第17話 睡眠 深入りは邪推/みんなは朝食、自分は寝不足
「OKOK、レイスね」
「よう く伝わ まし ね」
「…。うん」
聞くのは諦めて、文脈判断か…。
というか、改めて見ると、
よくわからない格好をしているなあ。
白黒で人型のまん丸ボディに、
ニコちゃんフェイス。
グレーの帽子を頭にちょこんと座らせて、
青と緑のストライプのコートを羽織っている。
「それで、君は一体何者なのかな?」
「私は 唯だの導者 過ぎま ん」
「導者?」
「ええ、そうで 。導 とは、世 を運命の下 導 使命を より授か た者 こと す」
「うーん…。じゃあ今の世界は運命の通りじゃないってこと?」
「その通 で ざい す」
「難しそうなことしてるね、大変そう。まあ僕は関係なさそうだから帰るね。眠いからじっくり寝たいんだよね〜。ほら、こんなよくわからない空間があるならまた会えるでしょ?今日みたいに疲れてる日じゃなくても良いかなぁって」
ずっと歩いてたし、流石に誰でも疲れちゃうよ。
めちょめちょねむねむ。
「え、 や、あ …」
「あっそうそう、出口ってどっち?出方でも良いんだけどさ」
「お、お ちください!」
「オチください?ごめん、いつもなら最高に面白いオチを言ってあげられるんだけど、さっきも言ったけど今は凄く眠くて…」
「お待ち ださ !と言 たん す…」
ニコちゃんマークの眉が下がって、
アニメで見るような汗を流している。
「ああ、お待ちください、ね。確かに用がないと呼ばないか〜。ちなみに用件って?」
「ふ …」
レイスは一息吐くと、
(途切れ途切れで本当にそうなのかわからないけど)
「貴方 伝えた こと ありま たので」
「それはどんなことだい?」
「この世界 の異 を可能 限り早 解 して頂 たいので 。…今のペ スで …」
「なるほど、まあ頑張るよ。ちなみに最後なんて言ったの?小さくてよく聞こえなくてさ」
「いえ、こ ら側の話 すの 、貴 の気に けること は ざいま んよ」
「あらそう、じゃあいいや。今レモンティー以外のどんなことよりも睡眠を優先したい気分だからね!」
「は、 い…そうですか…。お帰 はあ らか とな ま 」
レイスが指差す先を見ると、
そこには鉛筆で描かれたかのようなドアが現れていた。
「ありがちょ!じゃあおやすみ!多分また会うその時まで!」
「玲亭れて ん」
ドアに向かって走り出すと、
後ろから声をかけられた。
そうしてレイスはこちらの目をじっと見て言った。
「本当 、お願 しま ね」
「うんうん〜大丈夫大丈夫〜。人生というのは思っているよりも上手くいくものだかんね。今回の異常もちゃっちゃっと解決しちゃうよ」
「…。そう すか。では、また 機会 」
「バイバイ〜。おやすみ〜!」
そう言ってドアを開いて、
その先に飛び込んだ。
本当に紙みたいな材質のドアだったなあ、
なんて思いながら。
かの空間に取り残された一体の導者は考える。
「やは 、聞い いた り奇妙 人 であり し ね…」
「そうだろう?」
「!」
レイスが独り言を零した瞬間、
彼の背後の空間が揺らめき、
鉛筆で描かれたかのような口のマークが現れた。
それは、発した音に従って動き、
まるで喋っているかのようであった。
一方、レイスは酷く動揺した様子である。
「こ は…」
「シーッ」
宙に人差し指を立てる手のマークが描かれ、
レイスの口元まで移動した。
「…」
「いつまでも人の中にお邪魔するわけにはいかないよ?それに…」
…。
「見ている方がいるみたいだからね」
「は 、では…」
「帰ろうか、今日はご苦労様だったね。これからもよろしく頼むよ?」
「はい 仰せ まま …」
そうして、先ほどと同様、
空間に突如として扉が現れる。
レイスはそれの為に扉を開く。
「気を付けなければならないよ。レイスが彼らだけでなく、君のことも消去してしまうかもしれない…」
「…」
そう残し、彼らは扉の向こうへ去って行った。
それを見届けると、思わず溜息が溢れた。
「…。関わるつもりは殆ないが。絶対に関わらないぞ」
面倒事は御免だ。
全く、覗くタイミングが悪かったな。
暫くは止めておくとするか。
「何かめっちゃ疲れてる…」
「ぐっすりと眠っていたように見えましたが…」
「うーん、変な夢?みたいなやつを見たからかなあ」
ベッドから起きると、
逆再生の如くベッドインしたいほど疲れていた。
そんな自分を、マスターが覗き込んできた。
「…もうちょい寝て良い?」
「朝食はどうされるのですか?」
「うーん、レモンティー淹れるしいいや、面倒っちくなっちゃった」
「そうですか…。では、少年らと四人で、近くのお店で朝食を取ることに致します」
「うん、オッケー」
「では、終わり次第れてさんをお迎えに上がりますね。ここで待っていてください」
「了〜解〜。行ってらっしゃーい」
「はい、行って参ります」
そう言って、マスターは部屋を出て行った。
うーん、困らせちゃったかなあ…。
まあ眠いししょうがないよね。
自分は身体のサインに従う派だし。
「そんじゃおやすみ〜」
そうして目を瞑ると、
予想通り一瞬で眠ることができた。
うーん、素晴らし。
「すっきりさっぱり☆最高の気分!」
目が醒めると、
あまりの幸福で叫んでしまった。
まあ仕方あるまいよね。
幸せなんだもの。
仕方あるまいの舞ズンチャズンチャ。
「よく眠れましたか?私達の朝食は済み…。何をされているのですか?」
「仕方あるまいの舞だよ。特に意味はナッシング」
「そうなんですね(諦め)。本日もギルドに行きましょう。情報が仕入れられなければ、他の場で集めることと致しましょう」
「うん、そうだね〜。んー!」
伸びをすると変な声が出た。
「さて、行こっか」
「はい」
なんかよくわからないけど頼まれちゃったしね。
まあ程々に頑張りますかあ。
そうして新しい朝が始ま 。
ここまでご愛読ありがとうございました!
また来週、お楽しみに!




