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ストーカー話とスケスケ温泉旅行

次の日昼休み俺とチョコは屋上で力なくうなだれていた。


「私のスマホ着信50回よ、ラムネは?」

「俺は90回だ…。」


「二人ともどうしたの?」

モナカが俺達を心配そうに見ている。


「昨日、悟に相談されて助けに行った相手が粘着してきてな…。」


「それで着信50回よ。

完全なストーカーよね。」


「俺のが辛い90回だ。」


「何よ私は一人から50回よ!

あんたは一人30回じゃない。

しかも相手はあの美女達でしょ。

あんたのはギリギリストーカーじゃないわ。」


「はあ!着信受けるのは俺一人なんだから俺のが辛いだろ!」


そんな俺達をモナカが止める。

「まあまあ二人共落ち着いて。」


「「はぁ……。」」


内海ファミリーはみんな夢中になるタイプらしく、俺とチョコのスマホは朝から鳴りっぱなしだった。


「そういえばカカオさんが今度の連休に温泉慰安旅行に行こうって言ってたけど、みんな行く?」

モナカが気を使って話題を変えてくれた。


「混浴温泉ならいくぞ。」

俺は即答した。


「ラムネはまたすぐそう言う事言う。

混浴温泉にな若い女の子がいるわけないでしょ。」

チョコは突っ込むのもめんどくそうだ。


「何言ってんだチョコ?

俺はお前達と一緒に温泉に入りたいだけだぞ。」


どうせカカオさんもフレークもすぐ飲むからな、俺はまだ一人で温泉に入って喜ぶ年じゃない。


「わっわっわ、私達と!」

「はっはっは、入りたい…。」


チョコとモナカは顔を赤く染めて、はわはわしている。


「そんなの辺り前だろ。」

俺は堂々と言う。


「そんな事言っても私達の裸なんて見た事あるじゃない。」

「うんうん、そうだよね。」

チョコとモナカはなぜか冷静を装っているみたいだ。


「見た事ある?それは関係ないだろ?

何度でも見たいに決まってるだろ。」


「ちょー、ちょっちょっちょっ!」

チョコの顔はどんどん赤くなっていく。


「貸し切りの家族湯とか有ったら入りたいねラムネ。」

こういう時はモナカの方が覚悟を決めるのが早い。


二人の違った反応を見て俺の右肩が熱くなる。


俺は二人を抱きしめて交互にキスをした。


「私の裸ならいつでも見ていいんだよ。」

モナカは堂々とキスを受け入れる。


「ごっご主人様…。」

チョコも何かスイッチが入ったのか俺をご主人様と呼び出した。


キンコンカンコン……。

突然鳴り響いたお昼休み終了のチャイムに俺達は離された。


「慰安温泉旅行ってのは、悪霊の溜まりやすい谷にある温泉宿で除霊してその代わりに無料で泊めてもらう毎年恒例の旅行よ。

もちろん貸し切りの家族湯もあるわ。」

チャイムが鳴ってしまったので詳しくは後でという事で俺達は急いで教室に向かった。


〜〜数日後〜〜

俺達は特急列車に乗って温泉地に向かっていた。


「駅弁いかがですか?ビール、お土産もございまーす。」


「おう!ねえちゃん待ってたよ。

ビール2つとイカの燻製、それにこいつらに駅弁頼むわ。」

カカオとフレークは既に良い気分に出来上がっていた。


新幹線を選べば直ぐに着くのに、わざわざ特急を選ぶ所に彼等のビールへのこだわりを感じる。


「私はアイスとポッキーも。」

「私はポテトチップス下さい。」

チョコとモナカも負けてはいない。


「おいおい、これから仕事だろ?

大丈夫なのか?」

俺はみんなを注意する。


「仕事は明日からだ、今日は目的地に行くだけだから安心しろ。

それに飲食は全て経費だ好き勝手やっとけ。」


「お姉さん、俺は弁当2つだ。

ビーフジャーキーと燻製茹で玉子、地域限定こだわり100%ジュースを頼む。」

俺も仕事は忘れ好き勝手はじめた。


俺達は景色を見たりババ抜きしたり、列車の旅を楽しんだ。


列車を降りてから、さらにバスに乗り換え宿を目指す。


バスの乗客は次次降りていき、だんだん山道が険しくなっていった。


「うっ!レロレロレロレロレロ。」

ガラガラになったバスの後部座席では、カカオがビールのリサイクルをしていた。

毎年恒例なのだろう、自分でエチケット袋を持参していた。


「あー、あれなら毎年恒例だから心配しなくていいよ。

ラムネとモナカははじめてだから今回の仕事の説明をしておくね。」

フレークさんが席を移動してきた。


俺達が向かうのは〇〇ゆかりの温泉宿、武将〇〇最期の地。


日本中にそういった温泉地があるが、殆どの場合実際に〇〇家の子孫が経営しているわけではなく、その〇〇家を滅した農民の子孫が経営している。


山に逃げ込んだ〇〇軍を勝った方の軍が探して農民達に言う。


「〇〇の首を持ってきた者に褒美をとらす、逆に庇えば村ごと滅ぼすぞ。」


こうして〇〇家は信頼していた村人達に倒され、村人達は〇〇家の隠し持っていた財産と貰った褒美で村のでかい集会所や温泉を掘る。


その建物や温泉が時を経て隠れ住んだ〇〇家ゆかりの温泉宿となるのだ。


やがてバスは終点〇〇ゆかりの温泉宿に到着する。


「ようこそいらっしゃいました。

今年もよろしくお願いします。」


宿屋の若女将が俺達を迎える。


この除霊旅行はもちろん宿屋にとっても重要なイベントで、除霊だけではなく閑散期の終わりに新しいメニューの試作や新しい従業員の練習も兼ねている。


俺達は部屋に荷物を下ろすとまずは村の資料館を目指す。


そこには死んだ姫君の着物や当時の物がそのまま置かれていた。


「それじゃあ確認するぞ。

この鎧は武将猪丸。

そこにかけてある槍の使い手だ。

タフだしパワーがあるから注意してくれ。」


短刀を使い自らも戦う鳥姫やそのお付き達、剣の達人の斎蔵や河馬二など、実際に毎年霊と戦ってるだけあって資料館の資料よりリアルだ。


次に向かったのは神社。

ここではお祓いをする事も無く見学して終わった。

〇〇家を倒した村人が経営している〇〇神社なんかに御利益あるわけないだろと言うのが理由だった。


そして俺達は神社から車で10分くらいの滝に向かった。

この滝は実際に〇〇家の者達も浴びた様で毎年恒例の滝業となるそうだ。


俺とカカオとフレークはここで白い装束に着替えて滝に打たれた。


水が冷たくて鳥肌が立って何故だか乳首まで立ってくる。


水に濡れた白い装束はスケ、全身鳥肌だらけの乳首が立った男三人がそこに誕生した。

滝業をして浄められたはずなのに最悪の気分だ。


「寒ーー!それじゃあ俺達はもう着替えて車に戻るわ。

ラムネは二人が安全に滝業出来るか見てやってくれ。」

そう言うとカカオとフレークは車に向かって歩き出した。


「俺も寒いんですけど、俺は濡れたまま待つんですか?」


「まあそう文句言うな。

若いお前なら直ぐに熱くなるさ、役得だぞ。」

若くたって寒いものは寒いぞ。

俺はそう思って早くチョコとモナカが滝業を終えて欲しいと思っていた。


そこに俺達と同じ白い装束を着たチョコとモナカが現れたのだ。


俺の右肩が激しく疼く。


これから二人は俺達と同じ白い装束で滝業に挑むのだ。


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