↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

5/22

4

 当然リュディアスは怪訝そうな顔をする。


「いえ、何でもありません。忘れてください。言い間違えただけです。あ、島が見えてきましたね! あれが竜の島ですか?」


 ジャスミンは話をそらすために、ちょうど見えてきた小さな島を指さした。エメラルドグリーンの海に浮かぶ、緑の生い茂った島が美しい。


「ふん。まあいいだろう」


リュディアスはうろんげに見つめてはきたが、とりあえず追及しないでくれるらしい。特に気にすることはないと判断したのだろう。


「そうだ。あれがオレたちの島だ」

 

 竜の島はそれほど広くはない。ヴァ―リアス王国の王都ほどだろうか。

リュディアスは時間短縮のためだろう、地上に降り立つことなく、「ここが港。基本的に他の国との交流はないのでほとんど使っていない。近い距離ならば、飛んでいく方が早いしな」とか、「ここが市場。必要なものはすべてここでそろう」とか簡単に島を案内してくれた。リュディアスの飛ぶ速度が速いのと、さほど広くはないために三十分ほどで島を一周できた。


(竜のことを知らなかったけれど、人間の世界とほぼ変わらないくらい文明的なのね)


 とジャスミンは心の中で感心した。諸外国の知識を取り入れることなく、独自の文化だけで発展しているはず。


「人間の世界と違うものも、きっとたくさんありますよね? 例えば食事はどのような感じなのでしょう?」


 ジャスミンは興味本位で聞いてみた。ジャスミンに興味を持ってもらえて嬉しかったのか、リュディアスはにこやかに口を開く。


「そうだな。たまに人間の国に行くが、当然違う。食事で言えばオレたちは基本的に野菜や果物は、あまり必要としない。ほとんど焼いた肉と水だけで十分だ」

「え!?」

(見た目はほとんど変わらないとはいえ、体の作りがそりゃあ人間と違うんでしょうけれど……。飽きそう)


 顔には出さないでいたつもりだったが、出てしまったらしい。気分を害することなく、リュディアスはにこやかに言った。


「心配せずともお前にはちゃんと人間向けの食事を作らせる。野菜や果物も手に入れようと思えば、手に入るからな」

「……別に心配はしてないんですけど。ここで暮らす予定もないですし」

(驚いただけで、リュディアスさまと結婚することはないだろうし……)


 放っておいたら本当にそうしてしまいそうなので、先にくぎを刺しておく。


「今のうちから料理長に、人間の料理の練習をさせておくか」

(聞いてないし……。料理長さん無駄なことさせられることになって可哀想。って、あれ?)

「リュディアスさまのおうちには、料理人がいるのですか?」


 ジャスミンが首を傾げると、リュディアスは大きくうなづいた。


「もちろん。執事やメイドもいるぞ。庭師なんかもな」


 竜族にも貴族という制度があるのかは不明だが、使用人がいるということは、リュディアスの家はなかなかに大きそうだ。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。