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異世界で恋した143ページ  作者: 西田 智哉
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プロローグ

「なんでだよ…」


彼が眠りから覚めベッドから身体を起こして一言漏れる。


「何処なんだよ。ここは!」


そう言って起き上がり足早にバルコニーに向かうとそこは、街並みも人も車も全てが変わっていた。


「えーーとっ、何でここにいるんだっけ?」




俺は東京の私立高校に通う高校三年の北野 悠。

いつも通りに学校へ行き授業を受け、帰宅途中にコンビニへ立ち寄った。

家からコンビニまでの距離は200メートルくらいで、両親が今日は仕事が夜遅くになるので夕食を買いに寄ったのだ。

近場のコンビニとなると品物の位置くらい把握できる。

なので入って出るまでに時間はかからなかった。


だが、コンビニへ立ち寄った数分が悪夢の始まりだった。


カップラーメンとお菓子を買い、コンビニから出ると雲行きがおかしい。


「予報雨だったっけ?晴れだったよな」


そう1人で呟き、平然と歩いて家へと帰る。

すると、コンビニから出て50メートルくらいのところで霧が発生したのだ。

最初は良くある薄い霧で誰もがみたことあるような感じだったのだが、次第に濃く深くなっていく。


「なんなんだよ…」


走って家と急ぐが霧が濃くて前が見えない。

終いには息苦しくもなる。


「ヤバい…死ぬ」


その場に膝をつくが必死になって立ち上がり苦しみながら歩き進める。


「あと…すこ…し」


その瞬間俺は倒れた。

意識だけが遠のいていき、自分では死んだかどうかはわからない感覚だ。



倒れて意識を失ったにもかかわらず、何故か頭は回っていた。


夢の中だろうか。

今日の出来事が頭の中によぎり、懐かしいような感じである。


楽しかったな…一緒に皆んなと卒業したかったし、大学を出ていい就職先を見つけて親孝行したかったな〜。

これじゃ納得がいかない。

もっと早く家に帰っていれば変わったのかもしれない。


「何でこうなったんだ…最悪だ」


今の気持ちを表せば簡単だ。


憎悪に満ちている。。。


自分自身を憎み、恨んでいる。

まだやりたい事もたくさん残っているし、何より両親にまだ何もしてやっていない。

今日は仕事で遅くなるということだから、最期くらいは今までの感謝の気持ちを伝え、お別れを言いってからではないと両親自身が自分を恨みかねない。

これでは親孝行ではなく親不孝をしてしまった。


自分を恨んでいると、倒れるときの記憶が頭の中によぎってきたのだ。

頭痛を伴うが必死に耐える。


そこには霧の中必死に歩く自分がいた。


「ここからだ」


そう言い、頭痛に耐えながらも自分に起こった悲劇を辿っていく。

すると、倒れた瞬間に妙なことに気づく。


霧が一瞬だけ濃くなり次第に薄くなっていくと、ある部屋にいることに気づく。


「えっ?どういうことだ?」


その部屋は豪華でバルコニーがあり、ベッドは昔の貴族が寝ていただろう見たことがないベッドでそこに俺が寝ていたのだ。

正確に言えば倒れてからその状態でベッドの上にいたのだった。


その時だった、頭に激痛が走った。


「い、痛い…今度はなんだよ…」


今まで見ていた今日の出来事が頭から離れ、だんだん夢から覚めて行く。



眼が覚めるとそこは夢の中で見たであろう、あのベッドの上で寝ていたのだった。


「夢じゃないよな?これは…あーーー眠い」


と言い、これも夢だよな。と避けようとしてまた深い眠りにつくのだが、数時間後起きると変わっていない。


どうやら、二度目の人生が始まったようです。





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