第8話
真剣な目で、告白してきた美紀さんは、プロポーズの時みたいな勢いとかはなかった。
(でも、頷いちゃった…。)私は、そう思い内心ため息をつく。
少しは、落ち着いたので美紀さんと目を合わせた。
しばらく見つめ合った後、ギュッと抱きしめられた。
もしかしたら、このままキスされるのかもと思って、またドキドキし始めた。
「雪、今日から同じ部屋で生活しようか。」
「え…?」
「婦婦なら、同じ部屋で寝ないとね。」
美紀さんは、私が何か言う前にメイドを呼び、今日から部屋を同じにするように指示を出した。
その後、少しして私は我に返った。
いきなり、今日から同じ部屋になって、一緒のベッドで寝るなんて、ハードル高くない?
でも、本来なら同じ部屋だし、本来の形に戻すだけという事だろう。
まず、そこから始めるという事かな…?
(あれだよね…婦婦だし、キス以上の事をするんだよね。まだ、両思いじゃないけど、美紀さん的にはする気なのかな?)私は、そんな事を考えてしまって、さらにドキドキしてしまう。
「そうそう、今後ボクはキスとかしたいと思ったら、遠慮なくするからね。大丈夫…そうしている内に、両思いになれるよ。それに、婦婦だから問題ないよね?」
美紀さんは、ニコニコしながらそう言った。
私は、さらに赤くなってやはり、そういう事をするのかと思った。
「…その…まだ、そういう事は早いというか…。」
せめて、キス以上の事は両思いになってからにしてほしいと、頼もうとしたが…。
「フフ♪雪、可愛いよ。」
美紀さんは、話しを遮るようにそう言って、私の頬にキスをした。
私は、真っ赤になって固まってしまった。
さっきから、ドキドキさせられ続けている。
完全に、美紀さんに主導権を握られてしまっている。
ふと、初めて会ったあの時の事を思い出した。
あの時の美紀さんは、迷子の子犬のようで、放っておけなかった。
しかし、今は迷子じゃなくなって、すっかり私になついている子犬のようだ。
あの時、優しくしたからなついたのかな?
どっちにしろ、放っておけずに結局、最後まで面倒をみる事になった訳だ。
なつかれたのが、そうなった主な原因だ。
そう考えた後、何だか美紀さんが子犬のように思えて、思わず笑ってしまったのであった。




