11 無失点ゴールキーパー山口くん
この頃、真衣の様子がおかしい、朝あいさつをしても、極端に声が小さいし、休み時間になると、前はスグに私の所に来てお喋りをしていたのに、今は、ずっと自分の机の上で片手で頬杖をついて、「ふぅ~」とため息をもらし、じっと何かを考えてる。
真衣に「何か元気ないね。」と言うと、ひときわ明るい表情をして、「そんな事ないよ!?」とチョットいかにも作ったような顔をして言ってきた。でも、
私が離れていき遠くから見ているとまた何かを考える様に下をうつむいて、頬杖をつくのである。
一体何を悩んでいるのだろう。
・・・・あっそうだ!!
私は、みずき達の所に足を伸ばした・・・・
「あのね、みずき。」
「何?」
「チョット相談したい事があるんだけど。」
私は、みずきの耳元に口がつくほど近づけて、誰にも分からないか、くらいの小さな声で話した。
ゴニョゴニョゴニョと言葉を巧みに操るとみずきが「うん分かった。」と言い顔を大きく下げてうなづいた。
でも、少し不安そうに濁った顔をしてきたので私はすかさず「大丈夫だよ。」と念を押して言った。
・・・・「山口くん!!チョット話があるんだけどチョット良いかな?」
その山口くんと言うのは。サッカー部のゴールキーパーで、区の大会では、無失点と言うスゴイ記録を持つ選手で私達と同い年の隣の組の男子生徒の事である。
「何だよ?話って?」
「あのね。」
私は、みずきと志保3人で山口を囲みヒソヒソと誰にも知られないように話した。
すると、少し考える様にして山口は、
「・・・・・うん分かったよ。」と、うなづき自分の友達の元へと戻っていった。
「金子チョットいいか、これ。」
そう山口が言い真衣に手紙のような物を渡していた。真衣は、それを貰った途端キュンとして、体が一瞬硬直してしまった。
私たちは、階段の所で、隠れてその光景を見ていた。
真衣は山口から渡された手紙をスグに開け数秒じっと見つめていた。それを確認した私たちは、走って真衣の元へと向かった。
「真衣!?今、山口くんから何か貰ってなかった?」
「・・・・うん。」
「あ!?手紙もらってんじゃん!!何って書いてあるの!?」
「お誕生日おめでとうだって。」
「プレゼントは?」
「・・今度あげるって・・・」
実は、真衣は山口の事が好きなのだ、だからちょうど今日、真衣の誕生日だったから私たちは2年の時に真衣と山口を含めて同じクラブだったから、その仲間でこの頃、真衣が元気ないから手紙を書いて皆で渡していると言ったのだ。
無論、山口以外は、手紙を書いていない。
「良かったね~~!?真衣。」
「・・・・・・うん。」
あれ?
おかしいな、思いのほか真衣から喜びは、感じ取れなかった。
翌日から真衣は学校を休み始めた。
テスト勉強イヤだな何で人間って紙キレ一枚でその人生の価値を他人にとやかく決められなければいけないのか。だって、子供は、子供のままでいいでしょう。
大人になったら、社会の事を考えればいいのに、子供の時から何かしら勉強しろ勉強しろと頭ごなしに教育を叩き込まれて、幼い頃から人生は、すでに決まっているんだよっと大人が口を出す。だから、良い家庭に生れた子供は多くの習い事などを親が率先して、させている事が多いい。でも、それって子供がやりたくないって思ったらやらないし、例え無理にさせようとして強制的にしても子供もバカじゃないから、その習い事を流して、真面目にはやらないでしょう。そう思うと何だか、この世界の教育根本が意味のない事に思えてきた。
モンゴル帝国は、何故できたのか?・・か、
「はぁ~~。」
疲れてきた。私は少しクシャクシャになったベットのシーツの上に両手を広げて倒れ込んだ。
そして、弾力のある、力を少し加えると跡がつく物体を両手にかかえこみ顔を枕にフワッと沈み込めた。もう何も考えたくないなぁ。




