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W 014話 譲渡

 193◯年◯◯月◯◯日 『日本』


 閑見商会は海軍から除籍された5隻の潜水艦をスクラップとして購入した。

 

 史実では次の通りとなっており、どの艦も太平洋戦争が始まる前に除籍となり戦争には参加していない。 

 海大Ⅰ型伊号第51潜水艦 1924年に就役。1941年4月に除籍。

 海中Ⅳ型呂号第26潜水艦 1923年に就役。1940年4月に除籍。

 海中Ⅳ型呂号第27潜水艦 1924年に就役。1940年4月に除籍。

 海中Ⅳ型呂号第28潜水艦 1923年に就役。1940年4月に除籍。

 特中 型呂号第29潜水艦 1923年に就役。1936年4月に除籍。



 海大Ⅰ型伊号第51潜水艦は日本が建造した潜水艦で初めて1000トンを超えた大型潜水艦である。

 その為、名称に海軍大型潜水艦の略「海大」と付いている。

 同型艦は他には無く、実験艦的に建造使用され、そこで得られたデータは後に建造された大型潜水艦に生かされている。

 

 海中Ⅳ型呂号潜水艦は中型の潜水艦である。

 名称の海中は海軍中型潜水艦の略であり、日本で4番目に独自に設計し建造した中型潜水艦の型である事からⅣ型と付いている。

 中型潜水艦では初めて53センチ魚雷を搭載した。


 特中型呂号潜水艦は通商破壊作戦用の潜水艦として設計された。

 全部で4隻建造され、就役は海中Ⅳ型呂号潜水艦と同時期であ。

 海中Ⅳ型呂号潜水艦に比べ小型で水上速力が劣るが、武装はほぼ同じである。


 特中型呂号潜水艦は全艦が川◯造船所の建造であるが、この型の建造後、川◯造船所は伊号型の建造にシフトし、以後かなりの間、呂号潜水艦を建造する事は無かった。

 史実では1941年に川◯造船所は呂100型の呂号101潜水艦の建造を開始するが、小型の呂号潜水艦を建造するのは実に14年振りの事になる。 



 今回の歴史では「特中型呂号第29潜水艦」に合わせたかのように他の4隻も1936年に除籍され閑見商会に売却された。


 その事情の裏側には伏見宮総長の強い要望があっての事だが、それを知る者は少ない。


 閑見商会に売却された潜水艦はスクラップになる事なく魚雷発射管を外され大幅に改装された。

 そして軍属待遇の元海軍将兵を乗組員として運用される。


 だが、それを知る者は日本の中でさえ極めて限られていた。


【続く】 


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