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王立学園の死神は放課後に命を弄ぶ ~両親を殺された侯爵令嬢が死神となって悪人を楽しくざまぁする異世界近代魔法ミステリー!?~  作者: 猫月九日
第三幕 スラム調査編

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第22話 目的と飽きた

 その後、いろいろな店を回って買い物を楽しんだリーネとアリア。

 夕方になり、アリアを送っていったことで、二人の一日は終わった。


(楽しい時間はあっという間でしたっと)


 アリアを中へ押し込むと、リーネはすぐに表情を引き締めた。楽しい時間は終わり。今度は仕事だ。


「さて、それではどうしましょうか」


 帰りながらリーネはレイヴンにそう問いかけた。


「……途中から我々をつけていた連中がいたな」


 レイヴンの答えに、リーネはにやりと笑った。


「良かった、気がつけていなかったら罰則ものでしたよ」


 リーネも当然そういう人たちがいることはわかっていた。

 アリアと楽しく買い物をしながらも、常に周囲に注意を払っていたのだ。


「それで、その連中の正体はわかりましたか?」


「うん、そのうちの一人を捕まえて話を聞いたけれど、カルド商会に金をもらっていたみたいだよ」


「おやおや、随分と優秀なことで」


 さすがスパイとしてのレイヴンだ。


(いなくなっていることに気がついてはいましたが、あの短時間でそんなことをしていたんですか)


 これにはリーネもにっこりだ。ただ、ちょっと優秀すぎて面白みはないが。


「それで、連中の目標は?」


「それについては何も。ただ、アリア嬢を尾行しろって命令を受けていただけで、それ以上のことは知らなかったみたいだよ」


「ふむ? まあ、そうなりますか。ちなみに、口止めはしていますよね?」


「ああ、もちろん、金を渡しておいたからこちらが気がついていることは伝わっていないはずだけど」


「それはけっこう」


 ともかくわかったのはカルド商会がなんらかの目的でアリアを監視しているということだ。


「目的はやっぱり婚姻とかですかね?」


「あの次期商会長はアリア嬢にご執心だったみたいだからね」


「ふむ、問題はこれが商会としての意向なのか、それとも個人の意向なのかということですね」


「そこは、正直、わからない部分だね。それこそ本人にでも聞いてみないと」


 もっとも、支援をしている以上、商会が何も関わっていないとは考えにくいが。


(あの次期商会長の暴走というのは考えられますけどね)


 商会長と知り合いであるジャスパーも次期商会長には苦言を呈していたくらいだ。


「ふむ……」


 リーネは考えた。次に打つ手を。


(受け身で待つのも一興かと思いましたが……やはり性に合いませんね)


 そして、面倒くさくなった。


「飽きました」


「え?」


「たまには受け身で相手の行動を待ってもいいかと思っていましたが、正直、待つのは暇ですね」


 アリアという新しい友人と楽しく過ごしながら待つのもいいが、やはりリーネとしては能動的に動きたいのだ。


「というわけで、直接聞きに行きましょうか」


「はぁ……まあ、いつかそうなる気はしていたよ」


 レイヴンも仕方ないといった感じでため息をついた。


「でも、あの次期商会長に聞きに行くのかい?」


「いえ、それは無駄でしょう」


「無駄?」


「ええ、あの次期商会長が現商会長の指示を受けていたとしたら、ただの無駄になるだけです。ここはもう直接トップに聞きに行く方がいいでしょう」


「なるほどね。そうなると、でも根回しはしておいた方がいいかな? 一応あの商会はカノーネ伯爵家の傘下みたいだし」


「いえ、その必要はありませんよ。我々はプライベートで挨拶に行けばいいだけです」


「プライベートで?」


「ええ、ちょうど個人的な親交を持っている人がいますからね。彼を通じて挨拶に行きましょう」


 さきほど思い出したジャスパーのことだ。ちょうどよく彼が親交を持っているのならば、利用しない手はない。


「なるほどね……あくまでもうちうちの話ですませようってことか」


「ええ、内容によってはあちらもその方が良いでしょうしね」


「わかったよ。それじゃあ、その辺りは任せていいかな?」


「ええ、もちろん」


 死神云々とかスラムとか少々面倒なことはあるけれど、まあ、なんとかなるだろう。

 ジャスパーはきっと深く追求して来ないだろう。


「それじゃあ、数日以内には商会に乗り込みってことでよいですね」


「……本当に飽きたんだね。了解したよ」


 こうして、リーネとレイヴンは本丸に乗り込むことにしたのだった。



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