第八話 釣出
『闇魔法とは闇属性のオドを用いる魔法である。
闇の生成、拡散、消滅、付与を行うことができる。
尚、光属性のオドや光を浴びると消滅する。』
『第Ⅰ階梯
闇雲 周囲を闇属性の魔力で満たす。』
『聖魔法とは世界に満ちる霊力を用いる魔法である。使い手が希少な魔法の一つであり、されど神官以外に下位の[不死族]の浄化を行える重要な魔法である。高階梯の聖魔法は浄化だけにとどまらず、食物や飲料の生産、英雄の降霊が可能。』
『第Ⅰ階梯
浄化 穢れを祓う。この場合の穢れは服についた汚れや水に含まれた不純物、それから勿論[不死族]などを指す。』
第Ⅰ階梯の魔法はどちらも成功。ただし魔力の消費量が1のみになっていて何か違いがあるのだろうか?と思ったが、光球を使用した時も1に下がっていたため、進化で魔力の使い方が変わったのだろうと思った。
で、次は......
『第Ⅱ階梯
闇霧 魔法を減衰させ、消滅させる。
この魔法の使用の際、後出しではほとんど間に合わないため常時身に纏っておくと良い。
闇槍 闇のオドを固めた槍を放つ。
影化自分の存在感を一時的に薄くする。』
『第Ⅱ階梯
解毒 毒を解除する。
聖光「浄化」以上に[不死族]を浄化する光線を放つ。
治癒 傷を癒す。』
この6つだ。いくつかは試す相手がいないため保留だが、それ以外のものは試せる。
そうして、夜も近づいてきたところで私は家を出た。
§
電車に乗って少し遠出する。前回のゴミが組織だって動いていたのならば、感知機能があるはず。そう思い私は長銃の入った鞄を持って街に繰り出した。ちなみに長銃だが、解析ルーペを使った際に、
『試作機52号 52作目の作品。反動は弱いが若干ブレがある。装弾数1』
とあった。銃弾はゴミから十発拝借しておいたので残り十発になっている。
「さて......」
奴らが感知しているのは恐らく「魔力」だ。あそこにいたゴミは私の魔力を感知して調査に来た。だからここで魔力の栓を外す。
しばらくすると、周りの風景が極彩色に彩られた。ビンゴ。
私は物陰に身を隠す。前回と同じ轍は踏まない。
暫く待つと、拳銃を持った男女がやってきた。
「ねぇ......これ本当にいるの?誤作動とかじゃなくて?」
「居るに決まってるだろ?少なくとも今まで誤作動なんて起きたことはなかったんだから絶対いるよ。」
若い。恐らく年齢は14くらい。女子学生の方はふわふわとした格好で、男子学生の方は真面目そうな顔つきだ。
「ていうか、マジ最悪なんだけど。好きな漫画漁ってたら召集掛かって本当にやだ。まあ魔物殺せるからいいけど。給料うまいし。」
「まあそこは同意だね。僕たちの使命は魔物をこの世から根絶すること。そのための一歩になるんだからこれ以上に嬉しいことはない。」
「まあねぇ......今回は時間外労働だけど、換金代は別だしね。」
ただしどちらも正義感に酔っている。
恐らく彼らは私を殺すことに躊躇しないだろう。ならば私も同じだ。彼らを殺すことには躊躇しない。
息を吐く。闇魔法に魔法減衰の効果があったのだから、魔法の使用をしても効くかどうか。それならば物理で攻めたほうがいい。
銃を構える。使い方はスキルの力でわかる。3、2、1、
ダァァァァァン!
「ガフッ......!?」
男子学生の胸にヒット。女子学生のかをが驚きに満ちる。
その隙を逃さず、私は接近して女子学生の頭を銃の持ち手で殴った。
「痛っ......!?」
もう一度ぶん殴る。そのまま女子学生は気を失った。
「ふー。......」
さて、どうするか。
女子学生の方は気を失っているからこのまま生かしておけば結界が維持されるはず。男子学生は......
<[人間族]を殺害しました。経験値を取得します。>
<lvが3上昇しました。>
ダメだ。もう死んでいる。
そのまま私は男子学生の捕食を開始した。
<〔捕食 lv1〕発動中......成功。 対象のステータスの2割を還元します。>
<対象のスキルを二つ取得します......〔銃使い lv2〕〔短剣術 lv1〕を取得しました。>
<スキルの重複を確認。〔銃使い lv2〕を分解します。
スキルポイントを2獲得しました。>
スキルポイント?そのようなステータスはなかったはずだ。試しに確認してみると、汎用スキルの下に新たにスキルポイントという項目が生じていた。
それはともかくとして、女子学生の処遇だ。私は少し考える。
この女子学生を殺せば経験値が手に入る。が、経験値を手に入れるだけで果たしていいのだろうか?
もう少し......釣ってみてもいいかな。
そう決めた私は光変化で姿を変える。もしも自分の姿を見られた時、その結果美幸に害が及んだら事だ。その場合は美幸のことを狙う存在を全て殺して私も死のう。
そして女子学生を起こす。しかしいつまで経っても起きないので焦ったくなった私は治癒を唱える。
そして、女子高生は目覚めた。




