表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
眠り姫  作者: TAI
4/4

霧の街

夕日と霧に包まれた街並みは、よく見るればかなり荒れ果てていた。



賑わっていたであろう街の大通りは、瓦礫が散乱し、歩く場所を見つけるので精一杯。と言った感じであった。










「何があったんだ…


ティオが無事だといいが…」










大通りを進んで行くと、何かが目に入った。










「ん…?



お、おい!

どうした!?大丈夫か!?」




そこには、横たわった若い男がいた。



頭からは血を流し、表情は険しい。







「あいつら……


絶対に許さねぇ…!



オレの家族を……



結局オレだけが生き残っちまった…


く…


くそっ…」










男は、目から涙を流していた。










すると近くから声がする。










「どうして私たちがこんな目に……



あぁ…


あなた……」










その声に振り向くと、そこには道に倒れ込んだ女がいた。







「おにいちゃん!」










次は小さな子供が歩み寄る。










「悪い人達がいっぱい来て……


お願い……




やっつけて………」










「ちょっと待ってろ!



すぐに助けを呼ぶ。」










そういうとファバルは走り出した。










「とにかく…



生きている人を助け出さなければ…」










大通りを抜け、周りを見渡せば、傷に泣き叫ぶ子供。

何も言葉を発せず、遠くを見つめる男…


息の無い、屍も多数転がっていた。






その所々には、



“神闘軍”




の文字が書かれた軍旗が風に揺れている。










「神闘軍……



血も涙もないやつらだ…」










剣を握る手は、力が入り震えていた。










ファバル……










聞き覚えのある声が呼ぶ。










振り返ると、そこにはティオが立ちすくんでいた。






「ティオ!お前…」










すると突然切り掛かるティオ。

手には大きな斧が握られていた。









「はぁ!?」






咄嗟に持っていた剣で斧を受け止めた。




ギリ、ギリと力を込めるティオは、いつものそれとは全く違っていた。










「なんなんだよお前…




オイ!!



目ぇ覚ませ!!



ティオ!!!」










そう叫ぶと、ティオの手から斧が手放された。










「え…


なにしてんの?オレ…」










「お前…!!!」




そう言いかけた時であった。

霧の中に、人影のようなものが宙に浮いている。




二人が、身を構えてそれを見つめた。










「ははは……



どうでしたか?私のショーは。







楽しんで頂けたなら幸いです。」










顔こそは確認できないものの、長身で細身の男がそこにいた。










「あぁ…

そうそう。



今お見せしたのは、私の幻術による奇劇…




テーマは、“近い将来迎えるであろう、この世界のワンシーン”です。




胸が踊ります…

ククク……




ファバル……




お前と私は、巡り会う運命……



またお会いしましょう…」










「ど、どういうことだ!!


待て!」










ファバルは手を伸ばそうとしたが、その姿はすでに霧に消えていた。




すると一瞬強い光に包まれた。










「うっ……」










ゆっくりと目を開けると、そこは先程の街並みの影も形もない、ただの草原であった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ