50話 セロのお城で
色々と考えてみたけど、取りあえず誤魔化しておくか…。過去に学んだドラマやアニメのあの便利な言葉を使って…。
「私、記憶が無くなっているみたいなんです。…気がついたらこの乗り物に乗っていて、パチェット村の近くにいたんです。しかもブラックポイズンスパイダーの糸にくるまれて…」
私はうつむいて鼻をすすってみる。
「す、すまん。こちらも仕事とは言え…ツラいめにあったのだな…」
「いえ、こちらこそスミマセン。アチラコチラの村の人達に助けてもらったり、神様の御神託を受けてどうにかこうにか生きてきました。仲間も出来て旅が出来て…」
ちょっとやり過ぎちゃったかな? 副団長、眉間を押さえちゃってるよ…ホントスミマセン…。
まぁここではコレくらいで終わりそうだな。後は、セロのお城についてからが問題だ…。
その後、私達は見張りのついている車で眠り、朝をむかえた。料理担当リーダーのカロンさんと協力して朝ごはんを作り、片づけてセロのお城に向かった。道中は何も起きなくて、無事にセロの街に着いたよ。
車は街の門の端に停めようかと思ったけど、そのまま着いてこいと言われたので、車で街中を通り抜ける。街の人たちは道の端に寄り騎士団が通り過ぎるのを待っていた。
橋を渡りお城の大門が開かれる。騎士団と一緒に車ごとお城の門に入ったよ。副団長とアイシャが降りてきて誘導された場所に車を停めてみんなで車から降りたら、騎士達に囲まれた。副団長に案内された部屋の中で大人しく待っていろってさ…。
「こんな事になるなら近くの街のギルドにローブの男達を置いてくればよかったね。なんかゴメンね」
『しょうがないじゃろう。強者がいる場所でないとあやつらが何かしらしていたやも知れんぞ』
「そうだよ。ミントさんの言う通りだよ。もし、ギルドにローブの男達を置いて来て、助けとかが来てパオロ村みたいになっちゃったら…グスっ」
「アイシャゴメンね。そうだよね、きちんとした所に引き渡して2度とあんな事が起きないようにしなくちゃね」
トントンとノックが聞こえ見張りの騎士がドアをあける。
「王に会ってもらう前にローブ姿の男達を引き渡してもらう。着いてこい」
そう言って案内されたのは窓の無い円形の部屋だった。床には大きな魔方陣が描かれている。その周りには騎士達が立っている。私は言われた通りに魔方陣の真ん中で収納からローブの男たち…確か…最初に収納に入れたグロルとホズン? それと後から来たレビンとレビン様とか言っていた奴と私の腕を掴んだ大きな男の5人を引っ張り出した。
ローブの男達はピクリとも動かない…あれっ? 幼神様は大丈夫だって言ってたけど…ひょっとしてダメだった? 冷や汗が吹き出した…その時、ウウってうめき声が聞こえてきて一安心。
私は魔方陣の外へ移動して騎士達がどうするのか見ていると、1人ずつ連れていかれた。きっとこれから尋問が始まるんだろうな…まぁ悪い事をしたら罪を償わなくちゃね。
私達は、と言うと私達も尋問されるらしい…みんな別々の部屋に連れていかれた。まぁローブ姿の男達と違って尋問というか事情聴取だけどね。
5人を出した収納はどうなっているのかだの、あの乗り物? は何だ、だの色々と聞かれたけど、全て記憶に無いとか、神様からの御神託で、とか神様からの贈り物で、って答え続けたよ。今日の所はこれで終いだ。って言われて案内された部屋に行くとみんな戻っていたよ。
アイシャはパオロ村の出身で、とか私に助けられた、とかで終わり、ミントは神様に遣わされて私のお手伝いとかで終わったみたい。だよね~怪しいのは私だけだったか…。ちなみに私だけは明日も事情聴取だってさ…。早くこのお城を出て旅に出たいなぁ~。




