ったら、本番のキスをしてみようかな…。)そんな事を考えながら、雪の手作り弁当を食べていた。
今日も美味しいなと思いながら、ちゃんと味わって食べている。
きっと、この愛妻弁当には愛情が入っているはずだからね。
ボクの事を考えて、作ってくれているのだから間違いないだろう。
「朝倉先生、結婚してから明るくなったわね。それまでは、ちょっと暗かったから皆心配してたのよ?でも、もう大丈夫そうで良かったわ。奥さんのおかげかしら?」
隣の席の社会を教えている先生が、そう言って微笑ましげにボクを見ていた。
近くの席の先生方も、「愛妻弁当美味しそう。」「羨ましい。」「詳しく教えてくれないのも、独占欲というやつですかね…。」という感じで色々言っていた。
「はい。妻と結婚してから、毎日楽しいですからね。」
今更、雪が居ない生活なんて考えられないよ。




