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69話 スマホ献上する

 よし、今日は待ちに待った王様との話し合いだ! 昨夜準備した物は大丈夫だろうか? 私達の思いを上手く伝えられるだろうか…。朝食を食べ、みんなで顔を見合せ静かに頷いた。


 部屋で待っているとメイドさんが呼びに来たので、執務室へ向かう。参加するのは私とアイシャの2人と青の団長ガルダさんと副団長。この2人とは執務室の前で待ち合わせ。メイドさんの後を追いながらコソッとアイシャに


「あぁ~緊張する…なんでこうも慣れないんだろうね…シャキッっとしていられるアイシャが羨ましいよ…」


「きっと大丈夫だよ。旅に戻ったらこの緊張感もなくなるだろうし、頑張ろう!」


「う、うん。そうだね…また、別の緊張感が出てくるだろうけど…」


「別の緊張感?」


「そうそう、魔物と対峙する時とかミントに怒られる時とか…ね」


「ハハハ…」


 途中で赤の団長グラットさんとすれ違い


「おう、これから話し合いか? 頑張れよ!」


と肩をポンと叩いて応援してくれた。うん、頑張るよ…。


 執務室の前に着くとライアスさんが扉の前で待機していて、扉を開いてくれた。ガルダ団長が頷いてみんなで執務室に入ったよ。やっぱりネックは連絡を取れないと困ると言う事…なので、コピーしたスマホと昨夜作った使い方を書いた紙を机の上に置いたよ。


「此方はスマートフォンと言いまして、遠くにいる私と何時でも連絡がとれる物でして…使い方も簡単なので…こちらでどうか…」


「ほぅ…手に取ってみても良いかな?」


「はい、是非とも……」


 電話のかけ方を説明して0を押して貰うと、直ぐに私のスマホが鳴った。耳に当て会話してみる。


「もしもし、聞こえますか? こんな感じで私の物と会話が出来るのですよ」


おお~周りから驚く声が聞こえる。ついでなので、


「どうか、私たちを旅立たせて下さい。お願い致します」


王様はニッコリ微笑み、うんうんと首を縦にふって


「よかろう、姉君の薬とローブの男達の事をよろしく頼む。何かあれば此方から連絡するし、困った事があればそちらからも連絡をしなさい。これが旅に出る条件だ」


私とアイシャは顔を見合わせ頷いた、やっと旅に戻れるね…と。


「ありがとうございます。2、3日中には旅立ちます。今まで御世話になりました。どうかお元気で…」


 深くお辞儀をして執務室から出るとガルダ団長が


「良かったな! 寂しくなるがまた、どこかで出会うだろう。それまで達者でな!」


と肩をポンポンと叩いてきたよ。


 アイシャとニコニコしながら部屋に戻ると、スマホが鳴った。出てみると王様からで


「城を出る前に晩餐会を行うぞ、今回はお別れ会を兼ねて盛大にやろうぞ!」


「は、はい。ありがとうございます。それは何時になりますかね?」


「明後日だ! ちなみに明日は王子達がもう1度車とやらに乗りたいと申しておる故、城壁付近で乗せてやってくれぬか?」


「は、はい。わかりました。朝食後に車でお待ちしておりますね」


「よろしく頼むぞ」


 ふぅ~城も出て居ないのにかかってくるとは…。それに晩餐会だって? 嬉しい様な嬉しく無い様な…。まぁもう1度ドレスを着られるのは嬉しいかな? その後もちょくちょく王様やら王子様方、お妃様からの電話が鳴った…。


 初めての物で堪らなく面白いんだろうな…だが、こうも電話が鳴ると落ち着けないと言うか面倒くさい…。でも出ない訳にも行かないし…。困ったなぁ……。

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