第8話 バード ストライク
明後日にも大祭りが始まるというのに
件のアパートの現・所有者である銀行で異変が起きていた。
相手は悪霊か悪魔か、移動中、静華は
スマホに銀行の地図を表示し手をかざして遠隔透視を始めた。
「あーれぇーアキラぁー銀行に御札ベタベタ貼ったよね?」
「え?はい、貼りましたよ、たくさん」
「んー光が見えないんだけど・・・誰か剥がしたなあ?」
「えー?そうなんでしょうか・・・」
「ちょっと車寄せてくれる?それで警察呼んで欲しいの銀行に、入口とか封鎖して私たちが入る前に先に警察官、中に5人くらい入れてくれないかなぁ」
すぐに車を寄せた。
「えーっと、わかりました、副署長経由で、お願いしてみます」
「あと、あの武藤って刑事、今忙しくなかったら呼んでもらったほうが勝手が良いんだけど」
「はい、わかりました・・・・あーっと、もしもしぃー茂木さんですか式です実は今から・・・」
式と静華は警察にも協力を、お願いして銀行に向かった。
銀行正面入口の自動ドア・ガラスに
次から次と雀・鳩・カラスがぶつかって来て入口の地面には沢山の死骸が落ちていた。
ほら、また
―ゴンッ! 鳥がガラスに激突している。
嘘なんですが鳥が死んでいるのでガス漏れ事故の可能性があるとして、お客様には退店してもらい従業員だけ中に残っていた。
式はその様子を撮影したりした。
「ひどいね、アキラ裏に回りましょう」
「はい」
裏口に回ってみると、なんと!仁王立ちで和華が待っていた。
「遅いっ!」右手に刀ケース、白い帽子に白いワンピース姿。
「なぁに偉そうに、はしゃいでんの、よくわかったわね瞑想は済んだの?」
「フンっ」和華はニコニコして鼻を鳴らした。
「ふざけてる場合じゃないわよ、前にもこんなの見たことがあるわ」
「へぇー何時?お姉様」和華が聞いた。
「私があんた位の歳の頃、父上に同行してね大阪の繁華街で…
こういう現場には呪物があるか死の近い呪われた人間がいるか、なんて状況が多いのよ、それにしても死骸の数が多すぎる…」
裏口側の地面にも数羽、鳥の死骸が横たわっていた。
裏口ドアに手をかけ中に入った。
銀行のなかでは行員が静かに机に座っていた。
店内を見回すと
急に静華さんが大声を張り上げた。
「おいっ御札はどうした?なぜ貼ってない?
それと、そこの男衆!
そらそこのっ!お前らっ!私は鳥の死骸を片付けに来たんじゃないぞ!
お前ら自分の店だろう、自分らの会社じゃないのか!頭取が泣くぞ!
男衆!ゴミ袋とちりとり持って表の死骸集めて片付けろ!」
中で見ていた警察官も、みな面食らって、だまってコチラを見ています。
「返事わぁーどうしたあー!口がきけんのか、お前らあー!」
静華さんはケースから日本刀を取り出しました。
リクルートスーツにトレンチコート、左手に柴刀、背中に、たすき掛け刀ケース、中に、もう一振り柴刀が収められていた。
「うわぁ、あ、はい、はいわかりましたぁすぐに・・・オイっ」
男性行員たちは、あたふたと立ち上がり動き出した。
「チッ、自分の仕事じゃないと思ってるところが腹立つ、見て見ぬ振りもここまで来ると日本男児の恥だな、犯罪者並みの盆暗共め、アキラ、悪いけど御札、よさそうなところに貼って歩いて欲しいの」
「わかりました」
その間、和華さんはケースを背中に、たすき掛けで柴刀を左手に持って
ブラブラと店内を見て回っていた。
「こっちは大丈夫そうよ、お姉様」
「そうね、ちょっと店員さん、ここの責任者は?」女性店員に問う。
「はい、ソチラの奥の支店長室にいると思います」
「ふーん出迎えもなしか・・・」
「はぁ、カメラで見てらっしゃると思うのですが」
そう女性の店員が答えた。
その時、刑事の武藤が来てくれた。
「どうも静華先生、よぉ式、調子は?」
「えぇ何とか、あの武藤さん御札貼るの手伝ってもらえませんか」
「バァカ、なんで刑事の俺が手伝うんだ」
すると静華が店長室から漏れ出す瘴気に気が付いた。
「待って!・・・何か変よ、武藤さん一緒に支店長室に入ってもらえますか」
「えぇ、いいですよ」
「和華、このままコッチ見張ってて何かあったら『テレパシーで』呼んで」
「うん、わかった」
そう言うと二人は、お互い片手を差し出すと
一回―パン!と手をあわせて鳴らした。
―コンコン ノックをして武藤が言った。
「警察です、入りますよ」
式は脚立の準備をしに奥に行き、静華と武藤は支店長室に入って行った。
すぐに慌てた様子の武藤の声が遠くから聞こえてきた。
「おい、救急車!支店長が首吊りだっ!」
そして同時に地響きを伴って建物全体が
―ドーン!と大きな音を立てた。




