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プロローグ
ジリリリリ…
カチッ
耳障りな目覚ましの音を止め、軽くあくびをする。辺りを見渡すといつも通りの部屋の窓から暖かい朝日が差し込んでいる。二度寝でもしようかと思ったが、今日は始業式だ。流石に遅刻はできない。朝から憂鬱になりながら体をゆっくりと起こす。制服に着替えていると、食パンの香ばしいいい匂いがしてきた。半ばにおいにつられ、食卓につくと、兄がソファーの隣で出勤する準備を進めていた。兄に『おはよう』と言おうとしたが、その前に兄は俺に気づき、
「おはよう。飯食ったらちゃんと皿洗っとけ。あと、戸締まりと夕飯よろしくぅ!」
と言うと、風のごとく消えていった。俺は一人、黙々とご飯を食べ、兄の言う通り皿を洗っておいた。洗濯物、夕飯などその他もろもろの準備をすると、HRまであと35分ほどだった。
「よし、いける!」
俺は片手でカバンを持ち、玄関を飛び出した。




