20話 ゴブリンのアジト
決まったはいいけど、ウォッカでつけた火は枯葉とか燃えやすい物が無いと直ぐに消えちゃうんだよね。まぁ目眩まし程度にはなるから、火の玉や剣でやるしかないか。
考えていると車の中から声が聞こえる。どうやら中の2人が目を覚ましたみたいだ。ソニアさんは14歳の髪の毛が綺麗な女の子。もう1人はアイシャという16歳の女の子だった。ここから東南の方角のパオロという村に住んでいて、村の外で剣の稽古をしている時に襲われたんだって。何匹かゴブリンを切り伏せたけど、数には勝てなかったらしい。暴れてみたけどその度に殴られて…気絶したみたい。体中にアザが出来ていてとても痛そうだった。
冒険者の1人がこれを使えとポーションを出した。アイシャがそれを飲むと体が薄く光りアザが消えた。ソニアの方は担ぎ上げられた時に恐怖のあまり気絶したみたい。アイシャは私もゴブリン退治を手伝いたいと言った。ソニアはいまだ恐怖心で体が震えているので車の中で待っていると言った。
アイシャは剣が使えるということで手伝ってもらおう。勿論、ランクの高い冒険者の側でだけど。まずは、アイシャがオトリになりゴブリンをアジトから遠ざける。5人の冒険者とアイシャに任せて、残りでアジトに向かう。ウォッカを撒くのは空を飛べるオル。アジトの入口に撒いてもらおおう。それから簡易的な火炎瓶を5本作ったよ。準備が終わり作戦開始といこうか…
アイシャは歌をうたいながらアジト近くを何時でも走り出せるようにうろうろする。暫くするとゴブリンたちが何か会話的な事をしながらアイシャに向かってきた。アイシャは森の外に向けて猛ダッシュ! 森の外近く車の側で構えて待っている冒険者たちの元へ…
冒険者たちは聖域の中からゴブリン退治を始めた。私達はゴブリンがある程度出ていくのを見計らってオルにウォッカを撒いてもらった。戸惑っているゴブリンに向けて火炎瓶を投げつける。何匹かのゴブリンは焼けたけど、やっぱり火は直ぐに小さくなってしまった。
残りの火炎瓶を投げつけながらゴブリンどもを退治し、少しずつアジトに入って行くと奥には大きなゴブリンが…これがこのアジトのボス、ゴブリンマスターだった。火の玉を放ち、怯んだ所を冒険者たちが切りつける。最後の火炎瓶をゴブリンマスターに投げつけこちらのゴブリン退治は終わった。
水の魔法を使い土砂崩れを起こしてアジトを潰した。後は誘き出したゴブリンだけど…車に戻るとたくさんのゴブリンの死骸。冒険者たちが言うには、魔物は魔石を持っていて、結構な値段で買い取ってくれるからそれを採ってから片付けた方が良いとの事。みんなで手分けして魔石を回収しまとめて燃やした。
ふぅ…疲れたよ…こんな時はやっぱり甘い物だよね! ナッツ入りのチョコレートバーをコピーして…と思ったけど、簡単に異世界の物を出したらダメだよね…人数多いし…後でコッソリ食べる事にして、メイン通りのお店で買った黒パンにグロドビルビーの蜜をかけてみんなで食べた。う~ん美味しくてみんなも喜んでいるよ。良かった良かった!
後は車組とシュトラ組に分かれて町に戻ったよ。門の近くに何人かの人影が見える。ギルド長とデイジーさんとリラさん一家がこちらを見て待っていた。車を停めて降りるとソニアさんとリラさんが抱き合って涙を流し再会を喜んだ。私もデイジーさんも貰い泣きしちゃったよ。早くアイシャさんも家族に会わせてあげたいな。
でもアイシャさんは、
「この町にしばらく居たい。私の村にはお店とか無いし、ここにはギルドがあるからクエストを受けられるし…私、初級冒険者だから…」
「でもそれじゃ、家族が心配するでしょ?」
「でも…弟たちいつもお腹を空かせていて、家計の足しになるくらい稼いでから帰ってもいいでしょ」
「でも、とりあえず無事だって言う連絡くらいは…」
「僕が行ってこようか?僕ならパオロの村まで半日位で往復出来るホッ!」
それではと手紙を書きオルに渡すと、
「それじゃ、行ってくるホッ!」
と言って飛んで行った。隣で話を聞いていたデイジーさんが
「それならうちに来ればいいよ。もう1人位なら大丈夫だろうし…」
「そっ、それで御願いします。雑用とかするので」
と言う事でデイジーさんの所でお世話になる事が決まった。
みんなでギルドに行くと、ギルド長のアントンさんが
「緊急クエストご苦労だったな。ゴブリンのアジト破壊と連れ去られ救出の2件だが、人数が多いから1人金貨3枚だ」
やったぁ! クエスト達成で金貨が手に入ったよ。明日からはアイシャも一緒にどんどんクエストをこなしてもっともっとお金を稼ぐかな。それと、さっき手に入れた魔石も売りにいかないと…。
考えていると、アントンさんが
「このギルドには素晴らしい風呂があるぞ! その血の汚れ洗ってきたらどうだ」
と提案してくれた。男湯しかないが頑張ったご褒美にだって。それなら案内がてらって事でデイジーさんと3人でお風呂に入ったよ。綺麗サッパリしたところで夜の町に向かったよ。




