第8話 知らせ
行方不明になってしまったAの部屋、解約が済み同じ日に
警察からAの、お母さんに電話が来た。
最寄りの駅入口に放置自転車があって車体番号から、その自転車はAさんのものだったという内容で本人は行方不明のままだという報告だった。
とりあえず事件や事故の連絡ではないので関係者は少しだけ、ほっとした。
「駅ってことは、どこかに行ったんだよなアイツ」尾形が言うと
「どこいったか心当たりあるか?」とB。
「ねぇな…」
「なんだって俺らには連絡くれればいいのにスマホ置いていきやがって」
「うん…」
後日、式は例の残された携帯に入っている写真や動画を尾形さんからAさんの、お母さんに連絡して見せてもらう約束をした。
これで一度は式の取材も尾形さんの話も終わったつもりでいた。
尾形は式に捜索を言い残していました。
「あの、Aの捜索、式さんにもお願いしていいですか、お金も払いますので」
「人探しは意外と金がかかることもあるけど、いいのかな?」
「もし経費が掛かるようであれば明日又、出直してきますので、お願いします」
式は探偵心もあって自分の居住区からそんなに遠くない、そのアパートを実際に見に行って周辺の写真撮影等をしたり図書館に行き古い地図などを調べ始めていた。
平日の昼間とはいえ車も人も誰もいない不気味なほど静かな場所だ。
そこは川沿いの細長い土地で公園を境に雑草の生い茂る放置された状態が500メートルほど続いて、その端にポツリとアパートが建っていました、裏手には大きめの川が流れている。
アパートの手前は車同士がすれ違える程度の車道になっていて向かい側には民家や安アパート、長屋廃墟、意味不明の空き地が点在していた。
そして意味ありげな地蔵尊の祠と大きな柳の木、お寺の管理する出張所的役割の庵が建っていた。
思えばアパート周辺をうろついていた時点で、なんども式の妖怪アンテナが反応しておりグラリとめまいがしたり寒気がしたり…
式は『なんか危ねぇなあ、なんだろう?』と思っていた。
強力な能力があるわけでもないし普通の人間なので、それ以上は何も解らず仕方がない。
式は普段、絶対に心霊スポットなどには行かない。
昔、調子に乗って痛い目に遭っていたから。
しかし式は、そのアパートをなめていた。
撮影した周辺の写真などには何枚か妙な光が走っていたり煙のようなのが映ったりしていた。
嫌な感じがした。
文字どうり後悔、先に立たずだった。




