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最終回 刻々たるゼロ

 


 なんで?


 俺は違う

 

 一瞬に、居て


 それは俺じゃない


 どうして?


 俺は、お前と


 違うから


 一瞬には居られない


 じゃあ、何故


 どうして


 なら、私は


 終わり(ラグナロク)へと




「あ、サーシャ……あれ

おかしいな、あれ?お腹から……いなくなって」


<パリ、パリン>


 音を立てて、崩れゆく術式


 それは同時に、ラグナロクの完全敗北を

柳犁達の勝利を、示していた


「勝った、やったぞ!俺達の勝利だ!」


「……サーシャ」


 だが、ラグナロクから引き離されたサーシャは

鼓動は感じるものの、意識を取り戻さずにいた


「……大丈夫だ柳犁、こうなれば

後でゆっくりと、治療できる

必ずサーシャは、目を覚ます」


「でもよぉ、勝ちじゃねぇよなぁ

そこの野郎、ラグナロクは

まだ、()()()()()()()()()()()


 ラグナロクは、死なず、不死身たると

柳犁は、理解していない訳ではない

 

 殺せないのに、この柳犁は

ラグナロクを殺すと、そう宣言した


「まて柳犁!早々に引いた方がいい

足止めはできようとも、ラグナロクは……」


「知ってるさ、死なないんだろ?

だったらむしろ、そっちのほうがいい」


 サーシャを片手で抱きしめたまま、柳犁は

その刃を、ラグナロクに立てる


「テメェが、生きたいと思えなくなるまで

死にたくなるまで、その身を切り刻んでやるよ」


 そう、この柳犁の言葉には

不可能を可能にさえしてしたいそうな、()()()()()()


 殺される

ラグナロクは生まれて始めて、明確にそう思うのだった


 だが彼女にも、死ねない

それだけの理由が、ある!


「ちぃ!」


<ガオン>


 なんと、先程まで国中を覆っていた術式が

()()()()()()()()()()()()()()()()()()


「コイツぁ……」


「最後の悪あがき、だけどねぇ!

アンタだけは、柳犁!アンタだけは!

()()()()()()()()()()()()()()()


 ラグナロクに残存した、神々の力は

柳犁達を囲む、一箇所にだけ

術式を展開することを、許してくれた


 そして、たったそれだけの範囲ならば

展開からの発動も、早い!


「!?、柳犁!避けろぉ!」


「無駄よ!最早瞬間移動でも、脱せぬ」


<シュン>


 一瞬にして、柳犁とサーシャは

その場から姿を、跡形もなく消した


「な……に……」


「アヒャヒャヒャヒャヒャヒャ!!!やった、やったわ!

柳犁だけでも!最大限邪魔な、柳犁だけでも葬った!」


「まだだ!あんなんで柳犁は死なねぇ!」


「死ななくとも、少なくともぉ!

灼羅桜邏の能力は喪われる、そして

()()()()()()、回収すれば私の勝ち」


「クッ!柳犁……無事でいてくれよ!」













「いった!いった〜い!()()()()()()()()()()()()


「この刃は、貴女に痛みだけを与える

ミリエル(その子)の体に、傷を付けずにねぇ」


「アイツ、ミリエルのことを第一に考えて戦っていたのか

あれだけの奴を相手に!」


 一方、ヴァルザード達の戦いもまた

終わりを迎えようとしていた


 ミリエルの体を乗っ取った皇と

皇にのみダメージを与える、ミシェル


 この二人、相性は最悪!


「それより、上のドンパチが止んだわよ

お友達も2対1じゃあ、勝ち目なかったんじゃない?」


「ふざけんじゃないわよ、ラグナっちはねぇ

わたしが言うのもあれだけど、最強なのよ!

そう簡単にやられる奴じゃないわ!」


「あいにく、うちの魔王様も大概でねぇ

それこそ、負けようがないわよ」


「まったく、痛!ギャアアアアアアアアアア!!!

話し合う暇さえないじゃないの、ねぇ!」


「いい加減、その体から出ればぁ?

そうすりゃまだ攻撃しないって、言ったわよねぇ?」


「出る!出ますから!早くこの技、解いて!」


 まったくの嘘よ、だってその技

精神に効いてるんだもの、貴方がその体から離れようが

精神には、永久にダメージが入り続ける


「クソがぁぁぁぁぁぁ!!!!」


<フィン>


 !?、皇の真上……何かが来る!


<<<バアアアアアアアアアアアン>>>


 光の……柱!


 皇を包み込むように、光が降ってきた!


「遅ーい!てかこれ、マジでラグナっちやられたの?

撤収って……聞いてんのχ(かい)!」


 あの光、能力を無効化している!?

皇があそこに入った途端、私の能力が発動しなくなった!


「ふはははははははははは!!!聞いているさ、皇ィ!」


 そのまた上から、笑い声!


 まさか、この光を操るのは


「完っっっ敗だよ、今χ(かい)は!!!

まさかラグナロクが負けるたぁねぇ」


「おいたわしや……おいたわしや……

命はそう安く、散らすものではないのに……」


「だから、死んじゃいねぇって

()()()()んだって、アイツは

だからどーだ妖忌妃(ようきひ)、短い寿命があるもの同士

長い今夜を、二人で楽しまねぇかって」


「お断りします」


「つれねぇなぁ」


 上空に、3()()!ラグナロクの仲間か……


 いったいどこから、現れたの!?


「本気で負けたー?ラグナっち」


「ああ、一足先にお休みだぁな

んま、俺の仕立てた気分爽χホテルだ

速χ復ってとこだろぉよ」


「それより皇、なんだー?テメェだけ先に楽しんじゃって

担当終えたからってなぁ、俺達ゃずーっと待ってたんだぞ」


「悲しいことに、この世界が長引くことですから

余計な争い、災害、それだけ一世界がどうなることやら」


「知ったこっちゃないでしょ、要は済んだんだから 

()()()の世界がどーなろーとさー」



 何を話している……私を、私達を無視して


 アイツ等は、いったい


「おいテメェ!勝負はまだついてねぇぞ……

ミリエル返せゴラァ!」


 ヴァルザード、怒りの咆哮


 それも当然だ、今の皇の体はミリエルのまま

ミリエルは戻って来ていない!


「うん?皇……まーた新しい身体にしたのか

あれは親族か、怒りMAχのご様子だぞ」


「おっほ〜う、年はまだガキンチョだな

後5年10年したら、輝くだろうに勿体ねぇ

皇ちゃん、私生活とんでもねーもんなぁ」


「うるさい、今の主はこの私よ……この身体

どーこーしようと、私の勝手

だからクリスティーナ、今夜……どう?」


「お断りします」


「あらそう、子供には早いってか」



 話も聞きやしねぇ、アイツ等

ミリエルを……何処へ連れてぐ気だぁ!


「うーん、親族さんには……そうだなぁ、悪いなぁ」


「悪いったって、身体なきゃ私何もできないわよー」


「そこで提案だ、少し挽χのチャンスをやろう」


<パチン>


 そしてまた、その背後から……空間が開いたように

大量の艦隊が……なだれ込んで来る


「なに……あれ」



「戦を中途半端に終わらせるのも、礼儀に欠ける

俺達四人と、俺の艦隊

それが次の、お前らの敵だ!

さぁ、打ち勝ってみせろ……世χよ!」


 ここから更には、戦果を広げる気!?


 なん……なの、こいつ等は

この馬鹿げた戦力は!


「ひでぇな……ラグナロクにやられて、虫の息なのによぉ

この世界、取ってぐってのかい」


「元より目的の片割れ、イルティラ(虚無)が残っているだろ?

それだけでも取ってがないと、ラグナロクちゃんが

()()()()()()で終わっちゃうもんなぁ」


 コイツ等……イルティラを狙って、そうはさせない!


 

「やるか、嬢ちゃん……奴等を」


「ええ、当然」


「うちの娘に手ぇ出したこと、死んで後悔しな」


「さぁ、ド派手に……χ戦(かいせん)だぁ!!」








 世界は一つではない


 この物語も、たかが一世界の断章


 その全ては、再び


 ()()()()()()()()()








「サーシャ、お前だけは……俺が守る」



    空間操作系能力者の無双録 完

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