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21話 ランクアップ

 今日は朝からデイジーさんとアイシャと一緒にギルドに来ている。クエストが貼られた掲示板を見ながら良い事を思い付いてしまった! それは、ポーションの材料となる薬草を集めるクエスト。少しだけ採集してコピーで増やせば少しの労力で稼げるのだ! まぁ初級用のクエストだからそんなに多くの報酬は貰えないけどね…


 薬草採集の紙を剥がそうと手を伸ばした時、誰かに腕を捕まれた…えっ? 何? その手の主は


「お前さんは昨日のクエストで冒険者ランク6になったから中級用のクエストしか請けられんよ」


えっ? あぁ…ギルド長のアントンさんだったよ。


「あのぉ、何故ランクが2つも上がってしまったのでしょうか?」


「そりゃ、お前さんの働きぶりだな。諦めていた連れ去られ救出とアジトの破壊。お前さんがいなきゃ無理だったろうよ。おめでとう! 良かったじゃねーか」


イヤイヤ…せめてランク7だったら初級用のクエストが請けれたのに? 何故2ランクも? ここは諦めちゃいけない! 頑張れ私!


「イヤ、私の働きぶりなど大した事無いです。他の冒険者の方が凄かったんですから…せめて1ランクアップ位じゃないでしょうか?」


「一緒に行った冒険者達が口を揃えてあいつは初級じゃなくて中級も上の方だぞって言っていてな。本当はランク5にしようか考えたが、冒険者登録初めてだったろ? いきなり3ランクアップじゃ過信し過ぎてこの後困ると思ったからランク6にしたんだ! それにもう登録済みだからよ…中級用のクエストはあっちだぞ」


はぁ………無理だったか…それなら諦めて中級用から探すかな。何か採集系のクエストを…


 中級の掲示板に行くと何人かのニヤニヤした冒険者達が居た。そして、


「俺と一緒にオーク狩りに行こうぜ!」


「イヤイヤ、俺とレイス討伐だろ」


とか


「近くのダンジョンで泥ネズミ退治だろ」


と誘われてしまった…こんな感じでモテても困るんですけど…!


 掲示板をくまなく探してみたけど、採集系は1つも無かったよ…。でも掲示板の片隅に気になるクエスト発見。誰も受けてくれる人が居なかったようで紙が古ぼけていた。受け手がいなくてずっと困っている人がいると思うと報酬よりもソレを先に片付けた方がいいと思うんだよね。


 依頼主はリカエン村のラボットさんで、依頼は近くのカルータ森の大ムカデの退治と、素材の採集だった…大ムカデって…気持ち悪い…でも、薄れた文字を読む為にすでに紙を剥がしちゃったんだよね……まぁしょうがないか…。


 デイジーさんの所にクエストを持って行くと、後ろから声をかけられた。


「そのクエスト、俺も気になっていたんだよね。だけど一緒に行ってくれる冒険者がいなくてさっ。だから俺も連れて行って欲しい」


 パッと見た感じ無精髭を生やした髪がボサボサの中年の冒険者だった。この人大丈夫かな? じっと見てみると、薄い茶色いオーラが見えた。多分、土魔法を使える人かもしれない、悪い感じもしないので一緒に行く事に決めたよ。面倒がみれるならアイシャも一緒でOKらしいから3人ですぐに出発!


 道中、無精髭の冒険者に話しを聞くと、テムという名前で土魔法を少し使える中級ランクらしい。若い冒険者とはウマが合わないらしく、1人で出来そうなクエストしか受けてないんだって。私も若いんだけどなぁ…。


 家族も居ないらしくお金を貯めて違う町に行こうか考えていた所、気になっていた大ムカデの退治を受ける奴が居たって事で一緒にっ、てなったらしい。手伝ってくれるんなら大歓迎なんだけどさっ! 


 リカエンの村に着き、ラボットさんを探して話しを聞く。貧乏な村でそんなに報酬が出せないけど、村、唯一の狩りが出来るカルータの森に大ムカデが何匹も出て狩りも出来なくて困っていたと。何匹もって、複数だったのね…中でも赤い大ムカデの脚は呪いの材料になるらしく、それも欲しいんだって。


 今日はもう暗くなってきたので、ラボットさんの家にお邪魔させてもらって、朝から退治に向かう事になったよ。狩りが出来なくてたいした食べ物が無いって事だったので、ここは1つ私が夕食を用意させてもらおうかっ! 


 シブーチの町で買った黒いパンにシャーモシーで作ったソテーとハーブを挟んでっと、後はカウリットの串焼きと、デザートはシブーチの町で見つけたカウリットの乳で出来たクリームチーズっぽいものにグロドビルビーの蜜をかけて出来上がり! みんな美味しいって喜んでくれたよ。


 森について詳しい話しを聞くと、目撃情報は3匹。大きさが違くてうち1匹が赤い色をしているんだって。出現場所も川の近くとか森の中程とか入口近くとかバラバラらしい。車で行ける所まで行って、1匹ずつ倒すしかないな。無事に退治出来る事を願い今日は早めに休みますか…。


 そして朝、昨夜の残りのパンにクリームチーズと蜜をかけ簡単に朝食を済ませ森に向かう。入口は狭いけど道があったから車で森に入って行くと確かにいた。黒々としたカラダをうねらせた1.5メートル位の大ムカデが…! 大ムカデはこちらに気付き毒液を吐き出す。毒液が飛び散った場所はシューシューと音をたて煙をあげた…

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