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展望台の視線  作者: 星狼


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3/3

二人だけの石畳

 翌日は個人行動の日だった。


 彩花と遥の二人は朝食後、宿の近くの古い町並みを訪れることにした。他のメンバーはそれぞれ好きに行動すると言っていた。


 石畳の道が続く細い通りを、二人はゆっくりと歩いた。古い蔵が並び、ところどころに小さな喫茶店や工房の看板が見える。彩花が地図を広げては、遥と確認し合う。


「こっちで合ってるよね?」


「うん、この路地を入ったところだと思う。」


 彩花はそう言いながら遥の目を見て笑った。遥も自然に視線を合わせて頷き返す。二人の視線は、地図と相手の顔を穏やかに行き来していた。


 古い寺の境内で休んだとき、彩花が静かに言った。


「昨日、あの景色……本当に良かったね。」


 遥は彩花の目を見て、小さく答えた。


「うん。彩花ちゃんが連れて行ってくれてよかった。」


 二人はしばらく木漏れ日を眺めていた。風が軽く吹き、遠くで鳥の声がする。


 遥はふと、昨日の展望台のことを思い浮かべた。でも何も言葉にはしなかった。ただ、彩花の横顔をもう一度見て、小さく微笑んだ。

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