1話 新任教師
夏の日差しを浴びながら黒い長髪をなびかせてアフィリアは学院の門をくぐる。
入学して早3ヶ月、アフィリアは主席入学ということで各方面から期待や羨望の眼差しを受けていた。今もアフィリアを遠巻きにチラチラと眺める学生が存在している。また、アフィリアの瞳は蒼であることも注目を集めている理由でもあった。この世界では蒼と赫の瞳は魔力量が高く魔力コントロールも群を抜いているとされている。1年生で蒼か赫の瞳を持っている学生は2人しかいない。
そんな眼差しを受けながらもアフィリアは気にせず学院の中に入っていく。
「おはよう!アフィリア!」
アフィリアに声をかけたのは次席で合格し、入学初日に友人になったセリア・アクアイルだ。
「おはよう。セリア」
アフィリアは基本的に学生とはあまり関わらない。なぜならアフィリアにとって他の学生は自分より弱く、関わったところで自分に利益がないからだ。しかし、セリアは次席であり、彼女が扱う魔道はアフィリアにとって興味深いものであった。だからこそアフィリアはセリアと友人になった。
「ねぇねぇ!そういえば知ってる?今日、学院に新しい教師が来るらしいよ!」
「そうなの?まあ、私にいい知識を教えてくれるといいのだけど」
「あはは!まあ、アフィリアはだいたいの授業聞かなくてもわかってるもんね」
「それはあなたも同じようなものでしょう」
他愛もない話をしながら2人は教室へと向かう。
授業が始まる合図のチャイムがなり話し声がなくなる。教室の扉が開き、このクラスの担任、リチャードが入ってくる。
「みなさん、おはようございます。今日は新しい教師が来ます。魔道学について教えてくれる先生で私たちより実践を積んできた先生だから学べることを多いと思います。ぜひ、たくさん吸収してください。では、リューエ先生、入ってください」
「ご機嫌よう、学生の諸君。リューエだ。少し紹介があったけど一応補足で言うと私は帝国魔道士団第5部隊にいたものだ。まあ地位はそこまで高くは無いけど戦場での実戦はそれなりに積んだきたから色々教えられると思う。」
アフィリアはリューエを見ながら考える
(なかなかやりそう。立ち振る舞いから相当な強者だと分かる。あの人ならもしかしたら)
「リューエ先生強そうだね!色々教えてもらえるかな!?」
「そうね、期待できそう」
そんな言葉を交わしながらリューエを見ていたアフィリアだか、ふとリューエの視線がアフィリアに向く。彼の表情が少しだけ笑ったように見えた。その瞬間アフィリアの背筋に悪寒が走る。
「(!?!?)」
(なに?この感じ。まるで、狙われているかのような...)
「アフィリア?どうかしたの?」
「いや、なんでもないわ」
(悪寒が消えた?気のせいだったのかしら?)
「それでは、早速授業を始めようと思うのですがわ私は実戦主義なので最初から実践で、と言いたいところですが皆さんはまだ1年生ということなのでまずは基本的なおさらいを始めましょう。それから実践の授業に入ります」
リューエは淡々と授業を始めるが説明の仕方、実戦だとどう使えるのか、自分がどう使って戦っていたのか、詳しく教えてくれた。その説明の仕方は非常にわかりやすく、アフィリアやセリアにも勉強になることばかりだった。
「おっと、夢中で話していたら時間になってしまいましたね。まあ、実践の授業はまあ後日にしましょう。今日はここで終わりにしましょう」
そういいリューエは教室から出ていく。
「アフィリア!お昼食べに行こ!」
「ええ、そうね」
アフィリアは先程までのリューエの講義を忘れないようしっかりノートに書き込み、食堂へと向かう。
あの時の悪寒を忘れたまま....




