root ★2 【転校生、九条 西美現る】
結局、始業式には間に合わなくて先生に怒られたが、顔がニヤけきって止まらない。ついさっきも
「オラぁ、高橋ぃ!聞いてんのか!」
と先生に怒鳴られても
「エヘヘ、聞いてますよぉ」
と言ってしまい、気味悪がられた程だ。まぁ、そんなことはどうでもいい。俺はもう転校生フラグ(確信)がやってきただけでも、胸がいっぱいだ。俺はあの娘と会えるのを確信しながら教室の扉をガラガラッと開け、少し教室がザワついている事で確信が確実に変わりながら、静かに自分の席に座って待っていた。久しぶりに聞くチャイムにより、騒がしかったクラスが静まりかえる。先生が入ってきて、朝の連絡事項や、出席を確認する。そして先生が、
「今日から、このクラスに新しい転入生が入ってくる。」
と言った。いよいよあの娘の再開できるのか。と俺は胸いっぱいに期待や、嬉しさ、恥ずかしさ等の感情が溢れていた。先生は横を見て確認すると、
「では、入ってきてくれ。」
もう俺はこの言葉を聞くと、飛び上がりそうになった。それをできる限り抑えつけ、あくまでも平常心を保つ。
ガラガラッ
ドアから出てきたのはイケメンだった。その途端、クラスの大半の女子は舞い上がってキャーキャーと騒ぎ立てている。それに反比例したかのように男子は「ちっ、野郎か...」と誰かが言い、テンションがこれ以上低くならないんじゃないかというくらい低くなっていた。俺は頭を抱えて、「終わった...」と言葉が漏れていた。クソみたいなイケメン君は何やら自己紹介していたが、全くと言っていいほど耳に入ってこなかった。いや、どこかでわかっていた。この世界はそう簡単に思い通りにならない理不尽な世界であると...。でも神様、今日くらい俺に何かをしてくれても...。
すると先生は忘れてたかのように
「あぁ、そうだったそうだった。もう一人いるんだった。入ってきていいぞ。」
そう言うと、もう一人の生徒が思いっきりドアを開け入ってくる。シーンとした空気の中、俺は天から光が差し込んできたのかと思い、顔を上げる。すると、目の前にはイケメン君でも、今朝あった美少女でもなく、金髪碧眼の美少女がいた。嬉しかった。嬉しかったがなんとなく残念だった。すると美少女は
「私の名前は九条 西美。元は日本でいうアメリカに住んでいたわ。」
それだけ言うと、トテトテと歩いていき、俺の横の席に座った。周りを見渡すと、ある者は哀れみの目、ある者は嫉妬の目と、反応は様々だった。そこで俺は言う。
「その席のやつ、今日休んでるんだ。」
すると
「だから?」
いやいや、ちょっと待て、『だから?』じゃねぇよ。
「転入生、俺が言いたいのは別の席に座ってくれって言ってんだよ。」
と言う。すると、西美は再び
「なんで?」
こいつ...、頭おかしいんじゃ無いですかね?辺りがシーンと静まりかえる。
「もう一度言う、その席をどけ。」
「なんで私が動かなくちゃいけないの?」
険悪な雰囲気がいっそう増していく。お互いに睨み合っていると、教卓にいた先生が手をパンパンと叩き、
「朝のHRは終わりだ。あと、九条 西美と高橋 翔太。後で職員室にこい!」
そう言うと先生は職員室方面に戻っていった。シーンとしている教室で多くの視線を感じながら、俺は舌打ちし、しぶしぶ先生の後を追った。
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