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鉱物
ライトに照らされた洞の中では、氷柱のような鍾乳石と石筍がキラキラと濡れて輝いていた。
「綺麗……ですね」
先を歩く後輩が漏らす感嘆の声が、反響して響く。
だろう、と返しながらしばらく奥に進むと、ピタピタと響く水音が大きくなり、やがて広い空間に突き当たった。地底湖だ。
透明に澄んだ水が、それでも底を見通せないほどの深さで湛えられている。
淵に立ち、お互い見つめ合ってから手を繋ぐ。その上を後輩が紐で結んだ。ライトを消すと、墨汁の中に浸かってしまったかのような濃密な闇が広がる。
言いたいことはたくさんあった。だが、言えることは何も残っていなかった。
陽の光を知らない水は、夏だというのに痺れる程に冷たい。
上も下も分からない暗闇の中、後輩の暖かさだけを感じて目を閉じる。
――願わくは、この底で私たちも沈殿し、いつかきれいな石になれますように、と。




