第四章 成長 第十話 自由研究
東京国立博物館には、童子切安綱が展示されていた。光り輝いていた。
お父さん、凄いね!本物だよ!
これが、酒呑童子を倒した剣なんだね!
蒼也は興奮しながら言った。
こちらに来てごらん。
これが三日月宗近だよ。
刃文が三日月みたいに見えるだろう?
天下五剣の中でも一番美しいといわれているんだ。
私も実物を見るのは、初めてです。
本当に美しい刀ですね。
人間に化けた葛の葉も興奮して言う。
あっ、蒼也君、お父さん。
あちらに、百鬼夜行の絵巻が展示されています。葛の葉は言う。
絵巻には鬼や天狗、狐の妖怪など、数え切れないほどの妖達が描かれていた。
あれ、百鬼夜行の先頭の妖は何て言うの?
ぬらりひょんだよ。蒼真は答える。
ぬらりひょん?
はい、「ぬらり」と人をすり抜け、「ひょん」と浮き上がるように、掴みどころがない妖怪です。だから、ぬらりひょんと呼ばれます。
妖怪たちの総大将とも呼ばれています。
葛の葉は答える。
あっ、九尾もいるよ!
ふふふ...
蒼也は、家に着くと、夏休みの自由研究として、今日の見学内容まとめた。
あれ...?おかしい...ぬらりひょんの資料だけがない。
なぜだろう...
蒼也君、どうしたの?
ぬらりひょんについて調べた資料が無いんだ。
無くしたのかな?
蒼也君、葛の葉は言う。
その妖怪だけは調べてはいけない。
調べても、記憶に残らないんだよ。
それだけは、関わってはいけない妖怪なんだよ。
第十話 了




