21 この女には関わってはいけない。
1A、目覚めるサヤ、顔を覗き込んでいたのは石橋だった。
サヤ「お、脅かせないでよ!!」
-石橋「さーーや」酔ってる。
タイトル
翌朝
1、エレベーターの内、Bが乗っている(手にA4封筒を持っている)
2、エレベーターのドアが開く。入り口にサヤが立っている。
サヤ「あっ、Bさん。ご一緒させてもらっていいですか?」
3、B、「私専用ではないので、どうぞ」
4、サヤ歩みを進めながら、ボタンを押し「難しい言い方するーっ、」と可愛く苦笑
5、サヤ、Bの隣に立ち
B「デリバリーですか?」
サヤ「ええ、秘書室からご注文頂きまして。Bさんもお気軽にご注文してくださいね」
B、「私、他人が作ったもの食べられないんですよ」
6、サヤ「そうなんですか・・何か理由があったんですか?」
B「あなたに関係ないでしょ」
サヤ「そうだけど・・苦い経験があるとか・・」
7、B「・・・そうゆうわけでは」
-サヤら「・・ごめんなさい」
サヤモノローグ
“図星をついちゃった、、か。なんかな時に使えそう、石橋さんに調べてもらおう”
8、サヤ「ところで、今度お時間いただけません?」
B「前にもお断りしましたよね」
サヤ「液体デイバイス技術、ネイチャーで発表したいでしょ」
9、B「富士子さんが開発したものですよ」
サヤ「エジソンが全てを発明したと思ってます?」
B「いえ、白熱電球はジョセフ・スワンですし、電気はニコラ・テスラの功績で、電話はグラハム・ベルというのが通説です」
10、サヤ「エジソンは“私もずいぶん盗んだものだ。肝心なのは、いかに盗むかである。って言ったとか」
11、サヤ、Bの横顔を見つめ「お手伝いできる事あると思うんですけど」
12、B「と、言いますと・・」
サヤ「連絡先、教えてください」
13、B「000ー000ー0000」
サヤ「覚えました」
B「一回でですか⁈」
サヤ「驚かれるなんて心外ー」
14、エレベーター止まる。
“開“のボタンを押しているサヤ「着きましたよ」
15、歩き出しながら、前をゆくサヤを一瞥するB
16、サヤ「劣ると思われてた方が生きやすいじゃないですか」
サヤの隣に並んだB「あなた意外と面白いこと言いますね」
サヤ「そうですか。私たち気が合うと思いますよ」
時間経過
17、廊下を歩くB
B、モノローグ“今より液体デイバイスが進化したら、私は共同制作者と明記されないだろう“
“そうなれば、7年間の私の寡黙が無駄になってしまう“
“脚光は嬢ちゃんだけにあたってしまう“
18、会議室のドアの前に立ちノックするB
男の声「どうぞ」
19、ドアを開け入るB
20、国男はテーブル中央の席に座っている。傍に立つ宗弥の父(国男の第一秘書)
21、頭を下げるB「会長、いらっしゃっていたんですか。お待たせして申し訳ありません」
国男「いきなりのアポですまない」
B「とんでもありません。最新の状況をお伝えしなければと思っていた所でした」
22、国男「まぁ、座ってくれ」
23、座ったB、資料をテーブルに置く(自分の前)
Bのモノローグ“素水さん、一言、私に言っておいてくれてもいいでしょう!”
24、国男「お前に富士子を頼んだのは、富士子が大学2年の時だったか」
B「夏休みに入った頃でした」
国男「富士子の着想がものになったのも、お前が見ててくれたからだと思っている」
25、B「とんでもありません。お嬢さまの才能です」
Bのモノローグ“一歩引いた物言いで持ち上げとくのが、大人のエチケットと、これで私の評価もまた上がる“
26、国男「そう言ってもらえると思っていたよ。早速ですまないが、呼び出したのは統括の座を富士子に譲ってほしいんだ」
27、B「・・私に…、何か失礼があったでしょうか⁈」
28、素水「そんな事でこんな事は言わない」
B「では、どうしてでしょう⁈」
素水「液体デバイスの完成度が70%になった今、国に技術供与して運用に踏み切ることになったんだ」
29、B「えっ!」
国男「液体デイバイスは、秘匿技術認定を受ける」
30、素水「特許申請はすでに提出してある。数日中には認可が降りる。開発者の富士子さんが役職についていないのはまずいだろう」
31、国男「そこでだ、富士子を統括に引き上げ、お前を副統括としたいのだが・・」
B「もちろんです。そうされてください。元々わが研究所はお嬢様のためにあるのですから。会長夢が叶いましたね」
32、素水「辞令は明日、メールで一斉送信します。あなたには慰労金を用意します」
B「慰労金なんてとんでもありません。辞退いたします。お金なんて要りません」
33、国男「では、お前のために何か私に出来る事はあるか」
B「今のまま研究に携わらせてください」
国男「もちろん、そのつもりでいた」
34、B「それから完成度70%とでも十分ですが、お嬢様は完全体の完成をお望みです。運用のお話は伏せられた方が良いかと思います」
35、素水「なぜ、そう思うんですか?」
B「反発されるからです、間違いなく」
36、国男「富士子が反対するというのか?」
37、B「お嬢さまは完璧主義者で、目的は医療面でのみの使用とお考えです。多彩な使用用途を知れば研究自体を辞めてしまうかも知れません」
38、素水と顔を合わせる国男
39、B「失礼ですが、お二人は軍事転用も視野に入れておられますよね」
40、国男「なぜわかった?」
41、B「私は、お嬢さまと同じで一流の科学者です。過去、科学や薬学がどう使われてきたかくらいの知識はあります」
42、俯瞰の絵・B「ですが、お嬢さまはそんな転用は許さないでしょう」
43、国男「確かにな、お前はある意味、私よりも富士子を知っている」
素水「ですが、会長。富士子さんに黙っていてはいけません」
44、国男「いや、知らせないでおこう。液体デイバイスは走りだした。国との契約を反故にするわけにはいかない。それにこの契約は我が社にさらなる飛躍と莫大な利益をもたらす」
45、素水「しかし・・会長」
国男「心配するな。富士子は研究以外に興味を示さない」
46、B「おっしゃる通りだと思います」
時間経過
研究室
47、富士子を見ているB
Bのモノローグ“いずれはこうなると思ってはいたされど・・・”
”こんな早期にとは思っていなかった“
“なんとかしなければ・・”
48、B、「みなさん、ちょっと休憩しませんか?」
49、お茶してるチームと富士子
50、玄関前、退社時刻
プチ・トリアノンの庭園を整えているサヤ。サヤ、Bを見つけて手を振っている
立ち止まってサヤを見たBのモノローグ“
“富士子が会社に引き入れた親友。この女に…。”
51、サヤアップ
Bのモノローグ“液体ディバイスの暗黒面を話し、富士子にほのめかさせて…、”
52、笑顔のサヤ、スマホを取り出す
53、携帯を耳にあてるB
54、サヤ「お疲れ様です、Bさん」
55、B、携帯を切り、歩き出す。
56、街中を歩くB
Bのモノローグ“だか、サヤという女はどこか得体がしれない、関わらないほうがいい気がする”




