night
v.o.r編の始まりです。
v.o.r
それは、発展したVR技術を転用して作られた新感覚VRゲームの内の一つ。
このv.o.rの舞台で、今、熱き戦いが始まろうとしている。
トムは、一つの写真と共に「彼を探して欲しい。」と頼まれた。そして、彼を見つけ出さなければ、ここを出られないともつたえられた。
そして、今に至る。
「なんでだよ。」
トムはそう呟きながら、人の気配がしない不気味な雰囲気の街を歩いていた。
不自然に澄み切った空は生活感が無い街を、より一層不気味に感じさせた。
「彼は、現実世界で生活しているんじゃないのか?」
そんな疑問が、トムの中で浮かび上がる。
その時、トムは後ろに人の気配を感じた。
「誰か、いるのか?」
後ろに向かって、そう叫ぶも、虚しく空にこだまするだけで、返事はない。
「気のせいか」
そう思い、振り返るとそこには、一人の人が立っていた。それは間違いなく写真の彼だった。しかし、声を出す間も無く、顔面を殴られて、気絶してしまった...
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パチパチと焚火の音が聞こえて、トムは目を覚ました。トムはどこかのビルの一室にいた。自分が今までどうしていたのかを思い出そうとする。
「確か、俺は誰かに殴られて...」
それと同時にドアがガチャと音を立ててひらいた。トムは思わず身構える。
「君はこの人を探しているんだね?」
部屋に入って来た彼はそう言って、トムに近づき、トムが貰った写真を見せる。その写真の人物と目の前にいる彼は瓜二つであった。トムは写真の人物は彼だと確信したが、彼はその後にこう続けた。
「残念ながら、ここに”彼”は居ないよ。”彼”はもうここを去ったから...。諦めて、さっさとここから出て行く事をお勧めするよ。」
彼はそう言って、部屋から出て行こうとする。しかし、トムにはこの世界からの脱出がかかっている。そう簡単には引き下がれない。
「どういう意味だよ。ここにこいつが居ないなら、この世界からの脱出できない。教えてくれよ。こいつを見つけなきゃ、ここから出れないんだ。それとも他にここから出る方法があるのか?」
「”彼”はここには居ない。言葉の意味通りだよ。この世界からの脱出方法だね?簡単な事だよ。僕に着いてきて。僕が君をこの世界から解放してあげるよ。」
そういって、彼は部屋から出て行く。トムもそれに続いて、部屋を出て、彼に着いて行く。それから階段を下り、そうして着いた先はさっきの部屋と同じくらいの大きさの部屋だった。そこには棺桶ほどの大きさの机があるのみで、他には何もなかった。部屋に入ると彼は棺桶の前に立った。
「本当にここから抜け出せるのかよ。」
トムは彼に向かってそう呟いたが、彼から返事はない。しばらく棺桶の前に立っていた彼が倒れた。それは、糸人形の糸が切れた様だった。
「おい、どうしたんだよ!ここからはどうやって出るんだよ。教えろよ!」
トムは彼に向かって叫ぶが、返事はない。
「クソッ、どうなったんだよ」
その時、棺桶の蓋が開いた。




