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第4話 来訪者


「ここは我の領域、貴様は誰だ!」


魔力が枯渇して眠りについていた梳李、突然の来訪者の声に目を覚ます。だが寝ぼけている


何を思ったか?慌てた梳李はアイテムボックスからサイクロプスの大斧を投げる。来訪者の頬をかすめる


「まてまて!話しかけておるのに、いきなり攻撃してくるとはなんじゃ!」


「ん?ドラゴンさん?もう少し寝かせてもらえませんか…」


梳李は再び眠りにつく


「貴様!我を舐めておるのか!」


頭にきた来訪者は、口からメラメラと炎をあげブレスを吐く!ドラゴンの咆哮…梳李は寝ている


「生身で受け止めたのか…」


さらにブレスを吐く!吐く!吐く!


何事もないように寝ている梳李に呆れて来訪者も眠ってしまった


「あー、よく寝た。そういえばドラゴンが襲ってくる夢を見たような…」


!!!


「でかっ!夢じゃなかったのか」


「梳李様が一瞬目を覚ました時に、私も見ましたけど…確かに青竜でしたね。この大森林の支配者となっていると思われます」


「んで、なんで一緒に寝てるんだろ」


「それは私にもわかりませんが。ドラゴンを前に、臆する事もなく寝ていらしたので、呆れたのではないでしょうか」


「とりあえず寝かせとくか…魔力は回復したから、近い方の西側の川とここをつなごう。今日は魔力残量が減ってきたら、教えてくれな」


来訪者を残し梳李は水路を作った


途中グランドオーガ、オークジェネラル、キングサイクロプス、ダークウルフの群れ、ジャイアントアントの大群と戦った


大剣をはじめて使ったが、剣術スキル一刀両断を覚え、バーカーサーの称号もついた


「新しい事をすると新しい能力が手に入るのは楽しいね♪それに水路を造るのも楽勝だね」


「戦闘や魔法については、レベルによるステータスに守られている事は間違いないですが…それを無しにしても戦闘センス、魔法センスは抜群です」


「そうなの?地球には魔法もないし、剣をもって生き物を斬る事は無いから、はじめてだったんだけど…」


「自信を持って良いと思いますよ」


「ドラゴンさんはぼちぼち起きるかな。まだ寝てたら東側も水路つないじゃお」


東側はストロングビーやジャイアントフライのような硬い殻に覆われたでっかい昆虫をたくさん倒した。視界が無くなるくらいの大群を前に炎の魔法を覚えたので、大剣を振り回しながら火魔法を打ちまくった


「あ!また大剣スキルが手に入った。狂喜乱舞だって!」


「まさに狂喜乱舞でしたよ!ふふっ」


「街を城壁で囲っても、今みたく飛ぶヤツは入ってくるんじゃないの?」


「城壁の上に魔道具を配置して、阻止するのですよ」


「やる事がいっぱいあんな」


「それは梳李様が、思いのほか几帳面だから…という事が原因でもありますね」


「だって気になるんだもん。魔法でも取得して終わりなら良かったのに、熟練度なんてもんがあるから、早くMAXにしたくなるとかさ」


「気持ちはわかるけど…ははは!」


「あとこの水路を3重くらい開拓地に敷き詰めて…忘れてたけど、地下水路も作って、排水も考えなきゃ」


「キリがないですね」


「我も寝てしまったか…なんだこの水路は」


「ところで梳李様、ぼちぼち魔力が少なくなってきましたよ」


「水路の完成は見えてきた。あと整備された街を作るのに転移門が欲しいけど…造れる?」


「空間魔法は、無制限アイテムボックスのおかげで、梳李様の1番得意な魔法ですから…門に魔法陣を刻んで魔石をはめれば作れますよ」


「おい!貴様!我を無視するとは、良い度胸ではないか」


「あ!ドラゴンさん!起きたの?」


「起きたの?じゃないわーい!我に断りなく大森林に存在するとは、貴様は何者じゃ。返事次第では生かしておかぬぞ!」


「俺は梳李!ここで何かするには、許可が必要だったのか?悪い悪い…この世界の事をあまり知らなくてさ」


「お主、転生者か?」


「ああ、そうだよ。スキルボードみるか?委員長!見せてあげてよ」


「これは、お久しぶりですね。青竜王バルバロッソ様!レジェンド種になられたのでありますね」


「いかにも我は最強竜種のいっかくバルバロッソである。スキルボード…声だけだが聞こえて、我の事を知っている…もしや管理者か?」


「あなたにお会いするのは2度目ですね。500年前は暴れん坊で、黒竜王様によく叱られていましたね」


「その人間は管理者を所有し、ヘカテー様から代理人を与えられた転生者だと言うのか?」


「そうですよ」


「ならば…我も従者にならねばなるまい。じゃが竜種の宿命、戦って我を倒さねば配下になる事は叶わぬ!」


「それは…バルバロッソさんと戦って勝てば良いって事か?」


「そうじゃ!」


「魔法は使えなくなったし…大剣だと傷付けたら嫌だし…」


「何をブツブツ言っておる!かかってまいれ!」


「んじゃ試しに子供の頃に1週間だけ習った空手でも思い出しますか」


20mもある青竜に対し、大ジャンプして顎を蹴り上げる。一瞬仰け反ったが、さすがに青竜、すぐに体制を立て直し、前足を振り上げて爪を立てる!右前足が空気をも切り裂く!落下途中の梳李は、ガードしかできず大きく弾き飛ばされる。地面が沈む程の衝撃だが、何とか着地した梳李。打撃攻撃は不作と思い、全速力で後部に駆け寄りしっぽを掴む!


「!」


危険を察知した青竜王バルバロッソだったが、一瞬の隙をついて回す!回す!


ジャイアントスイング!


一度回り出したら止まらない!回す!回す!どんどんスピードをましていく


「や、やめて…やめて…」


「梳李さん!やめて…お願い…」


「止めてくださいー!」


静かに下ろした


「なんだバルバロッソさん…泣いてんのか?」


「勝てないのはわかって居たけど…こんなに簡単に…うわぁ~!」


「女の子!?」


「梳李様!あなたが勝ちましたので、竜族は主と決めた相手と同じ形を取るのです」


「というか…メスだったのかよ。最低だな…俺」


「仕方ありません。古くからのならわしだから…」


「バルバロッソさん…な、なんかごめん」


「うわぁ~ん!」


「報告があとからになっちゃったけど…この大地を開拓して、女神ヘカテー崇拝の国、ヘカテー族の国を作ろうと思っているんだよ。バルバロッソもさ…一緒に住もうよ。悪いようにはしないからさ」


「開拓する街は…中央に大きな神殿を建てて、中には巨大なヘカテー像、その前には噴水広場を作って国の象徴にする。他の造りは農耕エリア、産業エリア、畜産エリア、商業エリア、居住エリアという様に、エリアにわけて区画整理して、各エリアは転移門で繋ぐ、城にバルバロッソの居場所を造るから、ヘカテー族の守護者として一緒に国を作ろうよ。自由に暮していいからさ」


「わかった…」


「城は、俺とバルバロッソの城にしよう!」


「なんだか楽しそうな気がしてきた」


「大森林の中から、食料にできる野獣は捕まえて来てくれな。育てたり増やしたりはヘカテー族に頼むから…」


「んじゃ…まちづくりがんばろうー!」


こうして来訪者は梳李の軍門に下ったのである。ドラゴン振り回すのはやりすぎじゃね?



第5話に続く


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