第四章 成長 第六話 百鬼夜行
第四章 成長 第六話 百鬼夜行
レイカ!お酒足りないから、コンビニに行ってくる!」蒼真は言う。
「お父さん、僕も行く!アイス食べたい!」蒼也は言う。
「お父さん、蒼也、今日は、百鬼夜行の日です。気を付けて下さい。」
「えっ!?百鬼夜行?今日なの?」蒼真は確認する。
「はい、今日が、妖怪大行進の日です。特に、蒼也は、霊能力が高いので、妖を引き付けします。
絶対に、妖と目を合わせないで下さい。
「... 蒼真、今日は止めようか?
「...そうだね、お父さん。何かあったら嫌だし。
「...それがいいと思います。
「出会ってしまった時は、どうすればいいの?
「カタシハヤ、エカセニクリニ、タメルサケ、テエヒ、アシエヒ、ワレシコニケリ」と唱えて下さい。
葛の葉は言う。
「どういう意味?」蒼也は尋ねる。
「自分は酒に酔った者である。酔っているので、妖怪は見えません」という意味です。
若しくは、洋服に呪文を縫い付けるという方法もあります。
今昔物語の中の一つです。
大納言左大臣の藤原常行には、夜ごと通いつめる女がいました。
その道中、常行は、火を灯しながら歩く大集団を見ました。それは異形の者たちばかりの行列でした。
常行は朱雀門の東に身をひそめましたが、鬼たちに見つかってしまいました。
ところが。目の前までせまった鬼たちは、なぜか立ち去りました。
常行の服には、「尊勝陀羅尼」(そんしょうだらに)という真言密教の呪文が、
ぬいつけられていたからです。鬼たちは、その呪文を恐れて近づけなかったです。
「なるほど...覚えなくて済むね。今度、お母さんに、縫ってもらおう。」蒼真と蒼也はと言い、布団に入って寝た。
深夜。
蒼也はふと目を覚ました。
窓の外から太鼓の音が聞こえる。
ドン……ドン……
気になってカーテンを少し開けた。
道路いっぱいに異形の者たちが歩いている。
一本目の角を持つ鬼。
首の長い女。
一つ目小僧。
狐火をまとった妖狐。
百鬼夜行だった。
蒼也は慌ててカーテンを閉めた。
第六話 了




