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非労働系魔法少女ニト 羽休め、二箇所目

Q (略)

A (略)

 姫がベッドで眠ったのを見計らって、眠ったフリをしていたわたしはベッドから降りて、部屋から出て、そして廊下へと出た。

 その目的はただひとつ……というよりも、同じような目的が2つある。

 まずはジェニーの部屋だ。別に麻雀や野球をやるとかそういう用事ではない。ただ聞きたいこと……というよりも、念の為に聞いておきたいことがあるのだ。

 わずかながら、アンノウンの気配を察知できるジェニーに。

 ジェニーの部屋の前に立ち、チャイムを鳴らす。……とあるコンビニのような……ではなく、普通のチャイムがなる。

 ……ジェニーが出てくる気配が無いので、…………更にならす。……まだ鳴らす。ひたすら出てくるまで連打する

「うるさいですの! 訪問販売も新聞もお断りですの! あと、ワタクシが『コノザマ』に頼んだゲームはまだ届かないはずですの!」

「ちゃおっすジェニー、夜更かしはアンチエイジングの大敵だよ?」

「それ、あなたが言うことですの……?」

「まあいいじゃん! そんなだからロリ貧乳ってみんなに思われるんだよ?」

「すごく不名誉な思われ方ですの! あと貧乳じゃないロリは色々おかしいんですの!」

「お子ちゃまのジェニーちゃんは知らないと思うけどさ、世の中にはロリ巨乳というジャンルが存在するんだよ?ロリBBAの」

 と、話の途中で殺気を感じ取り、一歩下がる、更にもう一歩、そして伏せる。

「チッ……ハズしましたの」

「えっ……酷くない? ロリBBA」

 更に殺気を感じ大きく避ける。避ける。跳ぶ。

「甘々だよ、マンモーニロリBB」

「これ以上ワタクシに対してロリBBAロリBBAと連呼するのでしたら……そのうるさい口を封じ込めますのよ?」

「吸血鬼らしく、ズキューンって?」

「それはむしろ吸血鬼になる前の段階ですの! あと、それはライバルの恋人を寝取……奪うためにするキスですの!」

 まさか……あのジェニーちゃんが……『寝取る』と……!

「…………大人になるって悲しいことなんだね……まさか、見た目はロリのジェニーちゃんがわたしの恋人を『寝取る』なんて」

「寝取るもなにも、そもそもあなたに恋人なんてしないハズですのよ!? 」

「くッ……」

 もうわたしの心はボロボロだよ……某ク○○○リンの気持ちになったよ……

 ……あなた達はそこまでして上位報酬がほしいの……? わたしのたったひとつの願い(と何枚もの諭吉さん)さえも踏みにじって……あ、先手をうつけど、破産せよランナー禁止。

「ところで、ニトさんが最後に告白されたのはいったい何時の事ですの?」

「グァッ!」

 心を粉砕され、思い出が走馬灯のように蘇る……召喚時に自壊するモンスターのように、脆く儚い思い出。

 …………あの頃は、輝いていたな……わたし。並み居る男達に対して一生残りかねない心の傷を負わせながらズバズバドシュドシュ斬っていった頃……個人的に一番心が傷つきそうな断り方をした京介君は元気かな……ひょっとしてまだ失恋の勢いで組んだチームでの大会荒らし続けてるのかな?

「チッ……流石に言い過ぎましたの……?」

 あれは流星かな? 違うよ……流星っていうのはね、もっとこうパーッと……

「早く起きますの! 要件があるならとっととしなさいですの!」

「ゴリラ自壊スクラップ回収…………ああ、用事ね? ……なんだっけ?」

 へヘヘ……ヤバい……マイクラからの再起動で飛んでいったかも……

「だ! か! ら! ワタクシの部屋を訪れた理由ですの! ワタクシの邪魔をした理由が下らないものだったらあなたの血液を吸いますのよ!」

「ああ、ちょっと個人的に気になった事があったからね……一応聞いておくんだけど、ジェニーちゃんはアンノウンの気配を感じ取れるんだよね?」

「愚問ですの、さっき現れたアンノウンの場所も時間も覚えていますの!」

 そう、大きく小さい胸……英語でいうとノット・ア・スモールバスト、を張って自慢気にいうジェニーちゃん……これは多分大丈夫だね。

「いや、場所はいいから……まあ、聞きたいことを単刀直入に言うよ? ここ最近のアンノウンの出現した時間を聞きたいんだけど……いいかな?」

「ハンッ、そんな事でしたの……一応記録をとってきますから正座して待機していればいいんですの」

 ツンデレならツンデレらしく『べ、別にアンタのために作ったワケじゃないんだからね!』とかそういうボロ雑巾と化すほどに使い古された台詞でも使えばいいのに。

 斬鬼の気持ちになってめった切りにするから

「持って来ましたの!」

 勢いよく資料は投げられて……べちーんとかそういう擬音が必要なくらいに、わたしの顔面に勢いよく当たった。……さあ、ショータイムの始まりといこうかね?もちろん処刑という名の。

「顔面はノーカンですの! ノーカン! ノーカン!」

「通るワケ無いでしょうが! ……顔面セーフはドッジボールと枕投げとボクシングだけだからね、覚えておくといいよ」

「肝にめいじますの……」

「じゃあさっそく……死ぬがよい」

 ルールを守らない者には罰が必要って某Aさんも言ってたし!


「四つん這いになってから3回まわってワンって言ってよ、ジェニー」

「だ……誰がそんな事を」

「うん、早くしてよ」

 どこかで見たことあるやりとりだって? ……逆に考えるんだ。似ていたっていいさ、と考え……分かった人はホモだよね(確信)

 ……わたし? わたしは……ちょっと関係ないところにでしゃばってきてた奴らの元ネタを調べるうちに行き当たって知りました。ただの……の探索者です。

「……まあいいや、今日のところはここで終わってあげるから……貸しひとつね?」

「……身勝手過ぎますの」

 え? 何? 聞こえないなぁ?


 次にわたしはアマテラスちゃんの部屋を訪れた。こっちのほうもだいたい用は同じでアンノウンの事だ。

 アマテラスちゃんは寝てるんじゃないのか? 色々あって、あの子は夜行性になったからね……

「はろろあろろ~仁兎お姉さんですよ~」

「あ、ニトおねぇちゃん! こんばんは!」

「ちょっと聞きたいことがあるんだけどさ、アマテラスちゃんは日の当たるところで起こったことなら探知出来るんだよね?」

「うんそうだよ! たいよーの記憶を借りたらケネディ暗殺のしんそーとかだって教えてあげられるよ!」

「あー、ケネディ暗殺の件は個人的に気になるけど、別の事を聞きに聞たんだけど…………」

 そう前置きしてアマテラスちゃんの耳元に顔を近づけ、聞きたい要件を囁く。

「ちょっと待って…………『我は太陽の化身なり。おおいなる太陽よ、我が声に応え、汝の記憶を我に貸し与えたまえ……』…………うん、あった…………こっちは…………だいたいニトおねぇちゃんの予想通りだったよ!」

「ねえアマテラスちゃん、いくらなんでもキャラ変わりすぎじゃない?普段と呪文詠唱の時とで」

「……『いずれ分かる、いずれな……』」

「よかれと思ってもそれは禁止、よかれと思ってもそっちに統一しないで」

 あとその台詞は裏切りフラグだ。よかれと思った結果敵側になるパターンだ。多分。

「ねえニトおねぇちゃん、なんでだいたい千年くらい前と最近の記憶を調べたかったの?」

「いや……ウチの居候(仮)が……いや、なんでもない」

「……すごく気になるんだけど……まあ、にとおねぇちゃんのことだし、気にしないよ!」

「『ニトおねぇちゃんのことだし』っていったい何なのかはこの事件を解決してからじっくりと聞かせてもらうよ。じっくりと……ね?」

「あー……それは……ニトおねぇちゃん、いっつもこうだから……気になった事は分かるまで調べて」

「わたし、いっつもそんな……あ、そういえば、鵺って平安時代だったっけ?」

「ぬえ? ……ぬえーん……平家物語にあったような気がするから平安時代だったと思うよ?」

「やっぱり平安時代だったか……まあ、兎やらドラゴンは流れには関係なさそうだから除外してもいいかな? だったら……とどのつまり、謎は全てイラッと弾けて解けたウラ!」

 検索を開始するよ。平安時代、姫……3つもないじゃん……

「ニトお姉ちゃん、いろいろ混じり過ぎちゃってるから何がいいたいのか分かんないよ?」

「いや? 兎は関係あるか……?」

 兎をカウントして3つ……いけるやん!

「ねえニトお姉ちゃん……」

「となると、最初の方から推理し直して…………」

「ねえ?」

「分かった! 犯人はあの人だ! バレて悔しいでしょうねぇ」

「ニトお姉ちゃん? 少し頭冷やした方がいいんじゃないかな?」

 ああ、わたしの悪い癖だ……夢中になってすぐに他人の事を忘れてしまう……三さなんとかさんやらディハゲさんとかそういう空気キャラじゃなくてもついうっかり良かれと思って忘れてしまう。

 関係ない事だが、わたしの悪い癖は多分26個ある。つまり……どういうことだってばよ……?


「情報を整理しようか、ウチの居候……わたしは姫って呼んでるんだけど、その子と鵺が何か関係がありそうなの。あと、今日のアンノウンは豪華二本立てで兎と鵺だったの」

「ニトお姉ちゃん、説明するときにはまず話を纏めてからにして欲しいんだけど……」

「つまり、月からの使者はアンノウンだったんだよ! な、なんだってぇ!? ……じゃなかった、なんか姫は警戒した方がよさそう。以上」

「ニトお姉ちゃん、説明は……?」

 ……アマテラスちゃん、大人が全員いちいち解説してくれると思ったら大間違いだよ……

チャーリーはにげだした

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