デッドノート リスタート 1
こんなに楽しいのは久しぶりだった。
まるで、始めて全身に血が通い、巡ったような、そんな心が滾るような熱さ。
感じていた空虚感が拭い去られるのがわかる。
パズルの最後のピースが埋まったような、渇望していたものが手に入ったような。
以前、心中に抱いていた二つの不安の正体がようやく暴けた。
一つは、山積み死体の謎。
そしてもう一つは、自分が戦う理由。
答えをようやく見つけた。
ずっと、ずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっと、ずっと探していた、何故戦うのか、これから何をすればいいのかという目的。
半年前の自分は、戦いを完遂してその先の目的を失った。
最初に戦いを始めた理由?
そんなものはもうどうだっていい。路傍の石よりも価値のないものだ。
あれから自分は戦いを失い、半年間を死んだように生きてきた。
だが、今自分の目の前には、戦いがある。
戦うための理由。
今ならばリィンからの、なんのために戦うのかという理由を答える事が出来る。
「俺が戦う理由は、戦いこそが生き甲斐だからだ」
誰に聞かせるでもなく、言いつつ悠は狂気に満ちた笑顔で魔物の大軍へとゆっくりと歩いて向かって行った。
リィンの言葉や、その他の言葉全てがどうでもよくなるような、しかしそれでいて清々しい気分。
「まぁ、見てろって」
プレゼントの中身を見るような高揚感、その包装を破るようなどす黒い嗜虐心を胸に抱いて、インパクションのスライドを引いた。
やがて、魔物達の姿が視認できる頃トリガーを引き、インパクションから簡易ガレージを形成した。
これは沈希の研究室にあるガレージをシャープレイによって擬似的に作り出したものである。
仄かに輝く青いシャープレイで出来た簡易型カタパルトハンガーの中を前進し、続々と顔を出すアームによってデッドノートの残りの装甲を装着していく。
脚部装甲、胸部装甲、と一つずつ装甲をつけていくたびに血が湧き、肉が踊る。
楽しい、楽しい、楽しい。
少しずつ感覚が蘇っていく。あの頃の、戦っていた頃の。
生き甲斐を見つけた。戦う理由を見つけた。
ならば、次は勝つのみ。
悠はやがて、デッドノートの装着を完了した。
『デッドノートシステム、アクティブ』
電子音声が聞こえると同時に、カタパルトハンガーの扉が左右に、勢いよく開いた。
夥しい量の煙とともに、デッドノートが煙を裂いてその地に降り立つ。
やがてガレージは形象崩壊し、元のシャープレイに戻ってデッドノートの中へと吸収された。




