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第20話 手裏剣流星群と攻守逆転

優の周囲に、無数の手裏剣が浮かんでいる。


その数、五十。


森下はブレードを構え、その光景を正面から見ていた。


「いきます!」


優がトリガーを引く。


五つの手裏剣が、一斉に飛び出した。


森下がブレードを振る。


一つ。


続けて、もう一つ。


飛んでくる手裏剣を処理していく。


だが、五発すべてを捌ききれるわけではない。


「っ!」


抜けた一発が森下に当たる。


小さなダメージ。


そして、その間にも優は次を狙っていた。


再びトリガー。


また五発。


森下へ向かって飛んでくる。


「……!」


森下はスペシャルを切った。


「カウンタースイッチ」


手持ちの武器を即座にシールドへ変更する、地味な効果を持つスペシャルだ。


森下の手からブレードが消え、代わってシールドが現れる。


直後、飛んできた手裏剣が次々とシールドにぶつかった。


優は止めない。


森下を狙う。


トリガーを引く。


五発。


シールドが受ける。


次を狙う。


また五発。


立て続けに手裏剣がぶつかり、シールドの耐久が削られていく。


優は焦って連打するのではなく、森下を見て、一射ずつ狙っていた。


そのぶん、時間は過ぎていく。


それでも撃つ。


もう一度。


五発の手裏剣が飛んだ。


森下がシールドを構える。


次々と受け止め――。


最後の一発が当たった。


シールドが砕ける。


「くぅー……」


森下の手からシールドが消えた。


「やっぱニンジャのスペシャルこえぇ……」


だが、優の周囲にはまだ手裏剣が残っている。


撃ち切れていない。


そのまま、残っていた手裏剣が一斉に消えた。


五秒。


手裏剣流星群の使用時間が終わった。


「……ふぅ」


優が息をつく。


森下のシールドを壊した。


それでも試合は終わっていない。


優は短い刀を構え直す。


その正面で、森下がスキルを選択した。


「リサイクル」


カウンタースイッチを使う前に収納されていたブレードが、再び森下の手に戻ってくる。


優の表情が引き締まった。


森下はそのまま、もう一つスキルを選択する。


「オーバークロック」


発動。


次の瞬間、森下が踏み込んだ。


優も刀を構える。


森下のブレードが来る。


優は刀を合わせた。


続けて、もう一撃。


下がりながら対応する。


だが、森下は止まらない。


距離を詰める。


さらにブレードを振る。


「……っ」


優は刀を合わせる。


手裏剣を出す余裕がない。


もう一撃。


優も刀を振り返す。


森下はそれに対応すると、そのまま狙いを変えた。


優本人ではない。


ニンジャ。


「!」


優が慌てて守る。


だが、森下はすぐに次の角度からブレードを入れた。


ニンジャにダメージが入る。


優は距離を取ろうとする。


森下が追う。


離してくれない。


もう一度。


ブレードがニンジャを捉えた。


「っ……!」


ニンジャがブレイクする。


優の手から刀が消えた。


あれだけ守り続けていたニンジャが、森下が本気で壊しに来ると、あっという間だった。


優はすぐに次の武器を選ぶ。


シールド。


生成が始まる。


その間にも後ろへ下がる。


森下は待たない。


「……!」


ブレードが迫る。


優は武器を持たないまま身体をかわす。


だが、避けきれない。


攻撃が入った。


さらに下がる。


森下が追う。


もう一発。


またダメージを受ける。


それでも優は距離を取ろうとする。


森下がもう一度踏み込んだ。


そのとき。


シールドの生成が終わった。


優はすぐに構える。


森下のブレードが来る。


シールドで受け止めた。


「……よし」


ようやく、武器がある。


優はシールドを構え直した。


森下もブレードを構える。


再び踏み込んでくる。


優はその動きをじっと見る。


ブレードが振られた。


その瞬間。


優はシールドをすっと跳ね上げた。


森下の目が、その動きを追う。


「パリィ狙い……」


ブレードの軌道が変わった。


「だろ?」


シールドを動かした方向とは逆。


そこから斬撃が入る。


「っ!」


優がダメージを受ける。


慌ててシールドを戻した。


だが、森下はもう次の攻撃に入っている。


優はシールドを構えた。


今度は動かさない。


森下が踏み込む。


ブレードが迫る。


優は待つ。


まだ。


まだ。


攻撃がシールドへ触れる、その瞬間。


トリガーを引いた。


森下のブレードが止まる。


ジャストガード。


「おっ」


森下が声を漏らした。


優はシールドで、その一撃をしっかりと受け止めていた。


森下が一度距離を取る。


優は追わなかった。


シールドを構え直す。


少しだけ呼吸を整える。


そして、そのまま森下を正面から見据えた。


森下も優を見る。


少しの間。


森下がブレードを下ろした。


そのまま収納する。


優は動かない。


シールドを構えたまま、次を待つ。


森下が武器を選択した。


新しい武器が生成されていく。


長い柄。


その先へ伸びていく穂先。


ランス。


優はシールドを構えたまま、それを見据えていた。

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