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調薬は面白い。


 体が重い…。頭もガンガンする。

これが魔力欠乏か…。これはツライ…。



精霊さん達に魔力を大盤振る舞いした結果、倒れた僕です。

皆に心配かけて申し訳ない…。反省…。


 魔力回復薬を飲んでかなり良くなったが体に負荷がかかった分休んでます。


 外にはクレイス様と団長さんがいて、淡く光る幻想的な小さい花をずっと見ている。

確かに綺麗だもんね。


花はフィラムっていう名前らしい。(精霊さん談)


「アル君、本当にありがとう。こんな無茶をしてまで私達の為に…。これで我が領が救われるかも知れないと思うとなんてお礼を言ったらいいか…。

この恩は必ず返すから、今後何かあったら私を頼って欲しい。」

「いいえ…、まだこの花が根付くかどうか…、今後の事は分かりません。でも根付かなかったらまた何か考えます。この森の為に、スピール公爵家の為に出来る事を考えましょう。」

すると精霊さん達から、

「大丈夫だよ。この花は強いから瘴気には負けないし、魔獣の嫌う成分が入ってるから魔獣にも食べられないよ。踏みつけられても大丈夫。繁殖力も強いしね。」


なんて強い植物だ。その生命力の強い植物を絶滅させるとは…。人の欲とは恐ろしい…。


後はしばらく放置してまた様子を見に来よう。どうなるかなぁ。


カーを元の位置に移動させる間僕はベッドに入り休ませてもらっている。

横には疲れたアレク君が寝てる。

ジルに頼んで精霊さん達にはたくさんのお菓子をお願いした。

頑張ってくれてありがとうね。



 3日間、ジルからは外出禁止令が出された。心配かけてごめんなさい。

ゆっくり休んで、僕、復活!!


フィラムの花が気になる。

早くアミンの森へ行きたい…。どうなってるかなぁ…。



 外出禁止中ギルに大変怒られ、泣かれた。

「兄上に何かあったら僕はスピール公爵家を絶対に許しませんでした。

そんな事にならない様に兄上はもっと自分を大事にして下さい。」

ギルにもアレク君にも泣かれて申し訳ないけど…、ちょっとだけ…、ちょっとだけ嬉しい気持ちもある。


ごめんね。



 外出禁止も解かれ、再びスピール公爵家へ花を見に行く事にした。前回の失態を聞いて、いつもの面々が付いてきてくれる事になった。

ギルとウィル君とシロガネとジル、クレイス様とアレク君と団長さんと家令さん。プラス精霊さん達。



 現在自動運転で移動中。現スピール公爵クレイス様と次期当主のアレク君、次期当主のウィル君、次期当主のギル。3人は前で魔獣の事や討伐の事、瘴気の森の管理について色々教えて貰ってた…。


つまらない…。

折角皆で集まったのに…。

我儘だと分かってるけど、遊びたかった…。

しょんぼり…。


ジルが優しく、そっと僕の好きなお菓子を出してくれた。


うまうま。ジルありがとう。



 目的のフィラムの花の群生地に着いた。

あれから1週間経っている。少し瘴気は薄れたかな…?って感じ。

花弁は深い青に変わっていたのでラス君にお願いしてスパッと刈り取って貰った。

風でこちらに集めて飛ばして貰って回収袋にIN。

再び耕して放置する。種が落ちてるだろうし、これだけ瘴気が濃いならまたすぐに芽吹くだろうと言う事で歌は禁止され、自然に任せる事になった。



 ギルもウィル君も初めて見るアミンの森の瘴気の濃さに唖然としているが、衝撃から立ち直ると俄然目をキラキラさせる…。


…殺りたいんだね…。


 その後はいつもの様に結界内から色々な魔法を試している。団長さんやクレイス様も同じく。

まぁ、落ち着いて魔獣の弱点を探れる機会って中々ないからね。存分におやり下さい。


僕がカーの中でアレク君とお茶を飲みながら皆の様子を見ていると、アレク君がソワソワしている。

「…? アレク君、どうしたの?お手洗い?」

「アル君…、僕も父上達のように殺ってみたい…」


おぅ…、アレク君まで殺る気になってしまった…。なんてこった…。あの可愛いアレク君が…殺る気マンマンになってしまった…。


外へ出て結界内から風魔法を撃ってもらう。僕が色々教えてあげようと思ってたのに、ラス君が来てアレク君にアドバイスを始めた。

…、僕の役目取られちゃった…。しょんぼり…。


  今日も僕は回収係りかなぁ…。


 暇になった僕はフィラムの花を使って魔力回復薬を作ってみることにした。

収納袋から上級薬学の本と薬を作る為の器具を取り出す。

ランプに火を付け水を魔法で出して火にかける。沸騰直前に火から降ろして刻んだ月見草、日輪草、鈴似草を入れかき混ぜると薄い緑色になる。そこにレーモンの絞り汁を1滴。色が水色に代わり、フィラムの花びらを1枚入れるとさらに色が黄色に代わる。

…えぇ…、ビックリ…。2度見しちゃった…。

水色に青色の花びら入れて黄色?!思っても見なかった色の変化に戸惑う。これだから調薬は面白いんだよね!

その後静かに濾して完成。

ポーション瓶に入れて5人分出来た。



 気が付くと皆がこちらを見ていた。集中してて気が付かなかった…。


作った魔力回復薬をみせる。

ギルに飲んでみたいと言われるが、先に僕で試して安全性を確認しないとね。



 皆の回収係りをして、大地を清めよう。

魔力を込めて歌う。

さぁ、クウちゃん、モル君、テル君、ルルちゃん魔力をどんどん持って行っていいよ!


 結果、僕またフラフラ…。頭ガンガン…。

作った回復薬を飲んでみる。


前に飲んだ回復薬に比べると回復量が多いのか、以前感じた倦怠感がない。


 これ、凄いのでは…?






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