表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/8

非労働系魔法少女ニト 羽休め

Qなんでウサギ(仁『兎』)なのに羽休め? 

A調整中、ただいま担当部署に問い合わせておりますため、云々

 朝、わたしにとっては中途半端な時間帯に起きてしまった……より具体的にいうなら、8時半を少し過ぎた時間……全国の少女達……と大きなお友達が1つのアニメに対して夢中になる時間帯……あ、その少し前の時間から継続して見ている少年達と少年の心を持った大きなお友達を忘れていた。

 すぐに二度寝したかったものの、そうするわけにもいかないようだった。

 この部屋にはわたしとヤヌスしかいないはずなのに、人の気配がしたからだ。

 犯人の中から、まずアマテラスちゃんとジェニーは除外できる。

 アマテラスちゃんはこの時間帯は自分の部屋でアニメに夢中になっている時間帯……そして夜行性のジェニーも除外ゾーンに置く。ならヘッド? それも違う。ヘッドもとい管理人さんはおそらくこの時間から既に副業(本業があるのかは不明)の為にスタンバイしている。一応ジェニーの反対側の部屋の人もいるのだが、今日は実家に行っているはずだ。

 つまり……消去法で泥棒さんに確定かな? ……わたしの部屋に入るとはよく訓練された変態みたいだね……じゃあわたしの部屋に土足(実際は分からんけど)で踏み入いった自分の愚行を呪って死んでもらおうかな?「さ……シ……タイム……」

 耳をすませると、音量がかなりさげられているもののかすかにアニメの音声らしきものが聞こえてくる……泥棒め、わたしの部屋に侵入しておきながらノンキにアニメ見やがって……これは魔法でお仕置きかな?

 とりあえず泥棒に対してお仕置きを仕掛けようと思ったのだが、かすかな違和感を感じる……何かが足りないと思ったらヤヌスがいなかったのだ。

 となると犯人はヤヌス? 一瞬そう考えたものの、すぐに間違いだと思い直す。人の気配がするのだからヤヌスではありえない。

 とりあえずヤヌスの行方と犯人を探すため、眠りたいという欲望をこらえ、目を開いてテレビの置いてある辺りを確認……

 テレビの前に夢中になってアニメを見ている少年がいた。

「…………落ち着こう。まず、幽霊なんか見えないし存在しえない。うん……」

 念のため、もう一度確認するとそこには誰もいなかった……痕跡という痕跡は、テレビがついているという事だけ……

「ニト? どうかしたの?」

「あれ、ヤヌス? 今どこにいたの?」

「普通にテレビ見てたんだけど……気付かなかった?」

「え? だって今……あれ?」

 やっぱりさっきのは幽霊じゃなくてヤヌスを見間違えたのかな? だって、さっき一瞬だけ見えたあの子の後ろ姿、髪の毛が水のイメージに近いような青色ということを除けばなんかヤヌスっぽかったから。

「ところでニト、なんでこんな時間帯に起きたの? いつもは夕方まで寝てるのに……」

「いや、なんでもないよ……あ、そのアニメ、一緒に見てもいいかな?」

「いいけど……ストーリーとかキャラ分かるの?」

「雰囲気だけ楽しめればいいかな? 最近そんな感じでも結構楽しめるようになったし」

「別にニトがいいならそれでもいいけど……」

 たまにはこんな風に早起きしてみるのもいいのかもしれない。みんなと出会う前……ニートになる前もニートになった後もこんな時間にゆっくりアニメを見るなんて事はなかったから。

羽休めだからといって短すぎたと少し後悔

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ