18話 町での買い物
明るい日射しで目が覚めた。辺りには飲みかけの麦酒…あぁ、ちょっと飲み過ぎちゃったかな。ササッっと周りを片付けていると
「おはようちゃんと寝れた? 今、朝ご飯用意しているからちょっと待ってね」
「おはようございます。ひさびさにグッスリと眠れましたよ」
「それは良かったわ。今着ている服じゃ寒そうね。私のお古で良ければコレを着て! 私は朝食をとったらギルドに行くけど、ありさはどうする?」
「今日は町で買い物をするから一緒に行きますよ。その後はギルドで私に出来るクエストでも探そうかな」
「あら、クエスト受けてくれるの?」
「うん。あんまりお金持っていないし、旅の仕度もしなくちゃいけないからね…」
「わかった。それじゃあ買い物終わったらギルドに来てね。待ってるわよ」
私はデイジーさんから頂いた服をコソッとコピーして収納に仕舞い、着替えた。ちゃっかりしていてスイマセン…
「服ありがとうございます。とっても暖かいです」
「うん。昨日の荷物に新しい服が入っていたからね…それにまだ着れるから…」
あぁそういえば、昨日飲んでいる時にデイジーさんが家出してこの町に来たって言ってたなぁ…何でも靴職人のお父さんとケンカしたみたい。手紙は職人さんだけではなく母親からの手紙もあったようで、私の事だけじゃなく、職人さんがスゴく心配してるから1度帰って来て欲しいと書かれてあったみたい。デイジーさんも、もう怒っていないし、家族の事が気になっているみたいだし、オレント村に連れて行ってあげたいけど、そんなに仕事休めるのかな? 早く仲直り出来るといいなぁ。
一緒にギルドに行き、デイジーさんは仕事、私はお店が並ぶメイン通りへ。まずは物を売ってお金にしなくちゃいけないよね。
手持ちの食材とか素材を買い取ってもらったけど大した金額にならなかったよ……。かくなる上は…異世界ものの定番の手持ちの塩とコショウで……。ふぅ~コショウは高く売れたよ。(金貨3枚分を銀貨30枚でもらった)しかし、塩はこの辺りが岩塩の産地の為、銀貨10枚にしかならなかったよ…残念! まぁコピーしているから手持ちは減っていないんだけどね!
さてと、買い物、買い物っと。まずは服だよね、冬用の生地の厚めのシャツとズボンを2セット分と後は………。あれっ? 他に必要な物が思い浮かばない? 食材はある。調理器具も持っている。武器も貰った剣がある。うん。とりあえず色々なお店を見て回ろう。
美味しそうな食べ物屋さんも有ることだし、オルと一緒に食べ歩きしよう。この町ではオーソドックスらしい牛に似た魔物ムバッカの串焼きとか山羊に似た魔物カブーラの塩汁とかパンモドキとか…朝ご飯をしっかり食べてきたはずなのに、食欲が止まらない…このままじゃ太りそうです。後で町の外で剣の素振りでもしますか…。
オルと街中をウロウロしていると、帽子屋があったので帽子の試着をしよう。冬物の服は買ったけど帽子も必要だものね。オルに私の頭の上から降りてもらおうと手を伸ばした時、
「何か門の方が騒がしいね。僕ちょっと見て来るよ」
と言って飛んでいってしまった。私には何も聞こえないけど…まぁいいか。うーんと、どの帽子にしようかな。
バタンっ! ギルドの扉が乱暴に開けられ血相を変えた門番が駆け込んできた。
「大変だ! 町の外で薬草を摘んでいたソニアがゴブリンの群れに連れ去られたみたいだ」
「えっソニアが……」
「一緒にいた娘たちは無事に逃げれたがソニアが…」
デイジーの同僚のリラが泣き叫んだ。
「ソニアーーーっ!」
騒ぎを聞きつけギルド長のアントンが奥の部屋から出てきて話を纏める。
「それはどれくらい前の事だ?」
「はっ、少し前です。おそらくシュトラ(ダチョウに似た魔物)で追い掛けても間に合わないかと…」
「奴等は、シュベールの森に戻っている途中か…時間がたってはどうしようもない。諦めるしか…」
リラを介抱していたデイジーは
「諦めるのはまだ早いかも知れない! 今ならこの町にあの娘がいる。誰か! メイン通りにいる白いコルジァーナを連れた娘を呼んで来て! 早くっ!」
「うん? まだ間に合うかもしれないのか? もしそれが本当なら緊急クエストを発動しよう。ランク6以上の者は門の前に集合!」
ランク6以上の冒険者は門の前へ。それ以外のギルドに居た冒険者たちはメイン通りにありさを探しに行ったのだった……。




