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10話 エミーレ湖

 今日はアシットさんと村長さんと一緒にエミーレ湖に罠を調べに行く。罠に掛かっていると良いなぁ~。カウリット! 村長の奥様にお弁当を持たせてもらったよ。二人には後部座席に座ってもらいカーナビをセットして、いざ出発! アシットさんは目を見開いて大喜びし、村長は無言で座ってる。大丈夫かな? あぁアシットさんが歌い出したよ、天気も良いし車に乗れてよほど嬉しいのね。私までウキウキしてきたよ。


 朝早くに出て来たからお昼前にはエミーレ湖畔に着いた。エミーレ湖はエメラルドグリーンで大きく、周りには森。すごく景色がキレイ。魚が跳ねているし、たくさんの鳥が飛んでいる。


 アシットさんの案内で罠を見に行くと、大きなヒツジの様な魔物がいたよ。牛みたいなのを想像していたんだけど…。見た目すごくモフモフしていて触りたくなる。思わず近づこうとして、アシットさんに止められた。


「ありささん、近づくと危険です。普段は大人しいですけど今は罠に掛かって怒っていますからね」


 言われてみると、確かに怒ってるよね。鼻息が荒いし、足元の土がエグレてる。近くの村で育てているみたいだから今度行ってみようかな。あのモフモフは村長の家の布団とか敷物に使っているんだって、着ている物も。私もあのモフモフのコートが欲しいなぁ。後で村長にどうやったら手に入れる事が出来るか相談してみようっと。


 アシットさんがカウリットを仕留めて血抜きを始めた。かわいそうだけど、しょうがないよね。村の人たちが生きて行くのに必要だもの。


 その間、私と村長は湖で釣りをすることにしたよ。マローネン拾いの時にコピーした釣り道具を村長に渡し、使い方を教えてやってみた……。今日はなかなか釣れないなぁ。でも、釣りってこういう物だよね。糸を垂らしたまま村長とお茶を飲んでいると、突然すごい勢いで竿が引っ張られた。


 急いで竿を握りリールを巻く、うっ…重い…私にとっては久し振りの大物感! 糸が切れないように引きが強い時は糸を出し、動きが落ち着いたら巻くの繰り返し。体感で一時間位。やっと影が見えてきた。うわっ! なんじゃこりゃ……ウナギのように長いけど胴体太っ! 長さ2メートル胴体1メートルもあった。村長と二人ががりで陸に引きあげた。


 村長に聞いてみると、ムノーガと言って美味しいらしい、10数年前に一度捕れたらしく凄く美味しかったと…早速テント用のハンマーとペグを使ってサバイバルナイフで……。湖の水で洗いながらウナギのように開いていくと、何とか捌けた。頭と内臓は折り畳み式スコップで穴を掘り、魔法で焼いてから埋めた。身は大きすぎるので何ブロックかに分けて収納したよ。村に戻ったら調理してみようっと! やっぱり蒲焼きがいいかなぁ。確か、蒸してからタレにつけながら何度か焼けばいいんだよね? 醤油もミリンも砂糖もお酒もあるし、美味しく料理出来そう! 一体何人分くらい出来るんだろう?


 アシットさんもカウリットを捌き終えてこっちに来た。二人揃って湖で手を洗っていると波が出てきた。風も吹いていないのに…? アシットさんが


「危ないっ!」


と叫び私を後に押し、ジリジリと下がりながら剣を構えた……その時ザバッと音をたてて湖の中から大きな口を開けた魚の魔物が現れた! どうやら血の匂いにつられてきたらしい。私も立ち上がり剣を握る。出てきたのはサメに似た大きな魔物! 


 村の人たちが罠を引き揚げる時にも時々出てくるんだって。アシットさんが


「コイツは面倒だ! 引くぞ」


と言うので逃げようとすると、ビタンビタンと音をたてて陸に上がってきた。


 いまだ大きな口を開けているので、剣をしまい、口の中に一発火の玉を放り込んでやった。ジュっと音がしてのたうちまわっている。もう一発! 辺りに魚が焼けた匂いがする。ちょっと美味しそうな匂い。トドメにもう一発入れると倒す事が出来た。今後の食料にする為に捌いて持って帰ろうっと。アシットさんと村長はポカンと口を開けて唖然としてたよ。


 たくさんの食料を手に入れる事が出来たので、そろそろ村に戻りますか。カウリットも収納して村に戻ったよ! 疲れたけど今日も1日楽しかったなぁ! 温泉に入ってさっぱりしてからお待ちかねの夕ご飯! 村長の奥様がカウリットのステーキを焼いてくれたよ。う~んやっぱりお肉は美味しいね!

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