02 一つ目の目的地
期間が開いてしまってすみません。
02 一つ目の目的地
そこから数十分ほど歩いて。
予定通り、職人さんの工房の前にたどり着いた。
草花の多く茂る、小川の辺にある建物。
小川の力を利用して、小規模ながら水車も見受けられた。
「みーくん、ここで間違いない?」
「うん、変わってないねぇ。じゃあ、入ってみようか。」
まだそこらを駆け回っていたバレッタを捕まえて、扉をノックした。
若い男の人が出てきた。好樹が聞く。
「えーと、お弟子さんでしょうか……?」
「ミント、これがみーくんを作ってくれた職人さんだよ。」
「え。それはすみませんでした。」
「いやいや、まあ、誤解されてしまっても仕方ないじゃろ。」
と、言いつつ青年はマスクをとった。そこに現れたのは初老の老人であった。
「久しぶりじゃな。今はなんていう名前かの?」
「みーくんだよ。」
「おぉ、変わっておらんのか。まぁ、せっかく二百年くらいぶりの再会じゃが、悪いが仕事があっての。取りあえずこの暗号を解いて、また明日出直してくれたらありがたいんじゃが、どうかの?」
「わかったよ。ミント、それでいい?」
「うん、そうだね。問題はどこに泊まるかだけど。」
「それなら、この道をそのまま十数分歩いたところに町がある。そこには小さいながら飯のうまい宿屋があるぞ。そこに泊まるのがよかろう。」
「わかりました。ありがとうございます。」
「ならば、また明日。」
礼を言って別れ、宿へ向かった。
宿にて。
「確かに、ご飯美味しかったね。バレッタ。」
「そうね。まぁ、部屋も一緒だし、私としては大満足よ。」
空いている部屋が二人部屋一つしかなかったのだ。仕方ない。
「じゃあ、この封筒開けてみるか。」
「たしか、宿に着いてから開けるように言われてたわね。」
「そうそう。…なになに……『44"-61,31-91-41"』だって。これなんだろう。」
「暗号に決まってるでしょ!」
今まで黙っていたみーくんが口をはさんだ。
「しかもこれ、とっても簡単な暗号だよ。今までにやったことなかったっけ。」
「ないんじゃない?多分。」
「まあいいや。これは母音と子音を数字で表している、典型的な置き換え暗号だよ。『44"』を一つとってみても、タ行・エ段・濁音という意味だと考えれば、『では、さらだ』ってなるよね。」
「『さらば』だったらわかるわ。でも、『サラダ』はちょっと違うんじゃないかしら。」
「あー、ちょっとあの人変わっていてね。あれは口癖なんだ。ほかにも、名前やサインの欄に名前だけじゃなく『~でした』と語尾に付けたりとか、まあそんなわけで訳すと『では、さらば』だね。」
「じゃあ、どうするの?」
好樹が聞く。
「さらばって別れの挨拶じゃないの?」
「まあ、それからのことは明朝工房に行ってから聞いてみよう。」
そうして三人は眠りについたのであった。




