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深紅のアイリ - Scarlet Airi -  作者: 櫻庭 詩
─第4章 烈日 ─
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 第13話 堕ちる






 あごを引いて横様に打ち込んできたアイリ・ライハラの太刀筋たちすじが重く速く、ヘルカ・ホスティラは押し切られる寸秒、跳び離れその凄まじい力を逃がすために身体捻り振り回された。





 その場で二激目(やいば)交えたら確実に(ソード)を折られたか、諸刃もろはを押し切られおのれを傷つけたと女騎士は思った。



 その大きめの間合い取ったヘルカに、大魔王は長剣(ロングソード)を斜め横に振り向けゆっくりと足踏み出し詰め寄り言い放った。



「お前──俺を倒すとか好き勝手言ってたよな!」



 少女に言われヘルカは(ソード)の構えを変えながら右へと足を繰り出し思った。



 お前か──もう我の名を忘れてしまったか! そう女騎士は腹立たしくなり言い返した。



「ああ、そうだ大魔王! 貴様は人々にとって災厄以外のなにものでもない! ここで刺しつらぬいてくれる!」



 刹那せつな、二人の間を子鬼(ゴブリン)わめきながら戦斧せんぷ振り上げ駆け抜けようとしてアイリは苛つきいきなりその魔物の首を長剣(ロングソード)た。



 それを見たヘルカは一度眼を丸くし眉根しかめ少女を睨みつけ指摘した。



「貴様は仲間を簡単に殺めるのか!?」



 すると大魔王は一瞬唇を尖らせ言い捨てた。





「仲間? どうでもいい。苛つかせる奴はみな首をる!」





 その物言いにヘルカ・ホスティラは強い危機感を抱いた。



 もしもこいつをここで倒せなくば、行く先途方もないしかばねねを累々と積み上げてゆく。



 ヘルカ・ホスティラは長剣(ロングソード)のハンドルへ左手を添え強く握りしめ、構え変え大魔王となったアイリ・ライハラへ突進した。



 刹那せつな、周囲の魔物の群れ突き破り双子の妹テレーゼ・マカイが出てくると呪いの叫聲おらびごえを少女に浴びせ駆け寄った。



 その甲高い切り裂き削る音波が地面走り抜け大魔王となった少女に駆け上がって大魔王は(ソード)振り向けやいばで叫び声を弾き逸らした。



 ヘルカ・ホスティラは走りながらテレーゼに大声で警告した。



「さがれテレーゼ! られるぞ!」





 刹那せつな(ブレード)叫聲おらびごえを逸らしていたアイリ・ライハラの顔の前に真っ赤な魔法陣(マジックサークル)が次々に広がり並び、嵐の津波のような火焔の濁流がテレーゼ・マカイへと押し寄せた。







 その少女を上からノッチス・ルッチス・ベネトスが牙並ぶ大口開いてバクリと丸呑みした。







 ヘルカとテレーゼは立ち止まり呆然と見つめ巨竜が頭上げるのを見つめヘルカが(ソード)振り上げ切っ先(ポイント)で指し示し怒鳴った。



「あぁ──アイリを────食ったぁのか!?」



 頭持ち上げ太い首を蠕動ぜんどうさせ食った少女をどんどんと呑み込んでゆく青竜を見上げ双子の妹テレーゼ・マカイが大声で警告した。



「ノッチ! そんなもの喰ったら当たるぞ! 遅くない。吐き出せ!」



 見ているのは女二人だけではなかった。



 都市城壁へ押し寄せていた魔物らの濁流が一斉に止まり振り向いて大魔王を呑み込んだ巨竜をみつめていた。



「大魔王様を喰いやがった──」



 そう魔物らの言葉で次々につぶやき重なり、怒号になると一気に魔物らが巨竜に群がり始めた。その数百、幾千になる魔物らを蹴散らし踏み潰し尾で跳ね飛ばしていた青竜だったが、群がる魔物らが万に迫る怒涛どとうになるとうろこのように竜のからだにしがみついて襲いかかった。



 ヘルカとテレーゼは魔物らを次々()り捨てていたが数に押され二人背を寄せ合い近寄る魔物らしか倒せなくなった。



 その少時、いきなり巨竜が横倒しなり地響きと共に魔物らと砂塵が舞い上がった。



「みろ! 言わんことじゃない! アイリなぞ喰うからだ──」



 向かってくる石像鬼(ガーゴイル)の顔打ち砕きそう背後で(ソード)振り回すヘルカにテレーゼが怒鳴った。



 ヘルカは十匹あまり同時にり掛かる子鬼(ゴブリン)らを相手にしながら、そうなのかと困惑した。ノッチは魔物らに群がられ屈したのじゃ──違う!?



 女騎士は倒れた巨竜に山となり群がる魔物らの異変に気づいた。





 しがみつく子鬼(ゴブリン)石像鬼(ガーゴイル)死霊(アンデッド)らの山が急激に膨れ上がって吹き飛び巨大な爆焔ばくえんが火山の噴火のように吹き広がった。





 横たわった巨竜の腹が裂けて噴き出すほのおの噴流が周囲に広がり落ちて魔物らは叫び声上げ逃げ惑りる中女騎士ヘルカ・ホスティラは青ざめ青竜へ叫んだ。







「ノッチ!? ノッチス・ルッチス・ベネトス!? 大丈夫か!?」












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