最終話 一度でいいから周りを気にせずに大声で笑っていたい
病院から退院して、何週間も経ったけど学校にはまだ、行っていないって言うか行く気がない、母も私の身を安じてか無理には、学校に行かせようとないし、その話しさえもしないように、しているかも知れない。
私は、病院にいた時と同じようにベットで横になってずっとジッとしている。
何もない日常、あと半年ぐらいで高校受験だというのに本当にこのままで、いいのか?
別に私自身はこのままでいいと思った。
何の夢もないし、何かにうちこもうとか、頑張ろうとか思わないし。
ただ言えるのは、周りの人達とか同世代の生徒が早く将来の事を考えないとこの世の中の波に乗れなくなるよ。と言ってきて焦らせて来るんだ。
だから、その口車に乗せられて私も早く何かしないと!!何かをしないと!!いけないんだ。と
思わせてくるんだ。
それだけが頭を悩ませる素だ。
まぁいいか、今は何も考えない事だ。
病院の先生もそう言っていたし、
焦る事なんか、何もないと自分に言い聞かせた。
昨日は二週間に一度の病院だ。
診察後は母は大事な用事があると言ってここを立ち退いたので私は、一人でイスに座り会計を呼ばれるのを待っていた。5分10分と時間は、過ぎていく、待っているのが退屈だ。
すると、後ろから急に肩をポンポンと優しく叩かれた振り向くとそこには、顔の頬の骨が奥までクッキリ見えるほどに、やせ細っていて体つきがあまりにも弱々しい女の子が立っていた。
「やっぱりルナだったのね。」
その子は、診察室の前のソファーで待っていた数人の中の一番左側に座っていた子だった。でも、
声は明らかに真衣だった、でも、
姿は別人だった。
私は、疑い交じりの声で言った。
「・・・・・まい?」
「そうだよ私真衣だよ。違う人だと思ったの?そうだよね、こんな姿見たら。」
言葉が出なかったあまりにもあの真衣と違っていたので無言になった。
「全然いいのよ。気にしてないから、だからルナも気遣わないでね。」
「・・・うん。」
私は、そう、うなずくしかできなかった。帰りは同じ道だったので2人で同じバスに乗った。
「ルナ私、諦めたくないの。」
「諦めたくない?」
「そう・・諦めたくないの自分の夢を・・・」
確か真衣の夢ってCAじゃなかったっけ・・幼い頃に旅行で飛行機に乗った時にスチュワーデスさんに優しくされて、それ以来、憧れてるって言ってたっけ・・
「私、感謝してるの。あの人に・・」
「あの人・・?」
「ほら、あの男の人よ、私を屋上から引っ張り上げた。」
「・・ああ。」
私は返す言葉に戸惑った。
「もしかして、ルナあの男の人の事知ってるの?」
「えっ!?えっ!?知らないよ!!」
「ホントに?だってあの時見てたでしょう。」
「あの時!?あの時って!?」
「私たちがマクドナルドに行って、ハンバーガー食べてた時に見てたでしょう。あのヒゲのボサボサの男の人が確実にルナの所を・・・・それに助けにきてくれたし屋上で・・そんな偶然ある?」
ここまで言われちゃ隠し通すことできないしなーそれに、このまま真衣に嘘つき通しても悪いしな、
「実はね。驚かないでね。」
「うん何?」
「実はあの男・・・・・・・私の義理の兄なの。」
「え!?義理の兄!!ホントに!!」
静かなバスの中で大きな声で鳴り響いた。いい加減音量が高いよ!!
「・・うん本当。」
「そうなんだ。」
いったん落ち着くと、私はこう切り出した。
「軽蔑しない?」
「軽蔑!?なんで?」
「・・・・だってあんな男が義理の兄だなんて、ありえないじゃない。」
「別に・・って言うかうらやましよ!!」
「えっ!?何で?」
「だってルナの為でしょうあのお兄ちゃんが私を助けたのって。」
「・・ん~~そうかな?。」
「うらやましいよールナが。」
そう言うと真衣は肩をなでおろした。
バスを降りると、私たちは商店街へと向かった。歩きながら色々喋っていたら、うしろから突然こっちを呼ぶ声がしてきた。見てみると。
どこかで見た事のある顔をした女の子が小走りでやってきた。
「真衣、ルナ久しぶり!!」
その子の表情はスゴク明るかった。そして、そこらにいる誰よりも元気な声をしていた。
「あ!?静子、久しぶり。」
真衣がニッコリと笑顔で言った。
この2人っていつからこんなにも仲がいいのだろうか。
「今から2人でどこに行くの?」
「今から?今から帰りだよ。」
「そうなの、じょあ私と同じだね。」
そう言って三人で商店街の中を歩いていると明らかに見た事のある顔がいた。そして、ソイツが本屋でマンガを手に取り大きな口を開けて笑っていた。
よりによってこんな所で・・
私は、真衣にバレないようにあの本屋を自分の体で隠しながら、話に加わっていた。すると、あまりにも大きな声だったのか、真衣たちにそれが気づかれそうになった。
そして、真衣が言った。「あっ!?」指をさされた先には、あの本屋で大きな声で笑っている人の姿があった。
バレた!!
私は、急に恥ずかしくなった。
「あの男の人だ!!ルナの義理のお兄ちゃんだ!!」
真衣は声高だかに静子に説明していた。
それにしても、何がそんなにおかしいのだろう?人目も気にせずに大きな声で笑っている。
でも何故だかそれが穏やかに見えて仕方がなかった。すると、真衣が言った。
「何かいいね!!」
「何が・・?」
「だってあんなに気持ち良く笑えたら、心がすっきりするだろうな~~って思って。」
「そうかな?」
私にはただの恥ずかしさしか起きないよ。
そしたら、真衣が急に狂ったように大きな声を出して笑い始めた。それを見た静子もつられて大声で笑った。そして、何故だか知らないけど気づいてたら私も笑っていた。
死ぬほど笑った。お腹の横らへんが痛かった。
こんなに笑ったの何年ぶりだろう。
こんな気持ちになったの何年ぶりだろう。
こんな!!
こんな!!
こんな!!もう!!
「じゃあまたね。」
私達三人はそれぞれ自分の家へと向かい歩いた。
フと空を見上げた。この日は久しぶりにいい天気だった雲一つない青空がそこには広がっていた。




