09 やりすぎた…。
09 やりすぎた…。
爆弾が爆発してから数秒後。
煙が段々晴れてきた。
「………。」「………。」
好樹とみーくんは言葉を失った。
「いや、僕が悪かったんだ。バレッタにもっとしっかりと伝えていれば。」
「ミントよりみーくんの方が悪いや。直接バレッタに伝えていればよかったのに。」
「あの、二人とも、どうしたの?」
二人は声をそろえて言った。
「いや、なんでもない。」
扉や壁はおろか、少しは傷つくはずだった教会は全くの無傷だった。
村人狩りと思われる集団は首を傾げていた。
「この壁、さっきくぎが刺さったのにどうして新兵器の爆弾で壊れないんだ?」
「確か実験だと、この量で家一つ分くらい吹っ飛んだよな。」
「実験用に建てたものだったからよかったものの、隣家にも火がまわって大変だったくらいなのに。」
「なんか魔法でもかけられてんじゃね?」
「いや、それは無いだろう。記録にも噂にも、この村にこれほどの防御系魔法を使えるやつはいない。」
「というより、なんか寒くないか?」
「う~ん、確かに。何でだろう。」
「何か殺気を感じる…。」
「まさか、神様が怒っていらっしゃるとか!」
「はっ!よく考えたらここは教会だ!」
「げっ。目の前のことにとらわれすぎていて、見落としていた!」
「ふーっ。隊長命令!撤退だ!災いが降りかかる前に遠くへ行くぞ!」
「はいっ!」
好樹の隣では、バレッタが殺気立っていた。
「わ・た・し・が・い・る・わ・よ!」
「まあまあ。というか、起こるところそこなんだ。」
「みーくん?すこーしお願いがあるんだけど。」
「はいっ!?何なりと!」
「ちょっとあの人たちに怖い思いをさせてくれないかしら?」
「わかりました。では。」
村人狩りの面々が撤退準備を進めていると、パイプオルガンの音色が聞こえてきた。
「!?」
弾いているものはいない。そもそもオルガン自体ない。
頭上から声が響いた。
「私はここの教会を守る神だ!」
村人狩りさんたちがビクッっとする。
「私は傍観者のつもりだったがもう許せん。お前らは神聖なる教会を汚した。よって罰を与える。」
しーんとした空気の中、ただ一人好樹は笑いをこらえ、苦しみ悶えていた。




