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第6話 深淵の大森林


梳李は深淵の大森林をライカゼに乗り疾走していた!早く大森林の外をみたい!冒険に行きたい!はやる気持ちを堪えきれず。しかし、図鑑の進捗率もあげたい!優先順位はつけられない


結果…進んでは止まり、進んでは止まりしていた。ライカゼはとても優秀で、魔物の存在は素早く気がついてくれる。ユニコーンの本能のようだ。魔物を見つけると、ライカゼに微弱な雷撃を落としてもらい狩りに走った。植物図鑑も埋めたい…委員長に教わりながら、摘んで!切って!倒して!回った


その頃セントラルでは第一陣の先発隊が出発の時を迎えていた。騎馬隊が大森林の入口まで到着するのに約10日間…先発隊の緊張で張り詰めた糸は極限状態を迎えていた


「委員長!植物の種類って…どれくらいあるの?」


「1万種ありますね」


「進捗率が高かったけど…落下した場所が良かっただけで、気が遠くなるほどあるのね」


「それもまた楽しみですよ!ちなみに大森林の中にある植物でいえば80%以上、図鑑が完成してますよ」


「あとさぁ…スキルと魔法には図鑑ないの?」


「ありますよ」


「なんでそれは黙ってたの?」


「それを言うと冒険に出る前にコンプリートしよう!とか…言い出しそうな気がして」


「確かにそれはあったね」


「そうなると、管理者である私もさすがに引きます」


「わかったよ。冒険しながら覚えるようにするよ。参考までに何種類くらいあるの?」


「スキルは300、魔法は100ですね。取得条件が難しい物もたくさんありますよ」


「取得条件が…それは…また…萌えるじゃないか…」


「梳李様…どうか平常心をお忘れなく」


「慌てる事でもないからのんびりやろうか…」


冒険に出発したものの、まだ大森林をさまよっている。梳李は水魔法を覚えた。飲み水や汚れを洗うのに、水魔法無しではいられなかったからだ。ウォーター、インクリースウォーター、ウォーターウォール、ウォーターカッターなど、生活魔法に合わせて戦闘用魔法も取得していた。確かに委員長がいう様に、必要な時に覚える方が効率は良かった。魔法は応用も効くので、ひとつ魔法式を覚えれば、すぐに類似した魔法は行使できた。何より必要に迫られた方がイメージがしやすく、魔法陣を教わるよりも、自然と頭に魔法陣が浮かんだ


「ライカゼ!喉はかわいてないか?」


「いま、桶に出してやるからな」


「俺の冒険に付き合わせてごめんな」


プルプルと首を横に振ったようにみえた


「梳李様!多分…ライカゼにとってもあなたは相棒なのですよ!」


「そうだと良いけどな!少し休憩したらまたさまようか!」


ライカゼと気持ちは繋がっていた。不思議と右に行きたいと思えば行ってくれるし、止まりたいと思えば止まってくれた


しばらく進むと、ストロングウルフの群れに遭遇した。30匹はいる…個体は大きくライカゼよりも一回り大きい


「ライカゼ!威嚇を頼む!」


ライカゼがライトニングサンダーを全ウルフに落雷させる。それで狩り取れる程、ストロングウルフは弱くないが、落雷により、敵の居場所も確認できる上に、麻痺で少しの間だが足止めをする事ができた。そこに素早く走り寄り、オーバーロードで一刀両断していくのだ。ライカゼがいなければ、間近にいる2〜3匹は瞬殺できたとしても、離れた敵は、向かってこない限り、逃がしてしまう…それほどにライカゼとの連携攻撃は相性も効率も良かった


「ライカゼ!ありがとう!」


「連携技とか…すっかりいいコンビになって来ましたね」


「委員長から見てもそうなのかい?」


「はい!とてもいい感じに見えます」


「開けた場所ならもっと早く、もっと多くの敵を撃破できそうだけど…森の中は狭いな」


「ライカゼ!もう少し北に行けば、大草原があるらしいから…そしたら好きなだけ走らせてやるからな!」


「その姿は私も早くみたいですね」


「広い場所に行ったら、もっと高度な連携技とか試したいんだよな…オーバーロードに最大出力のライトニングサンダーをもらって、雷撃で狂喜乱舞するとかさ」


「まだ梳李様は、黒歴史の中にいらっしゃるのですね」


「そこはいいじゃん…そういうのは男子のロマンだからさ。ユニコーンやドラゴンに乗せてもらう事も前世からの夢だったのだよ」


「はいはい!楽しそうでなによりです。ライカゼも笑っていますよ」


深淵の大森林…確かに劣悪な環境だった。飛び抜けたステータスがあり、魔法があり、委員長やライカゼがいるから移動できているが…未踏の地と呼ばれるだけはある。しかもこの世界の未開拓地域には、もっと過酷な砂漠があり、永遠に広がる雪の大地もある…何層あるのなわからない、数多くのダンジョンもあるのだ。


無限に広がる未知の世界を前に、これからやるべき事を考えた…冒険者として、代理人として


ステータスだけでは足りない強さを、経験により埋めていく。それが、冒険の第一歩であると実感した。戦闘スキルの重要性である


そんな思いを巡らせている時、特大のアースドラゴンにエンカウントした


「多分…アースドラゴンに雷撃は効かないだろう。俺がやるからライカゼは少し下がっていて」


「梳李様!アースドラゴンは背中が固い甲羅に覆われていて、首や足を狙うとスッと隠れる、亀のようなドラゴンです。腹からの攻撃が有効ですよ」


「ありがとう!それなら…」


防御力が高いが動きは遅い…ディフォメイションを片側に展開して、ひっくり返そうとするが位置が悪い。おびき寄せようと、前方に立ち塞がった。アースドラゴンはひょっこりと首を伸ばし、口を開けたと思うと、強烈な光のレーザーを放った!慌ててシールドを張ったが反射したレーザーは辺り一面を焼け野原にかえる


「主!私が囮になります。こちらに気を取られた隙に、地形を変えて仰向けにしてください!」


飛んで来た思念波に反応するとライカゼが目の前を通過した。俺を狙っていたアースドラゴンがライカゼの方を向く…「ディフォメイション!」身体の半分を持ち上げられたアースドラゴンが、腹を空に向ける。戻ろうともがく動きは早かったが、斬撃範囲最大の一刀両断!小高い丘のようなアースドラゴンを真っ二つにした


「サンシャインレーザーを獲得しました」


「ライカゼ!大丈夫か?」


「大丈夫ですよ!主様」


「思念波で話が出来るようになったのか」


「そのようですね…最上位種のユニコーンレジェンドから極上位種のユニコーンゴッドに進化しています」


「凄いなぁライカゼー!あと倒した魔物が使った魔法も覚えるんだな」


「容易い事です。今後も何なりとお申し付けください」


「そういう取得条件もあるのですよ」


「そうだ記念にライカゼの防具をアースドラゴンの固い甲羅で作ろう」


銀色に光り輝く兜、身体中を覆う鎧、装飾も細かな細工を施し魔石で取り巻く。強化、軽量、魔力自動回復、体力自動回復、角の付け根には魔力増幅効果のある輪を付ける


「乗せて良いか?」


「はい主、ありがとうございます」


「梳李様!これはなんとも美しいですね」


「少し派手かと思ったけど…良く似合ってるな…重たくはないか?」


「乗せてるのもわからない程です」


「うん!いいな!とてもいいな!」


「主様のお気持ち、確かに受け取りました。私はどこまでも主様と共に、大陸中を駆け回りましょう」


ライカゼも気に入ってくれたようだ。心が通じ合い進化を遂げた


「今日はここを野営地にして休もうか」


友を得た梳李は身体を休めながらも高鳴る感情は抑えられずにいた



第7話に続く



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